技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

初学者のための抗体医薬品の品質管理

初学者のための抗体医薬品の品質管理

~凝集体分析・凝集体除去・凝集化抑制について詳しく解説~
オンライン 開催

概要

本セミナーでは、バイオ医薬品の品質管理に関する基本的事項を概説したのち、主に抗体医薬品の凝集体に焦点を当てて、凝集体の分析法、凝集体の除去技術および抑制技術に関して、製造現場で実用されている既存技術と新たな技術開発の動向について紹介いたします。

開催日

  • 2022年3月24日(木) 12時30分16時30分

受講対象者

  • バイオ医薬品/抗体医薬品の製造、品質管理に関心のある方

修得知識

  • バイオ医薬品/抗体医薬品の品質管理に関する基礎
  • バイオ医薬品/抗体医薬品の凝集化に関する科学と技術

プログラム

 抗体医薬品の急速な需要拡大に伴い、有効性と安全性が担保された高品質・高効率な製造技術が求められています。タンパク質である抗体医薬品は、不安定な巨大高分子であるため、製造工程中に劣化しやすく、さまざまな目的物質由来不純物が生じます。その中でも目的物質由来の凝集体は、薬理作用の低下だけではなく、免疫原性惹起の原因とも考えられており、2014年に発表された FDA ガイダンスでは、リスク管理の観点から、製剤中の凝集体の含有量を可能な限り減らすことを製造者に推奨しています。
 本講演では、バイオ医薬品の品質管理に関する基本的事項を概説したのち、主に抗体医薬品の凝集体に焦点を当てて、凝集体の分析法、凝集体の除去技術および抑制技術に関して、製造現場で実用されている既存技術と新たな技術開発の動向について紹介します。凝集体の科学と技術に関して初めて学ぶ方を対象にした構成になっていますが、既にバイオ医薬品の製造管理、品質管理に従事している方にも参考になる内容と思います。

  1. バイオ医薬品/抗体医薬品の品質
    • 品質分析の目的と原則
    • バイオ医薬品のICH品質ガイドライン
    • 品質分析と医薬品開発
    • 申請前/認可後に行われる品質分析
    • バイオ医薬品を構成する成分
    • バイオ医薬品の特性解析
    • 不純物・混入汚染物質の分析
    • バイオ医薬品の規格及び試験方法
    • 原薬・製剤の安定性試験
  2. バイオ医薬品/抗体医薬品の分子不均一性
    • バイオ医薬品は均一ではない
      • 分子不均一性の原因
    • 分子不均一性の品質管理
    • FDAの見解 2009
      • バイオ医薬品の品質分析のフロンティア
    • 分子不均一性とバイオシミラー
      • 国内のバイオシミラーの開発状況
      • バイオシミラーとジェネリックの違い
      • バイオシミラーのためのガイドライン
  3. 免疫原性に関わる FDA ガイダンス
    • 凝集化の懸念
    • FDAガイダンス 2014
    • 患者に由来する免疫原性関連因子
    • 製品に由来する免疫原性関連因子
    • 凝集体と免疫原性
      • 定義、分類、歴史
      • 機序、臨床、課題
    • 凝集化に関わる FDA の推奨事項
  4. 凝集体の定義と分類
    • 凝集体の定義
    • 主な分類方法
      • CLRS method
      • USP 1787
    • 米国薬局方における分類方法
    • アミロイド凝集とアモルファス凝集
    • 用語の統一
  5. 凝集体の発生成長と原因
    • 生産株調製
    • セルバンク構築
    • 培養工程
    • 精製工程
    • 製剤工程
    • 調剤・投薬
    • その他
  6. 凝集化の理論
    • タンパク質の安定性
      • コロイド安定性とコンフォメーション安定性
      • 物理学的安定性、化学的安定性、生物学的安定性
      • 熱力学的安定性と速度論的安定性
    • 凝集化のメカニズム
      • タンパク質のフォールディングと凝集化
      • 凝集化のモデル
      • 抗体凝集化のパスウェイ
      • 抗体凝集化の多様性と特殊性
  7. 凝集体の分析法
    • 粒子サイズと分析法の対応
    • ナノメートル粒子
    • ナノメートル粒子分析法の注意
    • サブミクロン粒子
    • ミクロン粒子
    • その他の方法
    • 凝集体の分析方法の比較
    • 凝集体分析方法の限界と推奨
  8. 凝集体の除去技術
    • クロマトグラフィーによる除去
      • HICとCEC
      • 収率と純度のトレードオフ
      • スケーラビリティ
      • 吸着モード、フロースルーモード
    • ステップワイズ溶出
    • 膜分離による除去
      • NFFとTFF
      • 目詰まり対策
      • スケールアップ
      • メンブランフィルターを活用する工程
  9. 凝集化の抑制技術
    • 凝集を防ぐ手段
      • 配列
      • 修飾
      • 細胞
      • 培養
      • 精製
      • 保管
    • 添加剤によるタンパク質の安定化
      • 主な添加剤
      • 凝集体の減少に効果がある添加剤
    • 安定化の分子機構
    • 抗体医薬品の添加剤トレンド
  10. 技術開発動向の紹介
    • 既存技術の課題
      • 凝集体分析技術
      • 凝集体除去技術
      • 凝集化抑制技術
    • 産総研の開発技術
      • 走査電子誘電率顕微鏡
      • 人工タンパク質 AF.2A1
      • AF.2A1-AlphaScreen法
      • 抗体凝集体のライブセルイメージング
      • 凝集前駆体の選択的除去
      • 「FDAの推奨」への対応

