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材料表面における濡れ性制御技術の基礎と応用へのポイント

材料表面における濡れ性制御技術の基礎と応用へのポイント

~撥水性・親水性・防汚性・防曇性に向けた表面設計指針~
オンライン 開催

概要

本セミナーでは、材料表面の濡れ性と制御技術の理論と実際について基礎から解説いたします。
水滴除去性・流動制御・防曇性・防汚性など、求める機能を得るため表面設計方針についても詳解いたします。

開催日

  • 2023年5月24日(水) 10時30分 16時30分

受講対象者

  • ぬれ性制御に関連する技術者
    • 表面処理
    • 撥水・親水
    • 化学
    • 材料
    • 機械潤滑
    • 半導体製造プロセス
    • 培養培地・細胞・細菌・微生物の付着制御 など
  • 超撥水の応用分野に関連する技術者
    • ディスプレイ
    • 電極材料
    • 太陽電池
    • 燃料電池
    • 衣料品・繊維
    • ガラス など
  • 超親水の応用分野に関連する技術者
    • ナノエレクトロニクス
    • 医療材料
    • プリント基板
    • LCD
    • 熱交換器
    • 燃料電池
    • 衣料品 など
  • 超親水・超撥水を製品開発に応用したい方
    • 防汚
    • 防雪
    • 防氷
    • 防曇
    • セルフクリーニング など

修得知識

  • 表面濡れ性の基礎知識 (原理と実際の橋渡し)
  • 表面濡れを考慮したデバイスを設計する際の基本指針
  • 超撥水・超親水性、防汚性・防曇性等の高機能表面の設計コンセプト など

プログラム

 濡れ性制御技術は、エレクトロニクス機器・屋内外建材・輸送機器・スポーツ用品・分析カラム等、身近な生活から生産現場の至る所で広く利用されています。しかしながら、濡れの諸課題に対して向き合っている研究・開発の現場では、ヤングの式等の濡れの基礎方程式に沿わない現象を頻繁に目にしていることでしょう。
 この講座では、それらの諸課題を解決する際に、「原理」と「表面の形成方法」の間に存在する解決課題にも踏み込み、理論と実際の間を橋渡しするような基礎的な知見を提供していきます。「濡れ性制御の原理」の解説から、液体の滑落性に焦点を当てた「表面形成プロセス」に触れた上で、原理から考えられる「撥水性・親水性・防汚性・防曇性に向けた表面設計指針」を紹介していきます。

  1. 表面濡れ性に関する基礎
    1. 撥水性と親水性の定義
    2. 接触角に関する基礎方程式
      • Young’s model
      • Wenzel’s model
      • Cassie’s model
    3. 基礎方程式からみた、超撥水性表面と超親水性表面の理解
    4. 液滴の転落角 (付着性) に関する基礎方程式
      • 付着エネルギー
        • Furmidge model
        • Contact angle hysteresis
    5. 接触角・転落角の評価方法
    6. 固体表面エネルギーとZismanプロット
  2. 液体の滑落性に焦点を当てた濡れ性制御技術
    1. 動的撥水性評価の重要性
      • フッ素系の撥水剤とアルキル系の撥水剤の例
      • 必ずしも、接触角:高 → 転落速度:高 ではない
      • 風圧下における傾斜した撥水性表面上の水滴は、ある速度領域で停止する。
    2. 液滴が傾斜表面上を転落する際の内部流動状態
    3. 液滴の接触角と液滴の転落速度の関係
      • 撥水性素材の凝集が水滴の挙動を阻害する。
      • 接触角:高 → 転落速度:高 になる条件とは?
    4. 表面粗さの違いによる液滴の滑落性の違い
      • 撥水性表面上の水滴の転落
      • 撥水性表面にぶら下がった水滴の転落
    5. 液体の滑落性を向上させる「表面形成プロセス」の工学的ポイント
  3. 高耐久性超撥水性の材料設計
    1. 超撥水性表面上での水滴の転落速度の基礎方程式
    2. 超撥水性表面を高耐久性化する際の課題
    3. 有機モノリス構造体を用いた高耐久性超撥水性表面の設計コンセプト
    4. 超撥水性表面の耐久性評価法
    5. 有機モノリス構造体を用いた高耐久性超撥水性表面の機能
    6. SLBC (Solid Liquid Balk Composite) による水滴の転落性の向上
      • 原理と構造
      • 透明化
      • そのメリットと課題
  4. 表面濡れ性と環境衛生材料
    1. 新型コロナウイルス (SARS – CoV – 2) において想定される感染経路と「環境衛生材料」が貢献できる領域の関係
    2. TiO2光触媒が有する光誘起超親水性と酸化分解反応
    3. TiO2光触媒の抗ウイルス・抗菌性
    4. 撥水性と抗ウイルス・抗菌性を両立させた最近の試み
  5. 各種濡れ性のアプリケーションと、その表面設計コンセプト
    1. 超撥水性と超親水性における流体摩擦の低減効果
      →流体摩擦の低減に有利なのは撥水性? それとも、親水性?
    2. 防汚性を目指すための撥水性表面
      →防汚性を目指すために有利な設計方針とは?
      フッ素系? それとも、アルキル系?
      • 防汚性の評価法
    3. 撥油性のための表面設計
      →撥水性と撥油性の間に表面設計方針の違いがあるのか?
    4. 防曇性を目指す材料設計指針のための結露の理解 (水滴の除去・濡れ広がり)
      • 水滴の除去性と濡れ広がりの理解
      • 撥水性表面上での結露
      • 親水性表面上での結露
        →では、結露の抑制には、撥水性と親水性はどちらが有利なのか?
      • 防曇性の評価法
      • 防曇性からみた表面設計コンセプト紹介 (超親水性表面や多孔質材料を中心に)
      • エレクトロウェッティングを用いた水滴除去
    • 質疑応答

