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PFAS (有機フッ素化合物) における対応策と代替材料の展開

PFAS (有機フッ素化合物) における対応策と代替材料の展開

~製造・取扱い、輸出入、廃棄・処理に係る規制と代替品を含めた対応策~
オンライン 開催

概要

本セミナーでは、POPsなどの条約規制、国内外の動向、その最新情報をわかりやすく整理して解説いたします。
また、高分子、電池、半導体、医薬品、農薬などにおけるPFAS代替材料の開発状況を詳解いたします。

開催日

  • 2024年4月26日(金) 10時00分 17時00分

受講対象者

  • 化学物質管理に関係する方
  • 化学品の法令対応に関心をお持ちの方
  • 化学品関連でPFAS規制に関心をお持ちの方
  • 環境関連でPFAS規制に関心をお持ちの方

修得知識

  • PFASの化学的性質と危険有害性
  • PFASの性質/用途と規制との関係
  • PFAS規制の動向
  • PFAS規制の企業活動への影響と対応策
  • PFAS規制に関する動向
  • 撥水撥油の基礎情報
  • フッ素フリー材料の概要
  • PFAS規制に掛からないフッ素化合物の特徴、合成手法
  • フッ素系農薬のうち、どの程度のフッ素系農薬がPFAS規制の対象になるのか
  • 一般的な有機化合物の分解・無害化方法
  • 有機フッ素化合物 (フッ素ポリマーも含む) の分解無害化・再資源化方法
  • フッ素を含まない代替物質の開発状況

プログラム

第1部 PFASの規制動向と企業に求められる対応策

(2024年4月26日 10:00〜11:30)

 本セミナーでは、最近注目されている有機フッ素化合物 (PFAS) の規制についての概要を説明します。
 最初に有機フッ素化合物 (PFAS) の化学的性質と規制との関係を説明します。次に、国内外の規制動向のポイントを解説します。国連の歴史的経緯 (ICCM、SAICM等) 、及びストックホルム条約とロッテルダム条約の内容等からグローバルな大きな動きを捉えます。さらに、主要国での規制動向を俯瞰します。また、PFAS含有廃棄物の処理、環境、輸出入に関する規制や代替品を含めた事業者の対応策についても説明します。

  1. PFASと何か
    1. PFASの分類と化学的性質
    2. PFASの用途
    3. PFASの危険有害性
    4. なぜ規制されるのか
  2. PFASの規制動向
    1. PFAS規制の3つの動き
    2. 国連での経緯
      1. WSSD
      2. ICCM
      3. SAICM
    3. 条約による規制
      1. ストックホルム条約
      2. POPs条約
      3. ロッテルダム条約
      4. PIC条約
    4. 海外での規制 (欧州)
    5. 海外での規制 (米国)
    6. 海外での規制 (その他)
    7. 日本での規制
    8. 水質基準等
  3. 企業に求められる対応策
    1. PFAS (及び含有物) に係る製造/取扱い
    2. PFAS (及び含有物) に係る輸出入について
    3. PFAS (及び含有物) に係る廃棄/処理について
    4. 企業活動への影響と代替技術
    • 質疑応答

第2部 フッ素フリー材料、代替材料の動向

(2024年4月26日 12:10〜13:40)

 2023年1月に欧州化学品庁 (ECHA) に提出されたPFAS規制の概要ともし発動された場合のその影響の大きさについて概説する。撥水撥油素材の代表的な例とその機能について概説するとともにKRIのフッ素フリータイプの新規素材の考え方や特性の紹介を行う。

  1. PFAS規制
    1. フッ素規制の置かれた状況
    2. PFASはどこまで規制されるのか
    3. 欧州化学品庁 (ECHA) 規制の概要
    4. 国内外でのフッ素に関連する動き
  2. フッ素フリー材料、代替材料の動向
    1. 一般的な撥水撥油材料について
    2. KRIでのフッ素フリー素材への取り組み
    3. ハイブリッド系撥水撥油材料
      1. 撥水撥油性と滑落特性
      2. ナノ相分離構造
      3. 機械特性、耐熱性
      4. プライマリーフリー
    4. シリコーン系の新規撥水撥油材料
    5. 撥油系素材
  3. まとめと今後の展望
    • 質疑応答

第3部 フッ化超原子価硫黄化合物:環境に配慮したPFAS代替化合物の合成とその応用展望

(2024年4月26日 13:50〜15:20)

 PFASは、環境や人体に有害な影響を及ぼす可能性が高く、その規制は環境保護のために必要不可欠です。しかしながら、PFASを完全に規制し、使用を禁止してしまうと、多くの含フッ素製品の開発に制約を課すことになり、私たちの日常生活や多くの産業に深刻な影響を及ぼすでしょう。そのため、PFASに似た特性を持ちつつ、自然環境で分解されるようなPFAS代替品の開発が喫緊の課題となっています。
 本講座では SF4化合物およびSF5化合物を紹介し、産業界においてPFAS規制の影響を受けずに、環境に配慮した含フッ素製品の開発を促進するのに貢献します。これは、産業界だけでなく、一般の人々にとっても、革新的で持続可能な社会を実現するための有力な選択肢となります。

  1. フッ素化合物の重要性とPFAS規制
    1. 医薬品
    2. 農薬
    3. 高分子
    4. PFAS規制
  2. フッ化超原子価硫黄化合物
    1. ペンタフルオロスルファニル (SF5) 化合物
      1. 性質
      2. 合成手法
    2. テトラフルオロスルファニル (SF4) 化合物
      1. 性質
      2. 合成手法
  3. 将来展望
    • 質疑応答

