技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

自動車市場の激変を前にした内燃機関系自動車材料・部品メーカーの成長戦略

自動車市場の激変を前にした内燃機関系自動車材料・部品メーカーの成長戦略

オンライン 開催

概要

本セミナーにおいては、日本の自動車部品メーカーの強みと弱みを明らかにし、その強みを戦略的に非自動車分野も含め、活用する視点を複数の機会を対象に議論をしていきます。
同時に、その際に自動車部品メーカーが持たなければならない重要な思考に関しても提示いたします。

開催日

  • 2022年4月27日(水) 10時30分 16時30分

受講対象者

  • 技術企画、経営企画などの部門の方
  • 来たるべき自動車市場の激変を前に今後の長期的な自社の事業戦略・技術戦略の策定を担当されている方
  • 新たな研究開発テーマの創出を期待されている方

修得知識

  • 自動車部品メーカーが活用すべき強み
  • 内燃機関系自動車部品メーカーが直面している自動車市場の状況
  • 持たなければならない基本姿勢
  • 内燃機関系自動車部品メーカーがとるべき5つの戦略オプション

プログラム

 今、自動車産業は、内燃機関のEV化、自動運転の急速な普及、そして外部からの参入者のコア価値の獲得という激変の中にあります。それは、自動車部品メーカー、特に内燃機関系部品メーカーにとっては、大きな脅威です。したがって、自動車部品メーカーはこの脅威に対し、これまでの戦略を再考し、新たな成長シナリオを考える必要に迫られているという現実があります。
 しかし、これらの市場の激変は、機会を提供してくれるものでもあります。なぜなら、自動車関連業界は、これまでハードウェアである自動車とその部品・材料を中心に展開してきたわけですが、今後は、その自動車部品単体の事業を超えて様々なサービスやそれを支える他のハードウェアを提供する機会が生まれ、その市場規模は自動車単体の規模を超え、大きく拡大していくことは確実です。
 また、日本の自動車部品メーカーは、長年に渡り、極めて要求の厳しい日本の自動車メーカーを顧客とすることで鍛えられた、ものづくりや技術に関わる強靭な強みや自動車産業の深い理解があり、それを今後大きく変化する自動車関連市場や他の非自動車分野へ活用・展開することができるからです。
 この自動車産業の激変の時代において、自動車部品メーカーがしなければならないのは、まさに自社の強み、そしてもちろん弱みも正しく認識し、その強みをより広い視野から捉え、自動車市場、そしてその他分野への適用を戦略的に考えることです。
 本セミナーにおいては、日本の自動車部品メーカーの強みと弱みを明らかにし、その強みを戦略的に非自動車分野も含め、活用する視点を複数の機会を対象に議論をしていきます。同時に、その際に自動車部品メーカーが持たなければならない重要な思考に関しても提示します。