講師

  • 本田 真也
    産業技術総合研究所 生命工学領域 バイオメディカル研究部門
    副研究部門長

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 45,000円 (税別) / 49,500円 (税込)
複数名
: 20,000円 (税別) / 22,000円 (税込) (案内をご希望の場合に限ります)

案内割引・複数名同時申込割引について

シーエムシーリサーチからの案内をご希望の方は、割引特典を受けられます。
また、2名様以上同時申込で全員案内登録をしていただいた場合、1名様あたり半額の 20,000円(税別) / 22,000円(税込)となります。

  • Eメール案内を希望する方
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 40,000円(税別) / 44,000円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 40,000円(税別) / 44,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 60,000円(税別) / 66,000円(税込)
  • Eメール案内を希望しない方
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 45,000円(税別) / 49,500円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 90,000円(税別) / 99,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 135,000円(税別) / 148,500円(税込)

アカデミック割引

  • 1名様あたり 24,000円(税別) / 26,400円(税込)

学校教育法にて規定された国、地方公共団体、および学校法人格を有する大学、大学院の教員、学生に限ります。

ライブ配信セミナーについて

  • 本セミナーは「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。
  • お申し込み前に、 視聴環境テストミーティングへの参加手順 をご確認いただき、 テストミーティング にて動作確認をお願いいたします。
  • 開催日前に、接続先URL、ミーティングID​、パスワードを別途ご連絡いたします。
  • セミナー開催日時に、視聴サイトにログインしていただき、ご視聴ください。
  • ご自宅への書類送付を希望の方は、通信欄にご住所・宛先などをご記入ください。
  • タブレットやスマートフォンでも受講可能ですが、機能が制限される場合があります。
  • ご視聴は、お申込み者様ご自身での視聴のみに限らせていただきます。不特定多数でご覧いただくことはご遠慮下さい。
  • 講義の録音、録画などの行為や、権利者の許可なくテキスト資料、講演データの複製、転用、販売などの二次利用することを固く禁じます。
  • Zoomのグループにパスワードを設定しています。お申込者以外の参加を防ぐため、パスワードを外部に漏洩しないでください。
    万が一、部外者が侵入した場合は管理者側で部外者の退出あるいはセミナーを終了いたします。
本セミナーは終了いたしました。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2025/8/6 E&L試験の最新動向と実務対応のポイント オンライン
2025/8/7 暴露許容値 (OEL、ADE・PDE) 設定の基礎知識と設定値の妥当性・考え方 オンライン
