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液晶ポリマー (LCP) の材料設計と5G機器などへの応用、高周波特性評価

液晶ポリマー (LCP) の材料設計と5G機器などへの応用、高周波特性評価

オンライン 開催

概要

本セミナーでは、優れた低誘電率、低誘電正接特性から5G用途でますます注目されるLCPを取り上げ、LCP材料の基礎 (特徴・種類・成形加工技術) から世界の市場動向、さらにフレキシブルプリント配線板 (FPC) 用の絶縁材料として開発が進むLCPのフィルム化技術とその量産化に向けた各社の取り組み事例について解説いたします。

開催日

  • 2021年9月3日(金) 9時50分 17時20分

修得知識

  • LCPおよびフィルムの市場動向、将来動向
  • 5G向けFCCL用フィルムの成形加工技術
  • LCP射出成形技術、LCP紡糸技術などの知見

プログラム

第1部 液晶ポリマー (LCP) の基礎 ~市場、構造と特性、特許動向など~

(2021年9月3日 9:50〜11:20)

 液晶ポリマー (LCP) は、一般にスーパーエンジニアリングプラスチックと呼ばれる分野に属し、高い耐熱性、そして射出成形時における優れた寸法安定性、高い流動性そしてバリなどが発生しにくいことから精密・微細化などを目的とする用途に適している。近年、これまでの通信方式と比べ高速・大容量化などの特徴を有する第5世代移動通信システム (5G) への適用が始まり、高周波・高速伝達回路による伝達損失を抑えることのできる材料としてもLCPは期待されている。 しかしながら、5G向けの用途としてはフィルム化が要求されており、LCPの持つ高い配向性が原因でフィルム加工しにくい欠点を有していた。そこで、各LCPメーカーは独自の加工技術で、この欠点を克服し、フイルム化とその量産化を試みている。
 本セミナーでは、LCPに関する市場動向、基礎的物性、用途、そして特許情報に基づく5G向けFCCL用フィルムの製造方法などについて解説する。

  1. 世界の液晶ポリマー (LCP) の市場
    1. LCPの市場動向
    2. 市場を支配する中国
  2. グローバルLCP市場の主要プレーヤー
  3. 液晶とは
    1. 液晶分子の特徴
    2. 液晶構造の主な種類
  4. 液晶ポリマーとは
    1. ポリマーの特徴
    2. 液晶ポリマーの種類
      1. リオトロピック液晶ポリマー
      2. サーモトロピック液晶ポリマー
  5. 液晶ポリマーの特許動向の紹介
    • 質疑応答

第2部 液晶ポリマー (LCP) における材料設計と各種応用

(2021年9月3日 11:30〜12:50)

 液晶ポリマーは特異的な分子構造に由来したユニークな特性を有します。さらに、充填材を使用目的に応じて適切に設計することで、高流動性、低変形の射出成形用材料が得られます。液晶ポリマーは骨格的に低誘電率、低誘電正接特性を有することから、高周波通信に適した材料として注目されています。
 本講座ではLCP材料設計と特徴を最大限利用するための材料選択、射出成形方法を提案し、用途展開事例を紹介します。

  1. LCPポリマーの特徴
    1. LCPの化学構造、溶融と固体構造
    2. 固化挙動とP.V.T (圧力.体積.温度) 曲線
    3. 流動特性、熱的特性
  2. LCPコンパウンドの開発動向
    1. 電子デバイス用樹脂への要求特性の最近の傾向
    2. 成形品変形の原因と設計・材料・成形からの対応方法
    3. 高耐熱材料の開発動向
    4. カメラ向け材料の開発動向
    5. 高周波通信に対応した材料開発動向
  3. LCP材料の用途
    1. モバイル・PC向け採用事例
    2. 自動車用途採用事例
    3. 非射出分野の採用事例
  4. 精密成形のための射出成形技術
    1. LCPの射出成形の注意点
    2. 成形条件によるトラブルシューティング
    • 質疑応答

第3部 UVを用いた液晶ポリマーの表面改質とその応用

(2021年9月3日 13:40〜14:50)

 LCPへのUVを用いた表面改質と改質面へのめっき技術、及び高周波対応に 適した回路形成、及び、異方性選択めっきによるフォトリソプロセスを必要とし ない回路形成技術について解説する。

