技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

高分子多孔質材料の構造設計とその応用

高分子多孔質材料の構造設計とその応用

東京都 開催 会場 開催

概要

本セミナーでは、高分子多孔質材料について取り上げ、目的の機能を得るために細孔サイズ・形状・気孔率を制御するポイントについて豊富な事例と共に詳解いたします。

開催日

  • 2020年10月14日(水) 10時30分 16時30分

修得知識

  • 工業用高分子を原料とした多孔化技術
  • 高分子溶液の相分離現象と多孔体作製のポイント
  • 多孔質材料の構造解析手法と使い分けのポイント
  • 多孔質材料開発における材料インフォマティクスの活用事例
  • 高分子多孔体の最新動向と将来展望
  • 多孔性材料の種類と特徴
  • ナノメートルからミリメートル孔の特徴と機能
  • 求める機能を実現するための空孔設計指針
  • 高分子多孔体の製造技術
  • 高分子多孔体の用途 (バイオ、環境、エネルギー用途)

プログラム

第1部 高分子多孔質材料の設計と構造解析

(2020年10月14日 10:30〜12:10)

 高分子多孔質材料は、セパレーター・分離膜・医療用品など付加価値の高い基幹部材として安心・快適な社会の実現に貢献しています。多孔質材料は、軽量・緩衝・保水・分離・防護・断熱を始めとする多彩な性能を発揮し、幅広い産業分野で効能が期待できるのが大きな魅力です。素材・形状・多孔質構造の違いに応じて異なる製造法が用いられ、多くの素材・技術が共存・共栄できる多様性に富んだ材料分野です。社会ニーズに向かって各社が独自の視点で材料開発に取り組むことで、新規事業への展開が大いに期待できます。特に簡便・低コストで適用範囲が広い相分離技術は工業利用に適した多孔化技術です。
 本講演は、工業用高分子を原料に使える、相分離を用いた新しい多孔化技術を紹介します。また、多孔質構造を解析するためのさまざまな計測手法とその使い分けのポイントを解説します。講演者の進めている材料インフォマティクスを活用した取り組みを紹介し、高分子多孔体の最新動向と将来展望について解説します。

  1. 多孔質材料のバリエーション
  2. 多彩な性能と期待される用途
  3. 素材・形状・構造に応じた多孔化技術のバリエーション
  4. 相分離を利用した多孔化技術
  5. 多孔質構造を作るための具体的ポイント
  6. 最新のナノ多孔化技術 (1) 急速凍結ナノ結晶化法
  7. 基本原理と細孔径制御のポイント
  8. 微多孔シートや多孔質繊維の作り方
  9. 最新のナノ多孔化技術 (2) 物理ゲル前駆体法
  10. 耐熱性に優れたエンジニアリングプラスチックのナノ多孔体
  11. 多孔質構造の安定性
  12. ナノ多孔体の応用展開
  13. 多孔質微粒子の新しい作製手法
  14. X線CTを用いた多孔質構造可視化の最前線
  15. 定量的指標を用いた多孔質構造の表現方法
  16. マテリアルズ・インフォマティクスを活用した取り組み
  17. 製造法・構造・特性・性能をつなぐ材料インテグレーションと多孔体開発
  18. 高分子多孔体の最新動向と将来展望
    • 質疑応答

第2部 多孔性配位高分子のマルチスケール構造設計

(2020年10月14日 13:00〜14:40)

 多孔性材料は吸着・吸蔵材といった直接的に空孔が機能を担う用途以外、触媒の担持体など反応場としても利用される。本講座ではナノメートルからミリメートルの各空孔が担う機能を学び、各用途への材料設計に活かす知識を習得する。

  1. マルチスケール空孔設計
    1. 本講演の全体像
    2. マルチスケール空孔設計の必要性
    3. 空孔の種類とその概要
    4. 空孔測定方法の概要
  2. マイクロ孔
    1. マイクロ孔とは
    2. マイクロ孔の機能
    3. マイクロ孔の設計
    4. マイクロ孔の測定方法
  3. メソ孔
    1. メソ孔とは
    2. メソ孔の機能
    3. メソ孔の設計
    4. メソ孔の測定方法
  4. マクロ孔
    1. マクロ孔とは
    2. マクロ孔の機能
    3. マクロ孔の設計
    4. マクロ孔の測定方法
  5. 応用事例
    1. 吸着材
    2. 吸蔵材
    3. 触媒
    • 質疑応答

第3部 高分子モノリスの合成と複合化

(2020年10月14日 14:50〜16:30)

 様々な工業分野で利用される多孔体に関する基礎技術を概術した上で、相分離による高分子ナノ多孔体の特徴と応用例を紹介する。

  1. 多孔体、多孔膜の基礎
    1. 多孔体 (発泡体) の製造と用途
    2. ナノ多孔体 (モノリス) の製造と用途
  2. 相分離による高分子モノリスの合成と複合化
    1. 高分子溶液の相分離を利用するモノリス合成の基礎
    2. メタクリル樹脂
    3. ポリアクリロニトリル
    4. ポリビニルアルコール
    5. ポリ (γ – グルタミン酸)
    6. ポリオレフィン
    7. 微生物ポリエステル
    8. 機能粒子との複合化技術
    9. 活性炭モノリス、金属モノリスへの変換技術
    10. 相分離を利用する高分子表面の表面加工技術
  3. 高分子モノリスの応用
    1. バイオ用途 (分離・精製)
    2. 環境用途
    3. 電池用途
    • 質疑応答