  1. はじめに
  2. 日本の自動車部品メーカーの強みと弱み
    1. 日本の自動車部品メーカーの『強み』と『弱み』
    2. 強みについての重要な2つのポイント
    3. してはならない思考
      • 他社と同じ事業・製品を追いかける
      • 失敗のないような容易なテーマを選択
    4. 本セミナーの目的
  3. 自動車部品メーカーが直面する機会と脅威とそれへの対処の方向性
    1. モビリティ革命
      • モビリティ分野で起きつつあること
        • 乗用車・タクシー分野
        • 運輸分野
        • その他分野
      • モビリティ市場の劇的変化と成長
      • 移動・輸送の制約解消による6レスモビリティの実現
        (6レス: コストレス、タイムレス、リスクレス、ドライブレス、シームレス、ストレスレス)
      • 広範に亘る新たな様々な価値の創出
      • モビリティ需要の劇的拡大
      • モビリティ革命の結果
        • 社会・経済の劇的活性化
        • デジタル革命とモビリティ革命は相乗効果を持つ
    2. 内燃機関車両の減少とEVの台頭
      • 一部の自動車メーカーでは…
      • 多くの内燃機関系部品メーカーでは…
      • EVの価格低下とそのインパクト (日本電産永守会長の言葉)
      • EVの全体所有コストはガソリン車やPHVよりも低い (MITの研究)
      • 各国のEVへの取り組み
      • 主要自動車メーカーのEVへの取り組み
      • 自動車部品メーカーへの意味
      • EV普及の可能性とあるべきそこへの対処の姿勢
    3. 新たなプレーヤーの出現
      • 他業界からの新たなプレーヤーの参入とそのポジション
      • スマートフォンのインパクトのアナロジー
      • 新たなプレーヤーの参入
        • アップル
        • ソニー
        • 鴻海
      • 自動車部品メーカーもインサイダーになる!
    4. 自動車部品メーカーが直面する機会と脅威への対処の方向性
  4. 自動車部品メーカーが持たなければならない基本姿勢と視野
    1. 前向きな思考
      • 新たな事には否定的思考をしがち
      • ある自動車部品メーカー研究者の誤った姿勢の例
      • 問題そのものではなく解決策を考える
      • 新しい思考を妨げる3つの要素
      • 現状に基づく固定的思考の存在を強く意識 (ダイソンの例)
    2. 顧客ではなく広義の市場を見る
      • 「市場」の共通的なニーズを捉える!
        • イノベーションのジレンマ (バックホーメーカーの例)
      • 『広義の市場』の構成者
        • トヨタだけを見ていてはだめ。例えばテスラ – では…
      • 金鉱堀りではなくジーンズメーカーになる
      • 新しい強みは構築できる・構築する
  5. 自動車部品メーカーの5つの戦略オプション
    1. 自動車部品メーカーの5つの戦略オプション
    2. なぜ「落下傘」を狙うべきではないのか:パナソニックの例
      • 自社の強みを広く定義して展開戦略を考える
      • 現状の弱みを強化し、将来の強みとする
      • 自動車やモビリティ以外の市場への展開のメリット
      • 自動車市場程大きな売上規模を期待できる市場は無いが…
      • 売上追求から利益追求に思考の転換を行う
        • 自動車業界は構造的に低利益率 (←「5つの力」)
      • ロングテールという魅力的な市場を狙う
  6. 残存価値徹底追求戦略
    1. 残存価値追求戦略とは?
    2. なぜ残存価値追求戦略が成り立つのか?
    3. 残存価値追求戦略の例
      • マツダ
      • ナガオカ (レコード針メーカー)
    4. 当該戦略追求で注意すべきこと
