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塗料・塗膜における不良・欠陥の発生メカニズムとその対策

塗料・塗膜における不良・欠陥の発生メカニズムとその対策

オンライン 開催

概要

本セミナーでは、塗布・コーティングについて基礎から解説し、白化、クラック、ピンホール、はがれ、ゴミ・ブツ等、不具合要因の特定と対策を詳解いたします。

開催日

  • 2022年4月18日(月) 10時30分 16時30分
  • 2022年4月19日(火) 10時30分 16時30分

受講対象者

  • コーティング関係の原料メーカー技術担当者
  • 塗料メーカーの品質管理・塗料設計・研究開発担当者
  • 塗装・コーティング分野の製造担当者・工程管理者 (初心者から中堅技術者)
  • コーティング技術と技能を深めたい方、コーティング被膜の物性や特性を見極めたい方

プログラム

 塗料は単独で存在することはできません。常に被塗物があり、その表面を覆う作業が塗装です。より良い塗装効果を発揮させ、これを持続させるためには欠陥を未然に防ぐ技術力をアップさせることが必要です。さらに、SDGsを遵守するためには次の2点が大切です。

  • A.環境に負荷をかけない塗料と塗装方法の開発
  • B.塗装製品の耐久性、耐候性向上につなげる考え方

 本セミナーでは、Bを主目的に解説し、良い塗装ができること、良い塗膜を形成させることを伝授したいと考えます。
 欠陥は自然現象ゆえ、サイエンスとして捉え、その対策を取るのが常道です。しかし、多くの欠陥には複数の要因が相互に絡み合い、原因の解明が難しい場合もあります。そんな時には、手をこまねいていても解決できませんから、何かしら手がかりを探したり、想像したりして、再現実験にトライする努力をしてみませんか。まず、このようにして取り組んだ事例を紹介します。
 本セミナーでは欠陥を解析するのに必要な武器、それは科学する能力ですが、事例を通じて、基本から解説します。欠陥のからくりが判ると、今度は欠陥を反対に利用してみたいと思い付くようになるかも知れません。要は、本セミナーで気付きと実践力を身に付ける訓練をしてみようと思ってください。

  1. 塗料・塗膜における欠陥現象 (1日目)
    1. 塗料状態における欠陥
      1. 皮張り、増粘
      2. ゲル化
      3. 分離、沈降、ケーキ化
    2. 塗装、乾燥時における欠陥
      1. ブツ
      2. タレまたはタルミ
      3. はけ目、ロール目、ゆず肌、額縁
      4. 糸引き
      5. 凹み、ハジキ
      6. ピンホール、あわ
      7. かぶり
        • 白化
        • ブラッシング
      8. しわ
      9. つやびけ
      10. メタリックむら、色むら、色分かれ
    3. 塗膜形成後における欠陥
      1. 不粘着性 (軟化) 、もどり
      2. ちぢみ
      3. 目やせ
      4. 汚れ、シミ、輪染み
      5. 白亜化
      6. ふくれ
      7. はがれ
      8. 割れ
      9. 変退色
  2. 塗料と塗装のKey point
    1. 塗料とはどんな材料か
      1. 塗料の構成成分
      2. 塗料の形態
      3. 塗料から塗膜へ – 塗膜になったらチョコとクッキーの2種類のみ –
      4. 塗料用樹脂が変わると、何が異なるか
      5. 水性塗料用樹脂と架橋反応
      6. 粉体塗料の作り方と塗膜の特徴
    2. 良い塗装をするために必要な塗装の憲法
      1. 塗装系の原則と塗装系の設計 (塗料は単層膜ではなく、複層膜として機能している)
      2. 実際の重防食塗装系 – 例:東京タワーからスカイツリーへの変遷
  3. 欠陥現象を解析するために必要なサイエンス
    1. 表面張力を見る目
      1. 表面張力とは
      2. ヘコミとハジキの話
      3. 対流とは
      4. 表面張力と溶解性パラメーターとの関係
    2. 蒸発を見る目
      1. 蒸発とは
      2. 蒸発速度の計算値
      3. 混合溶剤の蒸発挙動
    3. 乾燥を見る目
      1. 熱風乾燥法
      2. 赤外線照射法
    4. 付着性を見る目
      1. 分子間力とは
      2. 付着性に及ぼす要因とその影響
      3. 付着強さのデーターは何を表しているか
    5. 内部応力を見る目
      1. 内部応力の発生機構
      2. 内部応力の支配要因
      3. 内部応力の測定法
    6. これだけは理解しよう塗膜の粘弾性
      1. 外力衝撃エネルギーの吸収機構
      2. 作用時間とがんばり時間
      3. TgとMc の求め方
  4. 欠陥事例とその対策 (2日目)
    1. 外観事例
      1. 水性塗料の泡・ハジキを止めるための添加剤の配合技術
      2. 目やせ
      3. ポリビンの変形
      4. 輪染み
    2. 塗膜の割れ・はく離事例
      1. 水道鋼管内面コートのはく離事件
      2. 水道鋼管PE粉体コートのはく離事件
      3. ヘルメットのノッチ割れを防ぐ塗料選択のポイント
      4. コンデンサー用絶縁コートの収縮応力の低減法
  5. 欠陥の逆利用テクニック
    1. 表面張力と流動性を利用した模様の出現テクニック
    2. 収縮応力を利用した割れ目模様の出現テクニック
    • 質疑応答

講師

主催

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お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 60,000円 (税別) / 66,000円 (税込)
複数名
: 55,000円 (税別) / 60,500円 (税込)

複数名同時受講割引について

  • 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 55,000円(税別) / 60,500円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 60,000円(税別) / 66,000円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 110,000円(税別) / 121,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 165,000円(税別) / 181,500円(税込)
  • 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 他の割引は併用できません。

アカデミック割引

  • 1名様あたり 30,000円(税別) / 33,000円(税込)

日本国内に所在しており、以下に該当する方は、アカデミック割引が適用いただけます。

  • 学校教育法にて規定された国、地方公共団体、および学校法人格を有する大学、大学院、短期大学、附属病院、高等専門学校および各種学校の教員、生徒
  • 病院などの医療機関・医療関連機関に勤務する医療従事者
  • 文部科学省、経済産業省が設置した独立行政法人に勤務する研究者。理化学研究所、産業技術総合研究所など
  • 公設試験研究機関。地方公共団体に置かれる試験所、研究センター、技術センターなどの機関で、試験研究および企業支援に関する業務に従事する方

ライブ配信セミナーについて

  • 本セミナーは「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。
  • お申し込み前に、 視聴環境テストミーティングへの参加手順 をご確認いただき、 テストミーティング にて動作確認をお願いいたします。
  • 開催日前に、接続先URL、ミーティングID​、パスワードを別途ご連絡いたします。
  • セミナー開催日時に、視聴サイトにログインしていただき、ご視聴ください。
  • ご自宅への書類送付を希望の方は、通信欄にご住所・宛先などをご記入ください。
  • タブレットやスマートフォンでも受講可能ですが、機能が制限される場合があります。
  • ご視聴は、お申込み者様ご自身での視聴のみに限らせていただきます。不特定多数でご覧いただくことはご遠慮下さい。
  • 講義の録音、録画などの行為や、権利者の許可なくテキスト資料、講演データの複製、転用、販売などの二次利用することを固く禁じます。
  • Zoomのグループにパスワードを設定しています。お申込者以外の参加を防ぐため、パスワードを外部に漏洩しないでください。
    万が一、部外者が侵入した場合は管理者側で部外者の退出あるいはセミナーを終了いたします。
本セミナーは終了いたしました。

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