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自己修復性ポリマーの設計と応用展開

自己修復性ポリマーの設計と応用展開

~各種設計方法、機能発現機構、特徴、応用展開など~
オンライン 開催

概要

本セミナーでは、自己修復性材料について取り上げ、「可動性架橋からなる強靭かつ回復性材料」「超分子架橋からなる自己修復性材料」「空気・水・酸・アルカリ等の様々な環境下で自己修復可能なポリマー」などの自己修復性ポリマーの各設計や特徴、応用展開に関して解説いたします。

開催日

  • 2022年7月29日(金) 13時00分 16時40分

修得知識

  • 高分子化学・超分子化学・高分子材料設計のトレンド・代表的な研究内容

プログラム

第1部「自己修復性高分子材料の設計方法および応用」

(2022年7月29日 13:00〜15:00)

 近年、カーボンニュートラルを通じた持続可能な社会の実現が重要になっている。持続可能な社会を実現させるためには、資源循環の確立及びゼロ材料廃棄が必要である。しかし、我々の生活に欠かせない石油由来の合成高分子材料は、限られた種類しかリサイクルできない、 (機能的または構造的に) 壊れると捨てるしかなく廃棄物処理の問題や資源消費の問題がある。自己修復性高分子材料は機能や構造が損傷後に元通りになる高分子材料のことを意味しており、材料の長寿命化による廃棄量低減及び資源消費量の低減に寄与する。
 本講演では、どのように自己修復性高分子材料を得るか、さらに得られた自己修復性高分子材料の応用について過去の重要研究例を紹介しながら、材料設計方針を紹介する。
 高分子材料に関する内容を紹介するので、高分子材料の研究・開発を含み、高分子材料を取り扱うすべての方が対象となります。ただし、高分子材料に関する予備的な内容も講演内容に入れるので、予備的知識がない方でも興味があれば受講していただけると考えております。

  1. 自己修復性高分子材料の始まり
    1. マイクロカプセルを用いた自己修復性材料
    2. Diels – Alder反応を用いた自己修復性材料
  2. 可動性架橋からなる強靭かつ回復性高分子材料
    1. 主鎖包接型可動性架橋
    2. 側鎖包接型可動性架橋
  3. 超分子架橋からなる自己修復性高分子材料
    1. 水素結合
    2. イオン結合
    3. 配位結合
    4. 環状分子の包接錯体形成
  4. 応用
    1. 炭素以外の元素を主鎖とする自己修復性高分子材料
    2. 自己修復性デバイス
    3. 自己修復性コーティング
    • 質疑応答

第2部「希土類金属触媒を用いた自己修復ポリオレフィンの創成と特徴・応用展開」

(2022年7月29日 15:10〜16:40)

 独自に開発した希土類触媒を用いることにより、従来の触媒では実現困難であった非極性オレフィンと極性オレフィンとの精密共重合に成功した。エチレンとアニシル置換プロピレンとの精密共重合で得られた共重合体は、空気中だけでなく、水や酸、アルカリ溶液中でも優れた自己修復性能を示す。
 本講演では、これらの重合反応の制御機構や、自己修復機能の発現機構、応用展開などについても紹介する。

  1. 希土類触媒の特徴
    1. 中性メタロセン希土類触媒
    2. カチオン性ハーフサンドイッチ型希土類触媒
  2. 重合vs共重合
    1. カチオン性ハーフサンドイッチ型希土類触媒によるオレフィン類の共重合
    2. カチオン性ハーフサンドイッチ型希土類触媒による極性オレフィンと非極性オレフィンとの共重合
      1. 極性オレフィンと非極性オレフィンとの共重合における課題と挑戦
      2. ヘテロ原子の希土類金属への特異な配位による極性オレフィンの重合活性の向上
      3. 極性オレフィンと非極性オレフィンとの共重合におけるシーケンス/組成/分子量の制御
    3. エチレンとアニシル置換プロピレンとの精密共重合による自己修復ポリマーの創成
    4. エチレン/アニシル置換プロピレン自己修復ポリマーの特徴
      1. 空気、水、酸、アルカリなど、様々な環境下における自己修復
      2. アニシル置換基による自己修復性能の影響
      3. ミクロ相分離による自己修復機能の発現
  3. 今後の展望
    • 質疑応答

講師

  • 髙島 義徳
    大阪大学 大学院 理学研究科 高分子科学専攻
    教授
  • 朴 峻秀
    大阪大学 大学院 理学研究科 高分子科学専攻
    特任助教
  • 侯 召民
    理化学研究所 環境資源科学研究センター
    副センター長

主催

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お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 30,400円 (税別) / 33,440円 (税込)
複数名
: 20,000円 (税別) / 22,000円 (税込)

複数名受講割引

  • 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 20,000円(税別) / 22,000円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 30,400円(税別) / 33,440円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 40,000円(税別) / 44,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 60,000円(税別) / 66,000円(税込)
  • 同一法人内 (グループ会社でも可) による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 請求書および領収書は1名様ごとに発行可能です。
    申込みフォームの通信欄に「請求書1名ごと発行」とご記入ください。
  • 他の割引は併用できません。
  • サイエンス&テクノロジー社の「2名同時申込みで1名分無料」価格を適用しています。

アカデミー割引

教員、学生および医療従事者はアカデミー割引価格にて受講いただけます。

  • 1名様あたり 10,000円(税別) / 11,000円(税込)
  • 企業に属している方(出向または派遣の方も含む)は、対象外です。
  • お申込み者が大学所属名でも企業名義でお支払いの場合、対象外です。

ライブ配信セミナーについて

  • 本セミナーは「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。
  • お申し込み前に、 視聴環境テストミーティングへの参加手順 をご確認いただき、 テストミーティング にて動作確認をお願いいたします。
  • 開催日前に、接続先URL、ミーティングID​、パスワードを別途ご連絡いたします。
  • セミナー開催日時に、視聴サイトにログインしていただき、ご視聴ください。
  • セミナー資料は、PDFファイルをダウンロードいただきます。
  • ご自宅への書類送付を希望の方は、通信欄にご住所・宛先などをご記入ください。
  • タブレットやスマートフォンでも受講可能ですが、機能が制限される場合があります。
  • ご視聴は、お申込み者様ご自身での視聴のみに限らせていただきます。不特定多数でご覧いただくことはご遠慮下さい。
  • 講義の録音、録画などの行為や、権利者の許可なくテキスト資料、講演データの複製、転用、販売などの二次利用することを固く禁じます。
  • Zoomのグループにパスワードを設定しています。お申込者以外の参加を防ぐため、パスワードを外部に漏洩しないでください。
    万が一、部外者が侵入した場合は管理者側で部外者の退出あるいはセミナーを終了いたします。
本セミナーは終了いたしました。

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