  7. 既存市場での徹底した「価値づくり」戦略
    1. 自社の提供物の本質 – 顧客価値
      • ドリルメーカーは顧客に何を売っているのか?
    2. 顧客はQCDだけで買うのでは決してない
    3. 顧客価値拡大モデル: VACES
      • シマノの自転車部品
      • 日東電工の偏光板
      • 東洋電機のパンタグラフ
      • コマツの無人ダンプトラック
      • パナソニックのEV開発支援ソフトウェア
      • ESG投資
  8. 変化するモビリティ市場での新価値創出機会追求戦略
    1. 自動車部品メーカーにとっての新たな製品供給機会
    2. 6レス移動・輸送向け車輌・設備・機器の整備
      • ラスト10メーターの機器・設備
      • モノだけでなく人も対象に
      • 建物の構造・設備の大きな変化
      • 駐車サイトの新しい定義と設備
      • 駅舎・鉄道車両の構造の変化
    3. 移動・輸送時間の有効利用
      • 自宅・家庭内の活動の車載化
      • オフィス (事務) の活動の車載化
        • 営業マンの時間配分
      • 産業・公共サービスの各機能の活動の車載化
      • 発生する製品・サービス需要
        • 車両サイド
        • 家庭サイド
        • オフィスサイド
        • 訪問先サイド
        • 目的地サイド
        • センターサイド
    4. スパークによる新価値創出
      • A地点とB地点が隣接することにより起こるスパーク
      • 移動・輸送を妨げるもの:「付着性」
      • 従来移動させなかった設備・機器を実質的に移動させる
      • 従来人間がやっていた作業を分身ロボット・設備・機器で代替させ、その分身ロボット・設備・機器を移動させる
      • 適用分野
        • 生産
        • アフターサービス
        • 設備メンテナンス
        • 社会・環境監視
        • 身障者の働きの場の提供等
    5. 6レス移動・輸送インフラの整備・構築
      • 車両ステーション
        • 充電
        • 洗車・清掃
        • 修理
        • 車上自動販売機製品充填 等
      • 道路維持・向上インフラ設備
        • 「地図情報」整備・メンテナンス
        • 「道路情報」整備・メンテナンス
        • 「道路」整備・メンテナンス
        • 道路自体が大きく変わる
  9. コア技術を核とした他分野展開戦略
    1. コア技術とは
    2. 自社技術を活用しての製品・事業アイデア創出ニーズの存在
    3. 自社技術を他用途に展開した例
      • ナガオカ
      • 活版印刷機
    4. 自社技術の用途を探すことの難しさ
    5. 自社技術で実現できる「機能」を明らかにする
    6. 技術機能展開図のイメージ
    7. 技術機能展開にはMECE (だぶりなく、もれなく) を使って、芋蔓思考をする
    8. コア技術の設定プロセス
    9. コア技術の3つの選定軸
  10. 部品・製品の生産・設計受託事業展開戦略
    1. 分業・専門化の進展 (EMSやODM等)
    2. メカトロへの展開:沖電気の例
    3. 自動車部品メーカーのQCD能力を活用しての自動車部品以外への展開
    4. 下請けではない!
    5. 顧客のバリューチェーンのシームレス化を実現している例
  11. 事業展開における武器としてのオープンイノベーション
    1. オープンイノベーションの発端
    2. オープンイノベーションの現状
    3. オープンイノベーションにおける獲得物:外部を活用する
  12. 最後に
    • 新しい製品アイデアは拒否されるものという教訓を心に 刻む
    • 質疑応答

