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軽量防音材の開発と自動車室内振動・騒音の対策

軽量防音材の開発と自動車室内振動・騒音の対策

~軽量性と静粛性の両立 / メタマテリアルを利用した防音技術~
オンライン 開催

概要

本セミナーでは、騒音・振動の基礎から解説し、車室内騒音に対する制振材・吸音材・遮音材の働きとその効果、および制振材の貼り付け位置や吸遮音材の構造を適正化する手法について詳解いたします。

開催日

  • 2024年2月2日(金) 10時30分 16時15分

受講対象者

  • 振動騒音に関係する業務を行う技術者
  • 防音特性の設計開発者
  • 音響材料の開発者
  • 機械、機器、自動車部品、構造物などの設計・開発・品質担当者
  • 断熱材の開発者および 熱マネージメントを必要とする製品の開発者
  • 遮音材の開発者および音響制御を必要とする製品の開発者
  • セルロースナノファイバーの研究開発者および応用展開に興味のある方
  • 技術のアウトソーシングや受託研究に興味のある方

修得知識

  • 振動騒音問題を解決するために必要な知識や技術
  • 振動騒音に関する設計指針
  • 自動車の振動騒音問題の概要と対策方法
  • 新しい遮音材開発のアプローチ
  • 音響メタマテリアル構造の設計手法
  • 音響メタマテリアルの活用方法

プログラム

第1部 自動車における振動騒音現象とその対策

(2024年2月2日 10:30〜12:00)

 自動車は振動騒音のデパートと言われているようにあらゆる振動騒音がある。EVも含めてその概要を把握しておくことは重要である。対策事例としてロードノイズを取り上げたがこの対策には総合的な技術が駆使されており自動車以外の製品にも応用できると思われる。
 また振動騒音の世界は感覚と異なった現象も多くあり、しっかりとした基礎知識を持たないと設計指針を誤ってしまう。間違いやすい振動・騒音知識の例をあげながら理論的考察を行い、今後の振動騒音対策に役立てていただきたい。

  1. 自動車の振動騒音現象
    1. 自動車の主な振動騒音源
    2. 自動車の主な振動現象
    3. 自動車の主な騒音現象
    4. EV特有の騒音
      1. モータ音
      2. インバータから出る騒音
      3. その他
  2. 振動騒音の対策事例
    1. ロードノイズ
      1. 入力、伝達系の振動
      2. 車体のサス取付け部剛性
      3. 車体骨格振動・騒音
      4. 車体パネル振動 (積層パネルの振動騒音)
    2. 排気騒音
    3. 流体騒音
  3. 振動騒音の基礎
    1. 間違いやすい音響知識
    2. 間違いやすい振動知識
      1. 質量付加で振動は低減するか
      2. 剛性アップで振動は低減するか
    • 質疑応答

第2部 シリカエアロゲル/セルロースナノファイバー複合材の軽量遮音材への応用

(2024年2月2日 13:00〜14:30)

 地球温暖化対策の省エネはもちろん、自動車の電動化により冷暖房に費やす電力の削減やスマホなど電子機器の薄型・軽量化のための熱マネージメントの重要性など優れた断熱材へのニーズが大きくなっています。また、自動車のEV化、自動運転技術の発達に伴い、車内エンターテイメント性が求められ、ますます静粛性が重要になっています。
 従来の遮音材は、質量が大きいほど遮音性が高くなる性質を有しているため、遮音材を車に使用することで自動車の重量がふえ、燃費の悪化や運動性能に大きく影響を及ぼすので、大量に遮音材を使用することが難しいのが現状です。空気分子の運動を抑制するシリカエアロゲルとナノメートルオーダーの細いセルロースナノファイバーを複合化することで空気よりも断熱性が高いシートや物理法則である質量則に従わない軽くても優れた遮音性の材料を開発しました。
 本セミナーではその技術的特徴や応用の展望・可能性までを解説します。

  1. シリカエアロゲルとは
  2. セルロースナノファイバーとは
  3. シリカエアロゲル/セルロースナノファイバー水分散液の作製と特徴
  4. 空気より優れた断熱性の紙 (シリカエアロゲル/セルロースナノファイバー複合体)
  5. 防音について
    1. 吸音、遮音、防振、制振
    2. 音響透過損失と吸音率
    3. 騒音レベルと音の大きさの目安
    4. 垂直入射音響透過損失の測定
  6. 不快音を遮断し心地よい音を通すユニークな音響材 (周波数選択フィルター)
    1. シリカエアロゲル/セルロースナノファイバー複合体の音響特性
    2. 不織布などに含浸した周波数選択フィルター
  7. 物理法則に従わない軽量遮音メタマテリアル
    1. 軽量遮音メタマテリアルの音響特性
    2. 質量則と軽量遮音材の音響透過損失の比較
    • 質疑応答