  1. はじめに
    1. 高度情報化社会における電子機器
    2. IoT、 Beyond 5G (6G) に向けて
    3. プリント配線板に関わるめっきの概要
  2. 高周波対応プリント配線板
    1. 高周波対応の必要性
    2. 現状のプリント配線板における課題
    3. 高周波対応配線板材料
  3. 表面改質と回路形成
    1. 低損失導体形成
    2. LCP平滑面上へのUV改質法による回路形成 (Video有) と評価
    3. 異方性無電解めっきによるフォトリソプロセスレス回路形成技術
    4. LCP樹脂による3D成形体への回路形成
    5. パラジウム触媒代替銅触媒による無電解めっき
  4. おわりに向けた取り組み
    • 質疑応答

第4部 液晶ポリマーの成膜と用途について

(2021年9月3日 15:00〜16:00)

 5Gの実用化とともにフレキシブルプリント配線板 (FPC) における絶縁フィルムの変更による低ノイズ、低消費電力および、電池寿命の増加を実現しようとしている。本テーマはその絶縁フィルム候補の液晶ポリマーのフィルム化技術について紹介します。

  1. 液晶ポリマーについて
  2. 5G、コネクテッドカー、IoT向けに求められるFPC基板材料について
  3. 液晶ポリマーフィルムの研究開発の背景
  4. 液晶ポリマーフィルムの特性について
  5. 液晶ポリマーの成膜 (フィルム化) 技術
  6. 液晶ポリマーフィルム、銅箔積層体 (FCCL) の開発について
  7. 新規技術の特性と展望について
    • 質疑応答

第5部 液晶ポリマー (LCP) ベースの高速伝送用FPCの開発とその応用について

(2021年9月3日 16:10〜17:20)

  1. 5G高周波に対応する高速LCP-FPCへの要求とその背景
  2. LCPの特徴 (なぜLCPが高速FPCに応用されるのか)
  3. LCPを応用するFPC代表構造
    (片面、両面、多層)
  4. LCP-FPCのデザイン種と製造プロセス
    1. オールLCPと有接着剤ハイブリッド構造デザイン比較
    2. 銅メッキによるビアデザインの最適化構造
    3. 印刷ビアによる多層LCP-FPC構造と信頼性デザイン
    4. スパッタ工法、化学蒸着工法、分子間力接着を応用するLCP-FPC
  5. LCP-FPCの高周波特性
    1. S21によるPIとの高速性比較
    2. 低吸水性による高速性劣化の評価試験
  6. 高周波対応以外のLCPを応用するFPC技術
    1. 立体成型性を応用するLCP-FPCデザイン
      1. 伸縮構造を可能にするLCP-FPC技術
      2. 成形アンテナに応用するLCP-FPC技術
  7. まとめ
    • 質疑応答

講師

  • 八角 克夫
    八角コンサルティンググループ
    代表
  • 長永 昭宏
    ポリプラスチックス株式会社 研究開発本部 研究開発センター
    主任研究員
  • 濱野 尚
    共同技研化学 株式会社
    専務取締役
  • 松本 博文
    フレックスリンク・テクノロジー株式会社
    代表取締役

主催

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お問い合わせ

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(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 60,000円 (税別) / 66,000円 (税込)
複数名
: 55,000円 (税別) / 60,500円 (税込)

複数名同時受講割引について

  • 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 55,000円(税別) / 60,500円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 60,000円(税別) / 66,000円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 110,000円(税別) / 121,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 165,000円(税別) / 181,500円(税込)
  • 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 他の割引は併用できません。

アカデミック割引

  • 1名様あたり 30,000円(税別) / 33,000円(税込)

日本国内に所在しており、以下に該当する方は、アカデミック割引が適用いただけます。

  • 学校教育法にて規定された国、地方公共団体、および学校法人格を有する大学、大学院、短期大学、附属病院、高等専門学校および各種学校の教員、生徒
  • 病院などの医療機関・医療関連機関に勤務する医療従事者
  • 文部科学省、経済産業省が設置した独立行政法人に勤務する研究者。理化学研究所、産業技術総合研究所など
  • 公設試験研究機関。地方公共団体に置かれる試験所、研究センター、技術センターなどの機関で、試験研究および企業支援に関する業務に従事する方

ライブ配信セミナーについて

  • 本セミナーは「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。
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  • セミナー開催日時に、視聴サイトにログインしていただき、ご視聴ください。
  • セミナー資料は郵送にて前日までにお送りいたします。
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本セミナーは終了いたしました。

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