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フッ素フリー表面処理材料の開発動向とその特性評価

PFAS規制の現状を認識し、代替材料開発の考え方や実際の開発事例を紹介する

フッ素フリー表面処理材料の開発動向とその特性評価

~撥水・撥油性、摺動性、レベリング性~
オンライン 開催

概要

本セミナーでは、フッ素フリー表面処理材料について取り上げ、PFAS規制の現状、代替材料開発の考え方、開発事例を解説いたします。

開催日

  • 2026年1月28日(水) 10時15分16時00分

受講対象者

  • 化学物質管理に関係する方
  • 化学品の法令対応に関心をお持ちの方
  • 化学品関連でPFAS規制に関心をお持ちの方
  • 環境関連でPFAS規制に関心をお持ちの方

修得知識

  • PFASとは (PFASと有機フッ素化合物は異なる)
  • PFAS規制の内容 (何が問題なのか)
  • PFAS規制の現状認識 (組成、分野など規制範囲はどうなるのか)
  • PFAS規制への対処の考え方 (捕集技術、分解技術など)
  • フッ素フリー材料、代替技術の動向 (半導体、エネルギー分野)
  • フッ素フリー撥水撥油材料の可能性 (滑落性をキーワードに)
  • PFASの規制動向と産業界への影響
  • 複合めっきの基本的知識
  • PFASフリー (PTFE代替) 複合めっきの考え方と開発状況
  • DICの界面活性剤ができること
  • DIC界面活性剤の機能発現 (平滑性発現) のメカニズム
  • PFASフリー界面活性剤の展開状況
  • レベリング剤+αの特性

プログラム

第1部 PFAS規制の動向と撥水・撥油・滑落特性を有するフッ素フリー材料の開発

(2026年1月28日 10:15〜12:15)

 長年材料研究を行っている立場から今回のPFAS規制について議論します。
 本講座の目的は、 (1) PFAS規制の現状がどのような状態にあるのかを把握し、今後のPFAS規制を考慮した材料開発の考え方・方向性を理解、 (2) 半導体やエネルギー分野での現状材料技術の状態の理解、更には、 (3) 撥水・撥油・滑落特性を有するフッ素フリー材料の開発指針を一つの例としてPFAS代替え材料開発の考え方を理解する事です。
 また、欧州での議論の遅れや規制制限の考え方の変化などにも触れ、フッ素フリー材料開発がもつインパクトの大きさ、ゲームチェンジャーになりうる可能性について私見を含めて触れさせて貰います。

  1. PFAS規制
    • はじめに
      1. フッ素化合物とは
      2. フッ素規制の置かれた状況
      3. PFASはどこまで規制されるのか
        1. 歴史的な流れ
        2. 欧州化学品庁 (ECHA) 規制
        3. 日本
        4. アメリカ
        5. WHO
      4. 企業動向と関連記事
  2. PFAS規制対応への取り組み
    1. フッ素化合物捕集技術
    2. フッ素化合物分解技術
    3. フッ素分析技術
  3. フッ素フリー材料、代替技術の動向
    1. 半導体関連
      1. チラー用冷媒
      2. フォトマスク用防塵フィルム「ペリクル」
      3. 高周波対応基板材料
    2. エネルギー関連
      1. 二次電池
        • バインダー
        • 電解質
        • 表面処理
      2. 燃料電池
        • 電解質膜
      3. EV熱マネージメント
    3. 撥水撥油材料
      1. 撥水撥油材料の現状
      2. KRIでのフッ素フリー素材への取り組み
      3. ハイブリッド系撥水撥油材料
      4. 撥水撥油性と滑落特性
      5. ナノ相分離構造
      6. 機械特性、耐熱性
      7. プライマリーフリー
      8. ハイブリッド材料のフィルム化
      9. シリコーン系の新規撥水撥油材料
      10. 撥油系素材
    4. フッ素フリー水系撥水撥油材の可能性について
  4. まとめと今後の展望
    • 質疑応答

第2部 PFASフリーの無電解複合めっき技術の開発

(2026年1月28日 13:10〜14:20)

 PTFE (フッ素樹脂) などに代表される有機フッ素化合物 (PFAS) は、その優れた特性から産民問わず広く利用されている。一方で、化学的安定性が極めて高いことから環境汚染や人体への影響が懸念され、近年、利用を制限する方向で規制強化が進められており、表面処理業界でも対応を迫られている。
 本講座では、摺動部品などで利用されるPTFE複合めっきを取り上げ、複合めっきの基礎知識と、PFASフリー化のための検討指針と代替技術の開発状況について解説する。

  1. PFAS規制について
    1. PFASとは
    2. PFAS規制動向
    3. めっき業界への影響
  2. 複合めっきの基礎
    1. 複合めっきとは – 通常のめっきとの比較
    2. 共析メカニズム
    3. 複合めっき浴設計のポイント
  3. PFASフリー (PTFE代替) 複合めっきの開発
    1. 従来PTFE複合めっきについて
    2. PFASフリー化の基本戦略
      1. アプローチの分類
      2. 設計指針
      3. 代替候補粒子の特性
      4. 想定される課題
    3. 開発例:PFASフリー複合無電解ニッケルめっき
      1. シリコーン樹脂複合めっき
      2. マイカ複合めっき
      3. その他 検討事例
    • 質疑応答