2025/8/7 GVP実践講座 オンライン
2025/8/7 今、改正GMP省令により医薬品・医薬部外品製造業者が求められる適切なGMP文書とは オンライン
2025/8/8 医薬品製造における逸脱・異常/変更管理のクラス分けと逸脱予防策 オンライン
2025/8/8 コンピュータ化システムバリデーションの効率的な実施法 オンライン
2025/8/12 トラブル事例から学ぶ問題なく技術移転 (製造と試験) を行うために知っておくこと オンライン
2025/8/15 GMP文書の集約・削減と体系整理/効率的管理 オンライン
2025/8/18 製造オペレーターのためのGMPの基本と記録書の作成管理 オンライン
2025/8/18 品質管理試験室にむけたQC点検と信頼性確保 / 分析法バリデーションに必要となる統計解析 / 基準値設定・分析法変更/技術移転時の同等性評価 (3コース) オンライン
2025/8/18 ICH-GCPが要求する医薬品開発・臨床QMS入門と効果的かつ効率的運用 (2日間) オンライン
2025/8/18 GVP実践講座 オンライン
2025/8/18 ICH-GCPが要求する医薬品開発・臨床QMS入門 オンライン
2025/8/18 ICH-GCPが要求する医薬品開発・臨床QMSの効果的かつ効率的運用 オンライン
2025/8/18 バイオ医薬品 GMP入門講座 オンライン
2025/8/18 日本特有の要求対応をふまえた海外導入品のCMC開発対応とCMC申請資料 (日本申請用) 作成 オンライン
2025/8/18 国内外の査察対応にむけた製造設備の適格性評価及びメンテナンスに関する文書化対策 オンライン
2025/8/19 NPV (Net Present Value) 計算による医薬品事業性評価の基礎知識 オンライン
2025/8/19 研究所における医薬品を含む化学物質の管理と管理体制の構築 オンライン
2025/8/19 海外製造所に対して実施する監査のためのGMP英語表現 入門講座 オンライン

関連する出版物

発行年月
2011/12/14 QCラボにおける厚生労働省「コンピュータ化システム適正管理GL」対応セミナー
2011/12/10 製薬大手5社 技術開発実態分析調査報告書
2011/11/7 eCTD申請 「-ここまで身近になったeCTD申請-」
2011/9/1 厚労省ER/ES指針対応実施の手引き
2011/8/29 グローバルスタンダード対応のためのCSV実施方法
2011/8/24 厚生労働省「コンピュータ化システム適正管理GL」対応 "SOP作成"実践講座
2011/8/3 「回顧的バリデーション」および「リスクアセスメント」実施方法
2011/7/10 抗癌剤 技術開発実態分析調査報告書
2011/7/5 分析機器やLIMSのバリデーションとER/ES指針
2011/7/1 コンピュータバリデーション実施の手引き
2011/6/29 3極申請対応をふまえた不純物の規格設定と不純物プロファイル管理
2011/5/26 厚生労働省ER/ES指針、21 CFR Part 11とコンピュータバリデーション (中級編)
2011/5/25 超入門 厚生労働省ER/ES指針、21 CFR Part 11とコンピュータバリデーション
2011/4/20 厚生労働省「コンピュータ化システム適正管理ガイドライン」対応実践講座
2011/1/28 3極GMP/局方における無菌性保証と査察対応
2011/1/25 供給者監査実施のノウハウと注意点
2010/12/1 「コンピュータ化システム適正管理ガイドライン」対応準備の手引き
2010/11/29 FDA Part11査察再開と欧州ANNEX11要求対応
2010/11/25 EDC適合性調査と医療機関事前対応
2010/8/20 3極GMP査察対応シリーズ