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全固体二次電池の開発

全固体二次電池の開発

~高性能化と製造技術~
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概要

本書籍は、全固体二次電池について、固体電解質ならではの高性能化と製造技術を解説しております。
また、市場と競合電池・キャパシタ技術も網羅しております。

目次

第1章 用途・市場別の技術動向と要求特性

第1節 安全な電池開発技術動向と市場展望 – 二次電池の安全性向上
  • 1. 二次電池の市場動向
    • 1.1 安全性が求められる中大型LIB市場
  • 2. リチウムイオン電池の安全性向上のための技術開発
    • 2.1 セル部材改良による安全性向上のための技術開発
    • 2.2 制御の安全性向上のための技術開発
第2節 RFIDの技術・市場動向と電池への要求特性
  • 1. RFIDの概要
  • 2. アクティブRFIDタグの現状と用途
  • 3. アクティブRFIDタグの電池
  • 4. アクティブRFIDタグの将来
第3節 医療分野における薄膜、小型電池技術と要求特性
  • 1. 医療機器開発の特異性と医療用電池の要求事項
  • 2. 生体電気刺激装置と電池
    • 2.1 ペースメーカ
    • 2.2 埋込型除細動器
    • 2.3 その他の生体電気刺激装置
  • 3. 人工心臓
    • 3.1 人工心臓開発の現況
    • 3.2 NEDO人工心臓開発プロジェクト
    • 3.3 医薬基盤研究所完全埋込み型補助人工心臓システム
    • 3.4 人工心臓駆動用バッテリーシステムに求められる二次電池特性
    • 3.5 人工心臓用二次電池の国内外の状況
  • 4. 最後に~電池関係企業への要望~
第4節 リチウムイオン電池を用いた高性能環境車両用電池の研究開発
  • 1. 環境車両用電池に求められる特性
  • 2. EV走行に必要なエネルギー
  • 3. リチウムイオン電池における高出力特性の探求:HEVへの適用
  • 4. 電池の熱挙動と電池システムの安定性

第2章 固体二次電池、小型電池の構成と特性

第1節 薄型有機ラジカル電池
  • 1. 安定ラジカル高分子
  • 2. 安定ラジカル高分子/炭素複合電極
  • 3. 安定ラジカル高分子/炭素複合電極の電気化学特性
  • 4. 有機ラジカル電池の特性
    • 4.1 PTMA/炭素複合正極を用いたリチウムコインセルの充放電曲線
    • 4.2 PTMA/炭素複合正極を用いたリチウムコインセルのサイクル特性および放電レート特性
    • 4.3 PTVE/炭素複合正極を用いたリチウムコインセルの充放電曲線
第2節 電気二重層キャパシタの動向とコイン型の動向
  • 1. 概要
    • 1.1 EDLCの概要
  • 2. 大型~コイン型EDLCの最新の世界動向
    • 2.1 世界のEDLCの生産活動
    • 2.2 EDLC関連のセミナー,国際会議
  • 3. コイン型の現状と品種
    • 3.1 コイン型の概要
    • 3.2 コイン型EDLCの製品の歴史と展望
    • 3.3 現状の課題と将来展望
      • 3.3.1 活性炭
      • 3.3.2 電解質,溶媒
      • 3.3.3 バインダー:表5~表6
      • 3.3.4 セパレータ
  • 4. 分極性電極の製造方法とコイン型EDLCの安全性
    • 4.1 分極性電極の構成材料
    • 4.2 成形加工方法
    • 4.3 乾燥方法
    • 4.4 安全対策 (漏液,シール剤)
  • 5. 今後の展望
第3節 薄膜電池
  • 1. ペーパー電池
  • 2. 薄膜技術を用い薄膜電池の作製
  • 3. セラミックス系電解質を用いた電池
  • 4. ポリマー電解質を用いた電池
  • 5. ポリマー電池
第4節 超微小リチウム電池の構成と特性
  • 1. シリコン基板埋め込み型リチウム2次電池の作成
  • 2. シリコン基板埋め込み型リチウム2次電池の充放電特性
  • 3. AFMを使用した超微小リチウム電池領域の実現
第5節 光キャパシタ・二次電池の構成と特性
  • 1. 光二次電池の構造と動作機構
  • 2. 光キャパシタの構造と動作機構
  • 3. 光キャパシタの光充放電特性
  • 4. 光キャパシタ構造の改良による光充放電特性の改善
  • 5. 蓄電層の改良による光充放電特性の改善
  • 6. 大型光キャパシタの作製と拡散太陽光下における出力特性
  • 7. 今後の展開
第6節 三次元電池
  • 1. 三次元電池の構造概念
  • 2. 三次元電池に向けた電極系の構築
  • 3. 三次元規則配列複合構造体による全固体リチウム電池の作製
  • 4. マイクロ電極アレイを利用した三次元電池の構築
第7節 マイクロ燃料電池
  • 1. 燃料電池の基本構造と動作原理
    • 1.1 基本構造と動作原理
    • 1.2 燃料電池の種類
    • 1.3 小型化に適した燃料電池
  • 2. マイクロDMFCの構成と作製技術
    • 2.1 スケールダウン型
    • 2.2 平面型
    • 2.3 マイクロリアクタ型
    • 2.4 水素マイクロ燃料電池
  • 3. 平面型マイクロDMFCの作製例
  • 4. 今後の展望・バイオ燃料電池