講師

  • 酒井 宗寿
    茨城大学 研究・産学官連携機構
    准教授

主催

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お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 34,200円 (税別) / 37,620円 (税込)
複数名
: 22,500円 (税別) / 24,750円 (税込)

複数名受講割引

  • 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 22,500円(税別) / 24,750円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 34,200円(税別) / 37,620円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 45,000円(税別) / 49,500円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 67,500円(税別) / 74,250円(税込)
  • 同一法人内 (グループ会社でも可) による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 請求書および領収書は1名様ごとに発行可能です。
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  • 他の割引は併用できません。
  • サイエンス&テクノロジー社の「2名同時申込みで1名分無料」価格を適用しています。

アカデミー割引

教員、学生および医療従事者はアカデミー割引価格にて受講いただけます。

  • 1名様あたり 10,000円(税別) / 11,000円(税込)
  • 企業に属している方(出向または派遣の方も含む)は、対象外です。
  • お申込み者が大学所属名でも企業名義でお支払いの場合、対象外です。

ライブ配信セミナーについて

  • 本セミナーは「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。
  • お申し込み前に、 視聴環境テストミーティングへの参加手順 をご確認いただき、 テストミーティング にて動作確認をお願いいたします。
  • 開催日前に、接続先URL、ミーティングID​、パスワードを別途ご連絡いたします。
  • セミナー開催日時に、視聴サイトにログインしていただき、ご視聴ください。
  • セミナー資料は郵送にて前日までにお送りいたします。
  • 開催まで4営業日を過ぎたお申込みの場合、セミナー資料の到着が、開講日に間に合わない可能性がありますこと、ご了承下さい。
    ライブ配信の画面上でスライド資料は表示されますので、セミナー視聴には差し支えございません。
    印刷物は後日お手元に届くことになります。
  • ご自宅への書類送付を希望の方は、通信欄にご住所・宛先などをご記入ください。
  • タブレットやスマートフォンでも受講可能ですが、機能が制限される場合があります。
  • ご視聴は、お申込み者様ご自身での視聴のみに限らせていただきます。不特定多数でご覧いただくことはご遠慮下さい。
  • 講義の録音、録画などの行為や、権利者の許可なくテキスト資料、講演データの複製、転用、販売などの二次利用することを固く禁じます。
  • Zoomのグループにパスワードを設定しています。お申込者以外の参加を防ぐため、パスワードを外部に漏洩しないでください。
    万が一、部外者が侵入した場合は管理者側で部外者の退出あるいはセミナーを終了いたします。
本セミナーは終了いたしました。

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