技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

NMR分析による高分子材料の構造、物性及びダイナミクス評価

NMR分析による高分子材料の構造、物性及びダイナミクス評価

~高分子の構造情報の引き出し方、結果の解析、解釈~
オンライン 開催

概要

本セミナーでは、NMR法による高分子材料分析の基礎知識や最新テクニックを解説いたします。
また、物質拡散現象の評価手法の基礎原理から実施例についても解説いたします。

開催日

  • 2021年10月29日(金) 10時30分 16時30分

修得知識

  • NMR測定の基本原理や条件設定に関する基礎知識
  • NMRスペクトルチャートの見方と解析方法に関する基礎知識
  • 高分子材料の構造には静的構造と動的構造があること
  • 高分子材料中における物質の拡散特性を評価する手法とそのポイント

プログラム

 核磁気共鳴 (NMR) 法は高分子の分析になくてはならない方法の一つですが、今なお発展を続けており、関連知識の獲得は際限がなく、且つ専門レベルも決して低くありません。したがって,スキルアップに不安や戸惑いを覚えることは必然といってもよいでしょう。NMR法の語り口の一つとして、“数ある分光学的手法の中では最も低周波であるラジオ波を用いるので、最も多くの構造情報を引き出せる方法である”と覚え、有効に活用していきたいところです。
 本講演ではNMR法による高分子材料分析の基礎知識から最新テクニックまでをわかり易く解説します。高分子材料を分析対象としますので、高分子化合物に特徴的な「構造の階層性」を念頭に置きながら話を進めます。分析業務や素材開発に携われている方にとって、なにかと役立つトピックスをできるだけ実施例を交えて紹介します。

  1. 機器分析におけるNMR法の位置付けについて
    1. 分光学的手法の分類とNMR
    2. いろいろなNMR法
    3. NMR法で得られる実験データとそこからわかることの概観
  2. 高分子の階層構造について
    1. 一次構造
      • 化学構造
      • 立体規則性
      • 共重合組成
      • 分子量と分子量分布
    2. 二次構造
      • コンホメーション
    3. 高次構造
      • 結晶構造
      • 結晶化度
      • 凝集構造
  3. NMR法の原理の基礎 – はじめに知っておきたいこと
    1. 核スピンとは?
    2. 共鳴条件
    3. 自由減衰振動 (FID) とフーリエ変換
    4. 化学シフト値
    5. 核間相互作用 (二重共鳴法と分裂パターン)
  4. 溶液NMR法で一次構造解析をする
    1. 化学シフト値と積分強度
    2. 分裂パターンと化学結合ネットワーク
    3. 各種2次元NMR法の活用
    4. 溶液NMR用プローブ (NMR信号検出器) の種類と特長
    5. 立体規則性 (タクティシティー) 解析
    6. 共重合体組成・配列の解析
    7. 分子量・分子量分布の解析
  5. 固体NMR法で二次および高次構造解析をする
    1. 固体NMR用プローブ (NMR信号検出器) の種類と特長
    2. 化学シフト値と高次構造
    3. 双極子相互作用と高出力デカップリング
    4. マジック角高速回転 (MAS)
    5. 交差分極 (CP) 法
    6. 各種緩和時間
    7. 動的構造評価による結晶化度の推定
    8. スピン拡散とポリマーブレンド等におけるモルホロジー解析
    9. 化学シフト異方性と配向構造の解析
    10. 結晶構造の解析例
    11. 局所分子運動の解析例
  6. 高分子の構造と物性を結び付ける
    1. 材料中における異分子の存在状態・拡散性の評価
    2. ガラス状態の自由体積部分に関する評価
    3. 気体拡散特性の解析
    • 質疑応答

講師

  • 吉水 広明
    名古屋工業大学 大学院 工学研究科 生命応用化学専攻 ソフトマテリアル分野
    准教授

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 30,400円 (税別) / 33,440円 (税込)
複数名
: 22,500円 (税別) / 24,750円 (税込)

複数名受講割引

  • 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 22,500円(税別) / 24,750円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 30,400円(税別) / 33,440円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 45,000円(税別) / 49,500円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 67,500円(税別) / 74,250円(税込)
  • 同一法人内 (グループ会社でも可) による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 請求書および領収書は1名様ごとに発行可能です。
    申込みフォームの通信欄に「請求書1名ごと発行」とご記入ください。
  • 他の割引は併用できません。
  • サイエンス&テクノロジー社の「2名同時申込みで1名分無料」価格を適用しています。

アカデミー割引

教員、学生および医療従事者はアカデミー割引価格にて受講いただけます。

  • 1名様あたり 10,000円(税別) / 11,000円(税込)
  • 企業に属している方(出向または派遣の方も含む)は、対象外です。
  • お申込み者が大学所属名でも企業名義でお支払いの場合、対象外です。