第3部 PFASフリーレベリング剤の開発とその特性、応用展開

(2026年1月28日 14:30〜16:00)

 ディスプレイ構成部材には、表面平滑性 (レベリング性) が求められ、フッ素系レベリング剤が使用されている。しかし昨今、その使用にあたり環境への潜在的リスクから欧米を中心にPFAS規制の議論が進行され、代替品が強く求められている。
 当社は、世界的に高まるサステナブルニーズへの先行対応として、PFASフリーレベリング剤の開発に着手しており、本発表ではその取り組みを紹介する。

  1. 機能発現のメカニズム
    1. DIC界面活性剤ができること
    2. 平滑性 (レベリング性) 発現の仕組み
    3. DICフッ素系界面活性剤の代表構造
    4. DIC界面活性剤の構造設計
    5. 精密重合の活用
    6. UV硬化型表面改質剤 MEGAFACE RSシリーズ
  2. PFASフリー界面活性剤への展開 MEGAFACE EFSシリーズのご紹介
    1. MEGAFACE EFSシリーズの性能 (代表例)
    2. MEGAFACE EFSシリーズの量産品リスト
    3. MEGAFACE EFSシリーズの溶剤溶解性
    4. PFASフリー界面活性剤の特性マップ
  3. レベリング性+αの付加価値のご提供
    1. 消泡性の付与
    2. UV硬化塗膜に撥水・撥油性、防汚性の付与
    3. 重ね塗り適性 (リコート性) の付与
    4. 顔料昇華異物抑制能の付与
  4. 応用製品のご紹介
    • 潤滑油向けオイル消泡剤
    • 質疑応答

講師

  • 福井 俊巳
    株式会社KRI 構造材料研究部
    取締役執行役員, 部長
  • 三嶋 恵太
    日本化学産業 株式会社 R&Dセンター 研究部 基礎研究グループ
  • 植野 純平
    DIC株式会社 ケミトロニクス事業本部 ケミトロニクス技術2グループ
    研究主任

主催

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お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 55,000円 (税別) / 60,500円 (税込)
複数名
: 50,000円 (税別) / 55,000円 (税込)

複数名同時受講割引について

  • 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 50,000円(税別) / 55,000円(税込) で受講いただけます。
  • 5名様以降は、1名あたり 30,000円(税別) / 33,000円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 55,000円(税別) / 60,500円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 100,000円(税別) / 110,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 150,000円(税別) / 165,000円(税込)
    • 4名様でお申し込みの場合 : 4名で 200,000円(税別) / 220,000円(税込)
    • 5名様でお申し込みの場合 : 5名で 230,000円(税別) / 253,000円(税込)
  • 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 請求書は、代表者にご送付いたします。
  • 他の割引は併用できません。

アカデミック割引

  • 1名様あたり 30,000円(税別) / 33,000円(税込)

日本国内に所在しており、以下に該当する方は、アカデミック割引が適用いただけます。

  • 学校教育法にて規定された国、地方公共団体、および学校法人格を有する大学、大学院、短期大学、附属病院、高等専門学校および各種学校の教員、生徒
  • 病院などの医療機関・医療関連機関に勤務する医療従事者
  • 文部科学省、経済産業省が設置した独立行政法人に勤務する研究者。理化学研究所、産業技術総合研究所など
  • 公設試験研究機関。地方公共団体に置かれる試験所、研究センター、技術センターなどの機関で、試験研究および企業支援に関する業務に従事する方
  • 支払名義が企業の場合は対象外とさせていただきます。
  • 企業に属し、大学、公的機関に派遣または出向されている方は対象外とさせていただきます。

ライブ配信セミナーについて

  • 本セミナーは「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。
  • お申し込み前に、 Zoomのシステム要件テストミーティングへの参加手順 をご確認いただき、 テストミーティング にて動作確認をお願いいたします。
  • 開催日前に、接続先URL、ミーティングID​、パスワードを別途ご連絡いたします。
  • セミナー開催日時に、視聴サイトにログインしていただき、ご視聴ください。
  • セミナー資料は郵送にて前日までにお送りいたします。
  • 開催まで4営業日を過ぎたお申込みの場合、セミナー資料の到着が、開講日に間に合わない可能性がありますこと、ご了承下さい。
    ライブ配信の画面上でスライド資料は表示されますので、セミナー視聴には差し支えございません。
    印刷物は後日お手元に届くことになります。
  • ご自宅への書類送付を希望の方は、通信欄にご住所・宛先などをご記入ください。
  • タブレットやスマートフォンでも受講可能ですが、機能が制限される場合があります。
  • ご視聴は、お申込み者様ご自身での視聴のみに限らせていただきます。不特定多数でご覧いただくことはご遠慮下さい。
  • 講義の録音、録画などの行為や、権利者の許可なくテキスト資料、講演データの複製、転用、販売などの二次利用することを固く禁じます。
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