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フッ素フリー撥水・撥油材料の開発と表面設計、評価

フッ素フリー撥水・撥油材料の開発と表面設計、評価

~PFAS規制への対応に向けて、フッ素化合物に依存しない表面処理技術~
オンライン 開催

開催日

  • 2023年12月21日(木) 10時30分 16時15分

受講対象者

  • ぬれ性制御に関連する技術者
    • 表面処理
    • 撥水・親水
    • 化学
    • 材料
    • 機械潤滑
    • 半導体製造プロセス
    • 培養培地・細胞・細菌・微生物の付着制御 など
  • 超撥水の応用分野に関連する技術者
    • ディスプレイ
    • 電極材料
    • 太陽電池
    • 燃料電池
    • 衣料品・繊維
    • ガラス など
  • 超親水の応用分野に関連する技術者
    • ナノエレクトロニクス
    • 医療材料
    • プリント基板
    • LCD
    • 熱交換器
    • 燃料電池
    • 衣料品 など
  • 超親水・超撥水を製品開発に応用したい方
    • 防汚
    • 防雪
    • 防氷
    • 防曇
    • セルフクリーニング など

修得知識

  • ぬれ性に関する基礎的な知識/理論
  • ぬれ性評価技術 (静的/動的接触角、滑落/転落角) の正しい知識
  • 実用的な撥水・撥油処理技術と国内外の最新研究開発動向
  • 濡れ現象を理解するための科学の概要
  • 撥液現象のメカニズムと従来材料の設計コンセプト
  • ポリマーコーティングの表面エネルギーの制御方法
  • フッ素フリーコーティングを含む表面高機能化技術の動向
  • 光反応を用いた温和で簡便な表面改質技術
  • 表面化学修飾材料のキャラクタリゼーション手法

プログラム

第1部 有機フッ素化合物に依存しない撥水・撥油処理技術:液滴の滑落性を向上させるための表面設計指針

(2023年12月21日 10:30〜12:00)

 本セミナーでは、まず最初に、固体表面のぬれ性をどのように評価し、いかに制御するかについての基礎知識、応用・実用上ポイントとなる動的ぬれ性の修得を目指します。次いで、各種機能性皮膜を利用した最新の撥水・撥油処理技術について、国内外の最新の研究開発動向を紹介しながら、実例 (単分子膜、ゲル、有機-無機ハイブリッド皮膜等) を挙げて分かりやすく詳細に解説します。また、PFOA・PFOS等の長鎖有機フッ素化合物 (PFAS) への法規制対応として、脱フッ素・フッ素代替技術が今後のポイントとなります。こちらについても随所で取り扱います。

  1. ぬれの基礎
    1. Youngの式
    2. Wenzelの式 (凹凸表面におけるぬれ)
    3. Cassieの式 (複合表面におけるぬれ)
    4. 3相接触線の重要性
    5. 静的接触角とぬれ性との関係
  2. 動的ぬれ性の考え方と測定・制御方法
    1. 動的ぬれ性とは?
    2. 動的ぬれ性制御の重要性
    3. 動的接触角の定義と近年の役割
    4. 動的接触角の測定方法
    5. 接触角ヒステリシスの定義と発生原因
    6. 自然界における高/低接触角ヒステリシス表面
    7. 接触角ヒステリシス制御に関する過去の研究
    8. 接触角ヒステリシスを抑制するためのコンセプト
    9. 接触角ヒステリシスと滑落性の関係
  3. (超) 撥水・撥油処理の最新研究開発動向
    1. (超) 撥水・撥油性を得るための指針
    2. これまでの (超) 撥水・撥油性表面の問題点と課題
    3. 最近の (超) 撥水・撥油性の定義
    4. (超) 撥水・撥油処理の最新研究開発動向
  4. 有機フッ素化合物に依存しない撥水・撥油処理技術 〜PFAS (PFOS/PFOA) 規制への対応として〜
    1. 液滴の滑落性を向上させるための表面設計指針
    2. Liquid-like表面とは?
    3. Liquid-like表面の作製手法とその特徴
      1. 単分子膜
      2. ポリマー皮膜
      3. 有機-無機ハイブリッド皮膜
  5. 最近のトピックス,まとめ
    • 質疑応答

第2部 フッ素やケイ素を使わない撥水/撥油性表面の設計とポリウレタンでの開発事例

(2023年12月21日 13:00〜14:30)