第3部 空気を通して低周波音を防ぐ音響メタマテリアル防音構造の開発

(2024年2月2日 14:45〜16:15)

 軽量小型の防音構造で騒音を防ぐことは航空機や自動車など多くの分野で求められているが、質量則により特に低周波帯の騒音を抑制することは困難であった。近年、音響メタマテリアル構造によって、1kHz以下の低周波帯で質量則をはるかに超える高い遮音効果が示され、学術界だけでなく産業界でも注目を集めている。我々は、貫通孔を有する薄い振動膜構造を単位とする音響メタマテリアル構造を開発した。空気を通すための貫通孔をあけたにもかかわらず防音性能が向上し、数100Hz帯の騒音に対して質量則を大きく超える遮音性能を示す特徴を持つ。
 本セミナーでは、メタマテリアルの基礎的な解説を行うとともに、我々の開発した構造の特徴や設計手法、物理的なメカニズムを解説することで、音響メタマテリアルと産業応用への理解につなげることを目標とする。

  1. 背景
    1. 騒音を取り巻く変化
    2. 低周波の防音について
  2. 音響メタマテリアルとは
    1. メタマテリアルの定義
    2. 光学と音響分野でのメタマテリアル
    3. メタマテリアルの意義と最近のトレンド
  3. 貫通孔付き膜型音響メタマテリアルによる低周波の防音
    1. 先行研究
    2. 構造と作製手法
    3. 遮蔽性能と防音周波数の制御方法
    4. シミュレーションによる設計と防音メカニズム
  4. まとめと展望
    • 質疑応答

講師

  • 松村 修二
    群馬大学 大学院 工学研究科 次世代EV研究会幹事
    客員教授
  • 羽山 秀和
    株式会社 KRI ナノ構造制御研究部
    主席研究員
  • 白田 真也
    富士フイルム株式会社 解析技術センター

主催

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お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 55,000円 (税別) / 60,500円 (税込)
複数名
: 50,000円 (税別) / 55,000円 (税込)

免責事項

外為法の技術の提供管理に即して安貿審査が必要となるため、海外からの申込および受講は承りかねます。
予めご了承くださいませ。

複数名同時受講割引について

  • 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 50,000円(税別) / 55,000円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 55,000円(税別) / 60,500円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 100,000円(税別) / 110,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 150,000円(税別) / 165,000円(税込)
  • 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 他の割引は併用できません。

アカデミック割引

  • 1名様あたり 30,000円(税別) / 33,000円(税込)

日本国内に所在しており、以下に該当する方は、アカデミック割引が適用いただけます。

  • 学校教育法にて規定された国、地方公共団体、および学校法人格を有する大学、大学院、短期大学、附属病院、高等専門学校および各種学校の教員、生徒
  • 病院などの医療機関・医療関連機関に勤務する医療従事者
  • 文部科学省、経済産業省が設置した独立行政法人に勤務する研究者。理化学研究所、産業技術総合研究所など
  • 公設試験研究機関。地方公共団体に置かれる試験所、研究センター、技術センターなどの機関で、試験研究および企業支援に関する業務に従事する方
  • 支払名義が企業の場合は対象外とさせていただきます。
  • 企業に属し、大学、公的機関に派遣または出向されている方は対象外とさせていただきます。

ライブ配信セミナーについて

  • 本セミナーは「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。
  • お申し込み前に、 視聴環境テストミーティングへの参加手順 をご確認いただき、 テストミーティング にて動作確認をお願いいたします。
  • 開催日前に、接続先URL、ミーティングID​、パスワードを別途ご連絡いたします。
  • セミナー開催日時に、視聴サイトにログインしていただき、ご視聴ください。
  • セミナー資料は郵送にて前日までにお送りいたします。
  • 開催まで4営業日を過ぎたお申込みの場合、セミナー資料の到着が、開講日に間に合わない可能性がありますこと、ご了承下さい。
    ライブ配信の画面上でスライド資料は表示されますので、セミナー視聴には差し支えございません。
    印刷物は後日お手元に届くことになります。
  • ご自宅への書類送付を希望の方は、通信欄にご住所・宛先などをご記入ください。
  • タブレットやスマートフォンでも受講可能ですが、機能が制限される場合があります。
  • ご視聴は、お申込み者様ご自身での視聴のみに限らせていただきます。不特定多数でご覧いただくことはご遠慮下さい。
  • 講義の録音、録画などの行為や、権利者の許可なくテキスト資料、講演データの複製、転用、販売などの二次利用することを固く禁じます。
  • Zoomのグループにパスワードを設定しています。お申込者以外の参加を防ぐため、パスワードを外部に漏洩しないでください。
    万が一、部外者が侵入した場合は管理者側で部外者の退出あるいはセミナーを終了いたします。
本セミナーは終了いたしました。

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