第3章 イオン伝導のメカニズム・支配因子と高イオン伝導化対策

第1節 無機固体電解質におけるイオン伝導のメカニズムと支配因子
  • 1. 固体電解質の概略
  • 2. イオン導電機構
  • 3. リチウム固体電解質—概略
  • 4. リチウム固体電解質—ケーススタディー
    • 4.1 イオン導電性
    • 4.2 ペロブスカイト型リチウムイオン導電体
    • 4.3 リシコン (LISICON)
    • 4.4 チオリシコン
    • 4.5 LIPONガラス
    • 4.6 イオン導電の支配因子の考察に必要な他の物質系
  • 5. 全固体電池への展開のために考慮すべき因子
  • 6. イオン導電の支配因子—おわりに
第2節 高分子イオニクス材料の伝導メカニズムと分子設計
  • 1. 高分子中のイオン伝導過程
  • 2. 低分子溶媒と高分子中のイオン伝導の比較
  • 3. イオン伝導ガラスとの比較
  • 4. 高導電率発現のためのポリエーテル設計
  • 5. イオン液体を用いたデカップル系高分子固体電解質
  • 6. 選択的リチウムイオン輸送の実現
  • 7. 界面電荷移動反応とポリエーテル構造
第3節 電極でのイオン伝導と電解質/薄膜電極界面でおきる電荷移動反応および界面制御法
  • 1. 電極でのイオン伝導
    • 1.1 電極内でのイオン移動機構
    • 1.2 電極のリチウム挿入脱離反応に伴う相変化機構
  • 2. 電解質/薄膜電極界面で起こる電荷移動反応と界面制御
    • 2.1 液体電解質/薄膜電極界面で起こる電荷移動反応
    • 2.2 ポリマー電解質/薄膜電極界面で起こる電荷移動反応
    • 2.3 無機固体電解質/薄膜電極界面で起こる電荷移動反応と界面制御
      • 2.3.1 ガラス電解質/薄膜電極界面で起こる電荷移動反応と界面制御
      • 2.3.2 結晶性電解質/薄膜電極界面で起こる電荷移動反応と界面制御
  • 3. 固体電解質/薄膜電極界面のその場形成
第4節 電解質/電極界面修飾による全固体リチウム二次電池の高出力化
  • 1. 無機固体電解質を用いた全固体電池の特長
  • 2. 出力性能の律速段階
  • 3. 界面イオニクス現象
  • 4. 全固体リチウム二次電池の高出力化