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 50,000円 (税別) / 55,000円 (税込)
複数名
: 25,000円 (税別) / 27,500円 (税込) (案内をご希望の場合に限ります)

案内割引・複数名同時申込割引について

R&D支援センターからの案内登録をご希望の方は、割引特典を受けられます。
案内および割引をご希望される方は、お申込みの際、「案内の希望 (割引適用)」の欄から案内方法をご選択ください。

「案内の希望」をご選択いただいた場合、1名様 40,000円(税別) / 44,000円(税込) で受講いただけます。
複数名で同時に申込いただいた場合、1名様につき 25,000円(税別) / 27,500円(税込) で受講いただけます。

  • R&D支援センターからの案内を希望する方
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 40,000円(税別) / 44,000円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 50,000円(税別) / 55,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 75,000円(税別) / 82,500円(税込)
  • R&D支援センターからの案内を希望しない方
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 50,000円(税別) / 55,000円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 100,000円(税別) / 110,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 150,000円(税別) / 165,000円(税込)

ライブ配信セミナーについて

  • 本セミナーは「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。
  • お申し込み前に、 視聴環境テストミーティングへの参加手順 をご確認いただき、 テストミーティング にて動作確認をお願いいたします。
  • 開催日前に、接続先URL、ミーティングID​、パスワードを別途ご連絡いたします。
  • セミナー開催日時に、視聴サイトにログインしていただき、ご視聴ください。
  • ご自宅への書類送付を希望の方は、通信欄にご住所・宛先などをご記入ください。
  • タブレットやスマートフォンでも受講可能ですが、機能が制限される場合があります。
  • ご視聴は、お申込み者様ご自身での視聴のみに限らせていただきます。不特定多数でご覧いただくことはご遠慮下さい。
  • 講義の録音、録画などの行為や、権利者の許可なくテキスト資料、講演データの複製、転用、販売などの二次利用することを固く禁じます。
  • Zoomのグループにパスワードを設定しています。お申込者以外の参加を防ぐため、パスワードを外部に漏洩しないでください。
    万が一、部外者が侵入した場合は管理者側で部外者の退出あるいはセミナーを終了いたします。
本セミナーは終了いたしました。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2025/1/16 自動車の騒音・振動の低減技術と予測・対策手法 オンライン
2025/1/21 自動車用を中心とした半導体技術の現状・最新動向と今後の展望 オンライン
2025/1/24 車載電子製品・部品における熱設計・実装、放熱・耐熱技術と将来動向 オンライン
2025/1/27 カーボンニュートラルとサーキュラーエコノミーが求められる次世代自動車とプラスチック オンライン
2025/1/29 自動車の騒音・振動の低減技術と予測・対策手法 オンライン
2025/1/29 自動車照明市場の最新動向・新技術トレンド オンライン
2025/1/30 e-Axle向け部品・材料の開発動向と適用事例 オンライン
2025/1/30 自動車の運動制御および自動運転による走行安全性の向上技術 オンライン
2025/2/3 カーボンニュートラルとサーキュラーエコノミーが求められる次世代自動車とプラスチック オンライン
2025/2/5 吸音・遮音材料の基礎と性能の予測方法、自動車への適用 オンライン
2025/2/12 ユーロ7 (Euro-7) の動きと排ガス・タイヤ・ブレーキ粉塵規制の展望、自動車LCA対応 オンライン
2025/2/13 自動車業界 (部品・材料メーカー等) における環境/化学物質規制対応のためのJAPIAシート作成の必須知識 オンライン
2025/2/17 自動車の運動制御および自動運転による走行安全性の向上技術 オンライン
2025/2/26 自動車業界 (部品・材料メーカー等) における環境/化学物質規制対応のためのJAPIAシート作成の必須知識 オンライン
2025/2/27 自動車産業における高分子材料のこれからを考える オンライン
2025/2/28 情勢変化・駆動源変遷に対応する自動車熱マネジメント技術の現状 オンライン

関連する出版物

発行年月
2024/4/15 無人配送車・システム 技術開発実態分析調査報告書
2024/4/15 無人配送車・システム 技術開発実態分析調査報告書 (CD-ROM版)
2024/4/8 自動車車内の音静粛化技術 技術開発実態分析調査報告書 (CD-ROM版)
2024/4/8 自動車車内の音静粛化技術 技術開発実態分析調査報告書
2024/1/31 車室内空間の快適性向上と最適設計技術
2023/11/14 x/zEV用電池の拡大 (目標、現状とグローバルな態勢) [書籍 + PDF版]
2023/11/14 x/zEV用電池の拡大 (目標、現状とグローバルな態勢)
2023/7/6 x/zEVへの転換2023 (各国の現状、目標と課題) [書籍 + PDF版]
2023/7/6 x/zEVへの転換2023 (各国の現状、目標と課題)
2022/6/30 自動運転車に向けた電子機器・部品の開発と制御技術
2022/5/31 自動車マルチマテリアルに向けた樹脂複合材料の開発
2022/5/6 EV、PHEV、HEVと燃料電池車の環境・走行性能分析 (書籍版)
2022/5/6 EV、PHEV、HEVと燃料電池車の環境・走行性能分析 (書籍+PDF版)
2022/4/15 2022年版 スマートモビリティ市場の実態と将来展望
2022/2/4 世界のxEV、車載用LIB・LIB材料 最新業界レポート
2021/9/30 自動車室内の静粛性向上と、防音・防振技術、材料の開発
2021/4/13 GAFA+Mの自動運転車開発最前線
2021/1/31 次世代EV/HEV用モータの高出力化と関連材料の開発
2020/12/25 次世代自動車の熱マネジメント
2019/12/13 2020年版 次世代自動車市場・技術の実態と将来展望