 本講座では撥液材料の開発に必要な基礎的な科学について概説した後、従来材料について設計コンセプトの説明と共に紹介する。従来の撥液材料では表面形状の制御、フッ素やケイ素といった特定の元素を含む化合物の使用が主におこなわれてきた。これらとは異なる、平滑で特定の元素に依存しない撥水/撥油性ポリウレタンコーティングの開発事例について、設計コンセプト、物性評価結果および撥液性を発現するメカニズムの検討結果を紹介する。

  1. 濡れのメカニズム
    1. どうすれば撥液性を高められるのか?
    2. 物理的アプローチ
    3. 化学的アプローチ
    4. 表面エネルギーについて
  2. 従来の撥液表面の開発事例
    1. 物理的アプローチでの事例
    2. 化学的アプローチでの事例
  3. 新規ポリウレタンを使った撥液表面の開発事例
    1. ポリウレタンの設計コンセプトと物性
    2. 撥液メカニズムの検証
    • 質疑応答

第3部 光表面化学修飾の設計指針とフッ素フリー撥水ナノコーティング技術への適用

(2023年12月21日 14:45〜16:15)

 近年、基材特性を維持しつつ、表面層に高機能特性を付与する表面改質技術が注目されている。本講演では、表面化学修飾技術の動向、さらに光反応を利用した表面化学修飾技術について、フッ素フリー撥水ナノコーティング技術による表面高機能化を中心に紹介する。

  1. 表面化学修飾技術の動向
    1. 表面処理・改質・表面化学修飾技術
    2. 材料の表面化学構造
    3. 官能基化技術
  2. 光化学反応による表面化学修飾技術
    1. 設計指針・使用機材
    2. 処理プロセス・技術の特徴
    3. 適用事例紹介 (フッ素官能基化)
  3. フッ素フリー撥水化技術
    1. ポリマー材料 (汎用ポリマー・エンジニアリングプラスチック) 処理技術
    2. 長鎖アルキル官能基化処理
    3. 各種キャラクタリゼーション
    4. 耐久性
  4. 他種官能基化技術の紹介
    • 質疑応答

講師

  • 穂積 篤
    国立研究開発法人 産業技術総合研究所 極限機能材料研究部門 光熱制御材料研究グループ
    上級主任研究員
  • 白木 慶彦
    東ソー株式会社 ウレタン研究所 コーティング第2グループ
    副主任研究員
  • 中村 挙子
    国立研究開発法人 産業技術総合研究所 デバイス技術研究部門
    総括研究主幹

主催

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お問い合わせ

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受講料

1名様
: 55,000円 (税別) / 60,500円 (税込)
複数名
: 50,000円 (税別) / 55,000円 (税込)

複数名同時受講割引について

  • 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 50,000円(税別) / 55,000円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 55,000円(税別) / 60,500円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 100,000円(税別) / 110,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 150,000円(税別) / 165,000円(税込)
  • 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 他の割引は併用できません。

アカデミック割引

  • 1名様あたり 30,000円(税別) / 33,000円(税込)

日本国内に所在しており、以下に該当する方は、アカデミック割引が適用いただけます。

  • 学校教育法にて規定された国、地方公共団体、および学校法人格を有する大学、大学院、短期大学、附属病院、高等専門学校および各種学校の教員、生徒
  • 病院などの医療機関・医療関連機関に勤務する医療従事者
  • 文部科学省、経済産業省が設置した独立行政法人に勤務する研究者。理化学研究所、産業技術総合研究所など
  • 公設試験研究機関。地方公共団体に置かれる試験所、研究センター、技術センターなどの機関で、試験研究および企業支援に関する業務に従事する方
  • 支払名義が企業の場合は対象外とさせていただきます。
  • 企業に属し、大学、公的機関に派遣または出向されている方は対象外とさせていただきます。

ライブ配信セミナーについて

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  • セミナー資料は郵送にて前日までにお送りいたします。
  • 開催まで4営業日を過ぎたお申込みの場合、セミナー資料の到着が、開講日に間に合わない可能性がありますこと、ご了承下さい。
    ライブ配信の画面上でスライド資料は表示されますので、セミナー視聴には差し支えございません。
    印刷物は後日お手元に届くことになります。
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本セミナーは終了いたしました。

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