第4部 有機フッ素化合物 (フッ素ポリマー等) の分解・再資源化方法と代替材料の開発状況

(2024年4月26日 15:30〜17:00)

 炭素原子とフッ素原子から形成される有機フッ素化合物は耐熱性や耐薬品性等の優れた性質を持ち、産業界はもとより我々の生活にも欠かすことのできない重要な化学物質である。分子量が数百程度の化合物は界面活性剤や表面処理剤に、数万以上の化合物、すなわちフッ素ポリマーはパッキン等の汎用品はもちろんのこと、燃料電池用電解質膜,光ファイバー,リチウムイオン電池用バインダー、太陽光発電用のバックシート等の先端材料として利用されている。このように高い機能性を持つ一方で、環境残留性や廃棄物の分解処理が困難といった負の側面が顕在化しつつある。
 本講演では、まず、一般的な有機化合物の分解方法について解説する。さらに有機フッ素化合物、中でも先端的な材料を中心に穏和な条件で高効率にフッ化物イオンまで分解・無害化する反応手法について解説する。さらにフッ素ポリマーの製造に使用されてきた界面活性剤 (重合助剤) について、フッ素を含まない代替物質の開発状況について報告したい。

  1. 有機化合物を分解するさまざまな方法
    1. 紫外線照射 (UV)
    2. 促進酸化法 (AOP)
    3. フェントン反応
    4. ペルオキソ二硫酸イオン
    5. ペルフルオロ一硫酸イオン
    6. 超音波照射
    7. 亜臨界水・超臨界水
    8. メカノケミカル反応
  2. 有機フッ素化合物を温和な条件でフッ化物イオンまで分解・無害化するさまざまな化学反応手法
    1. フッ素系イオン交換膜 (ペルフルオロスルホン酸ポリマー) の亜臨界水分解
    2. ポリフッ化ビニリデン (PVDF) 、エチレン・テトラフルオロエチレン共重合体 (ETFE) 、および関連するフッ素ポリマーの分解方法
      1. 酸素ガス+超臨界水反応
      2. 過酸化水素+亜臨界水反応
      3. 過マンガン酸カリウム+亜臨界水反応
      4. アルカリ試薬+亜臨界水反応
    3. 人工蛍石の合成
    4. フッ素系イオン液体の亜臨界水分解
    5. フッ素テロマー化合物の亜臨界水分解
  3. 代替材料の開発状況
    1. フッ素ポリマー製造に使われる非フッ素界面活性剤 (重合助剤) の開発状況
    2. PFOS問題以降の代替品の動向 (ストックホルム条約資料の紹介)
    • 質疑応答

講師

  • 沖津 修
    沖津技術士事務所
    代表
  • 福井 俊巳
    株式会社KRI 構造材料研究部
    取締役執行役員, 部長
  • 柴田 哲男
    名古屋工業大学 大学院 工学研究科
    教授
  • 堀 久男
    神奈川大学 理学部 化学科
    教授

主催

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お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 60,000円 (税別) / 66,000円 (税込)
複数名
: 55,000円 (税別) / 60,500円 (税込)

複数名同時受講割引について

  • 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 55,000円(税別) / 60,500円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 60,000円(税別) / 66,000円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 110,000円(税別) / 121,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 165,000円(税別) / 181,500円(税込)
  • 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 他の割引は併用できません。

アカデミック割引

  • 1名様あたり 30,000円(税別) / 33,000円(税込)

日本国内に所在しており、以下に該当する方は、アカデミック割引が適用いただけます。

  • 学校教育法にて規定された国、地方公共団体、および学校法人格を有する大学、大学院、短期大学、附属病院、高等専門学校および各種学校の教員、生徒
  • 病院などの医療機関・医療関連機関に勤務する医療従事者
  • 文部科学省、経済産業省が設置した独立行政法人に勤務する研究者。理化学研究所、産業技術総合研究所など
  • 公設試験研究機関。地方公共団体に置かれる試験所、研究センター、技術センターなどの機関で、試験研究および企業支援に関する業務に従事する方
  • 支払名義が企業の場合は対象外とさせていただきます。
  • 企業に属し、大学、公的機関に派遣または出向されている方は対象外とさせていただきます。

ライブ配信セミナーについて

  • 本セミナーは「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。
  • お申し込み前に、 視聴環境テストミーティングへの参加手順 をご確認いただき、 テストミーティング にて動作確認をお願いいたします。
  • 開催日前に、接続先URL、ミーティングID​、パスワードを別途ご連絡いたします。
  • セミナー開催日時に、視聴サイトにログインしていただき、ご視聴ください。
  • セミナー資料は郵送にて前日までにお送りいたします。
  • 開催まで4営業日を過ぎたお申込みの場合、セミナー資料の到着が、開講日に間に合わない可能性がありますこと、ご了承下さい。
    ライブ配信の画面上でスライド資料は表示されますので、セミナー視聴には差し支えございません。
    印刷物は後日お手元に届くことになります。
  • ご自宅への書類送付を希望の方は、通信欄にご住所・宛先などをご記入ください。
  • タブレットやスマートフォンでも受講可能ですが、機能が制限される場合があります。
  • ご視聴は、お申込み者様ご自身での視聴のみに限らせていただきます。不特定多数でご覧いただくことはご遠慮下さい。
  • 講義の録音、録画などの行為や、権利者の許可なくテキスト資料、講演データの複製、転用、販売などの二次利用することを固く禁じます。
  • Zoomのグループにパスワードを設定しています。お申込者以外の参加を防ぐため、パスワードを外部に漏洩しないでください。
    万が一、部外者が侵入した場合は管理者側で部外者の退出あるいはセミナーを終了いたします。
本セミナーは終了いたしました。

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