第4章 無機、高分子固体電解質の開発

第1節 固体電解質における高イオン伝導化技術動向
  • 1. 高分子固体電解質の高イオン伝導化
  • 2. 無機固体電解質の高イオン伝導化
    • 2.1 高イオン伝導ガラスの設計指針
    • 2.2 メカノケミカル法によるガラス電解質の作製
    • 2.3 ガラスと高分子とのハイブリッド化
    • 2.4 ガラス電解質の結晶化による高イオン伝導化
第2節 硫化リン系固体電解質の開発と全固体リチウム二次電池の特性
  • 1. 無機固体電解質の特徴
  • 2. 硫化リン系固体電解質
  • 3. 硫化リン系固体電解質を用いた全固体リチウム電池
第3節 ポリマー電池の技術動向
  • 1. 緒言~ポリマー電池とは~
  • 2. ポリマー電解質の歴史
  • 3. ポリマー電解質の研究動向
    • 3.1 セラミックフィラーの添加効果
    • 3.2 難燃性を付与したポリマーゲル電解質
    • 3.3 新規ポリマーおよび電解質の提案
  • 4. 課題と今後の展望
第4節 イオンゲル電解質膜を用いたSi薄膜型リチウムイオン電池の特性
  • 1. ポリマー/シリカイオンゲル電解質膜の開発と電池特性
  • 2. シリカイオンゲル電解質膜の開発と電池特性
  • 3. シリカイオンゲル-有機溶媒電解質膜の開発と電池特性
第5節 リチウム2次電池系におけるイオン液体電解質の可能性
  • 1. イオン液体について
    • 1.1 定義
    • 1.2 イオン液体の電気化学分野における歴史的経緯
  • 2. イオン液体の物性と構造の相関について
    • 2.1 粘度
    • 2.2 融点
    • 2.3 熱安定性
    • 2.4 電気化学安定性 (電位窓)
  • 3. リチウム二次電池電解質としてのイオン液体
    • 3.1 TFSI系イオン液体
    • 3.2 FSI系イオン液体
    • 3.3 電極部材共存下における熱安定性評価
第6節 スターポリマー固体電解質とそれを用いた二次電池の特性
  • 1. MESポリマー固体電解質の開発
    • 1.1 L-MESポリマーの合成法
    • 1.2 L-MESポリマーの特性
  • 2. スターポリマー固体電解質への展開
  • 3. スターポリマー固体電解質 (S-MESポリマー) の合成
  • 4. スターポリマー固体電解質の特長
    • 4.1 発現するミクロ相分離構造と膜強度
    • 4.2 S-MESポリマー固体電解質のイオン導電率
    • 4.3 S-MESポリマー固体電解質を用いた充放電試験結果
第7節 シングルイオン導電型高分子電解質とそれを用いた二次電池の特性
  • 1. アニオン固定型高分子電解質
  • 2. アニオン移動抑制型高分子電解質
  • 3. 活物質/電解質界面のリチウムイオンの相間移動過程に及ぼす因子
  • 4. 高いリチウムイオン輸率を有する電解質/活物質界面のリチウムイオンの相間移動過程

第5章 電極の開発および成膜方法

第1節 粉体技術による全固体電池の作製
  • 1. バルク型全固体リチウム二次電池の構築
  • 2. 全固体電池のハイレート化にむけたアプローチ ~電極複合体の設計~
    • 2.1 導電助剤の形状と電池特性
    • 2.2 電極活物質のサイズと電池特性
  • 3. 全固体電池に適した高容量電極材料の開発
    • 3.1 硫黄をベースとする正極材料
    • 3.2 硫化スズをベースとする負極材料
第2節 スパッタリング法による薄膜リチウム電池の作製技術と電池特性
  • 1. 薄膜二次電池の構成、動作原理、特徴
  • 2. 薄膜二次電池の作製方法と評価方法
    • 2.1 サンプル作製装置
    • 2.2 サンプル作製方法
    • 2.3 評価方法
  • 3. 薄膜電池に適した材料、膜構成の検討
    • 3.1 電極材料の検討
      • 3.1.1 正極材料
      • 3.1.2 負極材料
    • 3.2 膜構成の検討
  • 4. 標準的な薄膜二次電池の安定性
    • 4.1 多サイクル安定性
    • 4.2 耐熱安定性
  • 5. 実用的な薄膜電池の検討と試作
    • 5.1 大面積薄膜二次電池
    • 5.2 可撓性基板薄膜二次電池
    • 5.3 積層型薄膜二次電池
    • 5.4 複合型薄膜電池
  • 6. まとめと今後の課題
第3節 PLD法による薄膜電極作成
  • 1. 薄膜作成とPLD法
  • 2. PLD法の原理
  • 3. PLD法による電気化学材料の薄膜作成
    • 3.1 合成した膜の形態による分類
    • 3.2 作成した膜の機能・目的による分類
第4節 ゾル-ゲル法による全固体リチウム電池用電極の作製
  • 1. ゾル-ゲル法による電池活物質粉体の合成
  • 2. ゾル-ゲル法による薄膜電極の作製