ライブ配信セミナーについて

  • 本セミナーは「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。
  • お申し込み前に、 視聴環境テストミーティングへの参加手順 をご確認いただき、 テストミーティング にて動作確認をお願いいたします。
  • 開催日前に、接続先URL、ミーティングID​、パスワードを別途ご連絡いたします。
  • セミナー開催日時に、視聴サイトにログインしていただき、ご視聴ください。
  • セミナー資料は、PDFファイルをダウンロードいただきます。
  • ご自宅への書類送付を希望の方は、通信欄にご住所・宛先などをご記入ください。
  • タブレットやスマートフォンでも受講可能ですが、機能が制限される場合があります。
  • ご視聴は、お申込み者様ご自身での視聴のみに限らせていただきます。不特定多数でご覧いただくことはご遠慮下さい。
  • 講義の録音、録画などの行為や、権利者の許可なくテキスト資料、講演データの複製、転用、販売などの二次利用することを固く禁じます。
  • Zoomのグループにパスワードを設定しています。お申込者以外の参加を防ぐため、パスワードを外部に漏洩しないでください。
    万が一、部外者が侵入した場合は管理者側で部外者の退出あるいはセミナーを終了いたします。
本セミナーは終了いたしました。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2025/4/4 プラスチックの難燃化技術 オンライン
2025/4/9 動的粘弾性のチャート読み方とその活用ノウハウ オンライン
2025/4/9 レオロジーの基礎と測定法 オンライン
2025/4/9 高分子材料の難燃化技術と難燃剤の選定、配合設計およびその実際技術 オンライン
2025/4/10 高分子・ポリマー材料の重合、製造における研究実験から生産設備へのスケールアップ技術 オンライン
2025/4/10 ゲル化剤・増粘剤の基礎・特性・評価法 オンライン
2025/4/11 自動車用プラスチックにおけるリサイクル・アップサイクルの動きと対応 オンライン
2025/4/11 電気光学 (EO) ポリマーの基礎と評価技術および光制御デバイスへの応用 オンライン
2025/4/11 粘度の基礎と実用的粘度測定における留意点と結果の解釈 オンライン
2025/4/11 プラスチックの難燃化技術 オンライン
2025/4/14 プラスチック用添加剤の作用機構と使い方 オンライン
2025/4/14 副資材を利用した高分子材料の設計技術 オンライン
2025/4/15 押出機・混練機内の高分子材料の輸送・溶融と混練技術 オンライン
2025/4/15 ナノフィラーの高分散・充填化技術の基礎と機能性ナノコンポジットの開発動向 オンライン
2025/4/15 プラスチック強度設計に必要な材料特性と設計の進め方 オンライン
2025/4/16 ヒートシールのくっつくメカニズムと不具合対策、品質評価 オンライン
2025/4/17 超分子架橋を駆使した機能性高分子材料 オンライン
2025/4/17 プラスチック/ゴムの劣化・破壊メカニズムとその事例および寿命予測法 オンライン
2025/4/17 低誘電性樹脂の開発と伝送損失の低減、高速・高周波通信への対応 オンライン
2025/4/17 メタルレジストの特徴とEUV露光による反応メカニズム オンライン

関連する出版物

発行年月
2024/7/29 サステナブルなプラスチックの技術と展望
2024/7/22 世界のレトルトフィルム・レトルトパウチの実態と将来展望 2024-2026 (書籍版 + CD版)
2024/7/22 世界のレトルトフィルム・レトルトパウチの実態と将来展望 2024-2026
2024/7/17 世界のリサイクルPET 最新業界レポート
2024/6/28 ハイドロゲルの特性と作製および医療材料への応用
2024/5/30 PETボトルの最新リサイクル技術動向
2024/2/29 プラスチックのリサイクルと再生材の改質技術
2023/10/31 エポキシ樹脂の配合設計と高機能化
2023/7/31 熱可塑性エラストマーの特性と選定技術
2023/7/14 リサイクル材・バイオマス複合プラスチックの技術と仕組
2023/3/31 バイオマス材料の開発と応用
2023/1/31 液晶ポリマー (LCP) の物性と成形技術および高性能化
2023/1/6 バイオプラスチックの高機能化
2022/10/5 世界のプラスチックリサイクル 最新業界レポート
2022/8/31 ポリイミドの高機能設計と応用技術
2022/5/31 樹脂/フィラー複合材料の界面制御と評価
2022/5/31 自動車マルチマテリアルに向けた樹脂複合材料の開発
2022/5/30 世界のバイオプラスチック・微生物ポリマー 最新業界レポート
2021/12/24 動的粘弾性測定とそのデータ解釈事例
2021/9/30 NMRによる有機材料分析とその試料前処理、データ解釈