講師

  • 佐光 貞樹
    物質・材料研究機構 機能性材料研究拠点
    主任研究員
  • 高橋 顕
    産業技術総合研究所 材料・化学領域 ナノ材料研究部門
    主任研究員
  • 宇山 浩
    大阪大学 大学院 工学研究科 応用化学専攻
    教授

会場

株式会社 技術情報協会
東京都 品川区 西五反田2-29-5 日幸五反田ビル8F
株式会社 技術情報協会の地図

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 55,000円 (税別) / 60,500円 (税込)
複数名
: 50,000円 (税別) / 55,000円 (税込)

複数名同時受講割引について

  • 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 50,000円(税別) / 55,000円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 55,000円(税別) / 60,500円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 100,000円(税別) / 110,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 150,000円(税別) / 165,000円(税込)
  • 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 他の割引は併用できません。

アカデミック割引

  • 1名様あたり 30,000円(税別) / 33,000円(税込)

学校教育法にて規定された国、地方公共団体、および学校法人格を有する大学、大学院の教員、学生に限ります。

本セミナーは終了いたしました。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2025/5/7 結晶性高分子における力学物性と高次構造の関係 オンライン
2025/5/8 熱分析の基礎と測定・解析技術 オンライン
2025/5/8 高分子材料のトライボロジー: トライボロジーの基礎から摩耗・摩擦低減技術の手法と特徴まで オンライン
2025/5/8 ウレタンアクリレートの構造・反応メカニズムと活用術 オンライン
2025/5/8 メタルレジストの特徴とEUV露光による反応メカニズム オンライン
2025/5/12 高分子・複合材料の熱膨張メカニズムと低膨張化 オンライン
2025/5/12 3Dプリンタを用いたゲルの成形技術 オンライン
2025/5/13 高分子材料 (樹脂・ゴム材料) における変色劣化の機構とその防止技術 オンライン
2025/5/14 高分子材料のトライボロジー: トライボロジーの基礎から摩耗・摩擦低減技術の手法と特徴まで オンライン
2025/5/14 ポリマーアロイの基本、構造・物性および新規ポリマーアロイの材料設計の必須 & 実践知識 オンライン
2025/5/14 プラスチック、フィルムにおける応力/ひずみ発生のメカニズムとその評価、応用 オンライン
2025/5/14 プラスチックリサイクル技術の現状・課題・最新動向 オンライン
2025/5/14 細孔分布測定におけるガス吸着法・水銀圧入法の測定と解析手法 オンライン
2025/5/15 ゴム材料における摩擦・摩耗現象の理解と制御・対処に必要な基礎知識 オンライン
2025/5/15 ポリウレタンの物性制御と分析、応用 オンライン
2025/5/15 樹脂の硬化反応におけるレオロジー解析 オンライン
2025/5/16 ゴム加硫系配合剤の基礎知識と調整のポイント オンライン
2025/5/16 DXとGXを支える次世代半導体実装用樹脂・基板材料の開発と技術動向 オンライン
2025/5/16 樹脂中へのフィラーの分散・配向制御とその応用 オンライン
2025/5/16 固体の熱膨張の基礎から負熱膨張材料/複合化による熱膨張制御技術 オンライン

関連する出版物

発行年月
2024/7/29 サステナブルなプラスチックの技術と展望
2024/7/22 世界のレトルトフィルム・レトルトパウチの実態と将来展望 2024-2026 (書籍版 + CD版)
2024/7/22 世界のレトルトフィルム・レトルトパウチの実態と将来展望 2024-2026
2024/7/17 世界のリサイクルPET 最新業界レポート
2024/6/28 ハイドロゲルの特性と作製および医療材料への応用
2024/5/30 PETボトルの最新リサイクル技術動向
2024/2/29 プラスチックのリサイクルと再生材の改質技術
2023/10/31 エポキシ樹脂の配合設計と高機能化
2023/7/31 熱可塑性エラストマーの特性と選定技術
2023/7/14 リサイクル材・バイオマス複合プラスチックの技術と仕組
2023/3/31 バイオマス材料の開発と応用
2023/1/31 液晶ポリマー (LCP) の物性と成形技術および高性能化
2023/1/6 バイオプラスチックの高機能化
2022/10/5 世界のプラスチックリサイクル 最新業界レポート
2022/8/31 ポリイミドの高機能設計と応用技術
2022/5/31 樹脂/フィラー複合材料の界面制御と評価
2022/5/31 自動車マルチマテリアルに向けた樹脂複合材料の開発
2022/5/30 世界のバイオプラスチック・微生物ポリマー 最新業界レポート
2021/12/24 動的粘弾性測定とそのデータ解釈事例
2021/7/30 水と機能性ポリマーに関する材料設計、最新応用