第6章 全固体電池の劣化機構

  • 1. 有機電解液を用いたリチウムイオン電池の劣化機構
  • 2. 全固体電池の劣化機構

執筆者

  • 金村 聖志 : 首都大学東京
  • 加福 秀亙 : (株)野村総合研究所
  • 重田 幸生 : (株)野村総合研究所
  • 松井 幸夫 : セイコープレシジョン(株)
  • 岡本 英治 : 北海道東海大学
  • 堀江 英明 : 日産自動車(株)
  • 岩佐 繁之 : NEC
  • 中原 謙太郎 : NEC
  • 西野 敦 : 西野技術士事務所
  • 栗山 一男 : 法政大学
  • 串田 一雅 : 大阪教育大学
  • 手島 健次郎 : ペクセル・テクノロジーズ(株)
  • 宮坂 力 : 桐蔭横浜大学
  • 朴 鍾殷 : 早稲田大学
  • 清水貴弘 : 早稲田大学
  • 菅野了次 : 東京工業大学
  • 渡邉正義 : 横浜国立大学
  • 入山恭寿 : 京都大学
  • 安部武志 : 京都大学
  • 高田和典 : 物質・材料研究機構
  • 辰巳砂昌弘 : 大阪府立大学
  • 清野美勝 : 出光興産(株)
  • 森田昌行 : 山口大学
  • 境 哲男 : 産業技術総合研究所
  • 丹羽淳一 : 産業技術総合研究所
  • 前田誠二 : 日本合成化学工業(株)
  • 松本 一 : 産業技術総合研究所
  • 栄部比夏里 : 産業技術総合研究所
  • 新谷武士 : 日本曹達(株)
  • 天池正登 : 日本曹達(株)
  • 内本喜晴 : 京都大学
  • 林 晃敏 : 大阪府立大学
  • 中澤弘実 : ジオマテック(株)
  • 馬場 守 : 岩手大学
  • 獨古 薫 : 首都大学東京

出版社

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お問い合わせ

本出版物に関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
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体裁・ページ数

B5判上製本 350ページ

ISBNコード

ISBN978-4-903413-22-8

発行年月

2007年6月

販売元

tech-seminar.jp

価格

55,000円 (税別) / 60,500円 (税込)

リチウム電池は最も高性能な電池として位置づけられ研究が行われてきた。その結果、リチウムイオン電池が開発され、携帯電話やノート型のパーソナルコンピューターの電源として搭載されている。今後、新しい電子機器デバイス、電気自動車用の電源や家庭用の据え置き電源としての電池など、ますます電池は必要な携帯電源あるいは分散型電源として活躍することになる。しかし、これらの新しい用途に現在の電池が使用できるのか、これは疑問である。電池の安全性や電池の形状、電池のサイズなどもっとバラエティーに富んでいるべきでは? このような疑問が、年々高まってきている。その一つの解決策として電池を固体化することや、電池を薄膜化することが提案されつつある。このような試みは新しい試みではないが、新規材料の創製や電極構造に関する新規な考え方に基づいて最近の研究開発は進められており、これまでとは異なる方向の研究が活発になりつつある。本書では、このような電池の開発現状踏まえて、最新の情報についてまとめた。新しい市場を目指し、新しい分野の研究を進める上で参考になれば幸いである。 (「はじめに」より抜粋)

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