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タンパク質の溶液状態の理解と課題 (凝集制御、安定化など) への応用

相分離生物学入門

タンパク質の溶液状態の理解と課題 (凝集制御、安定化など) への応用

~タンパク質凝集の仕組みと凝集抑制剤の開発、タンパク質の加熱凝集の制御、バイオ医薬品の安定化技術~
オンライン 開催

開催日

  • 2021年5月11日(火) 13時00分 16時30分

修得知識

  • 相分離生物学の基礎
  • タンパク質溶液科学の基礎
    • タンパク質の立体構造の安定化因子など
  • タンパク質凝集の仕組み
    • タンパク質の加熱凝集の定量法など
  • アルギニン:タンパク質溶液の添加剤
    • アミノ酸、アルギニンによるタンパク質凝集抑制など
  • タンパク質の凝集と相分離の技術
    • 相分離液滴によるバイオ医薬品の安定化
    • タンパク質の濃縮法など

プログラム

 相分離生物学という新しい分野が誕生し、タンパク質の溶液科学がふたたび注目を集めるようになっています。
 本講座では、これから相分離生物学を研究に取り入れたい人に向けて、まず既存の分野との違いについて、基本的な見方を紹介します。
 さらに、この分野の基礎となるアミノ酸の溶解度や相互作用などのタンパク質の溶液状態を理解するための基礎を紹介します。講演者の研究を例に、タンパク質凝集の仕組みと凝集抑制剤の開発、産業的な応用例となるタンパク質の加熱凝集の制御や、バイオ医薬品の安定化技術について紹介します。最後に、タンパク質溶液の状態制御や、新しい創薬の可能性、計測機器の開発などから、分野の今後について議論します。
 本講習会では、相分離生物学に興味がある方や、タンパク質に関する研究や開発をこれから始める方にとって有益になるよう、とくにこの背後にあるタンパク質の溶液状態を理解する考え方を解説します。どのように産業の問題を解決できるのか、これまでの経験をもとに具体的な事例を紹介します。

  1. 相分離生物学の基礎
    1. 古典的な液 – 液相分離
    2. 非共有結合の相互作用
    3. 細胞内にある多様な相分離液滴
    4. 相分離論争:染色体
    5. 添加剤としてのヘキサンジオール
    6. 相分離液滴による翻訳の制御
    7. 翻訳後修飾による相分離液滴の制御
    8. 天然変性タンパク質の真の働き
    9. 相分離液滴による酵素連続反応
    10. メタボロン仮設
    11. タンパク質の三状態と安定化の仕組み
    12. 新しいアミロイド仮設
  2. タンパク質溶液科学の基礎
    1. タンパク質の立体構造の安定化因子
      1. 種類の天然アミノ酸
    2. アミノ酸の溶解度
    3. アミノ酸側鎖とハイドロパシー
    4. 相分離液滴の安定化因子
    5. 見過ごされていたπ – π相互作用
  3. タンパク質凝集の仕組み
    1. タンパク質の加熱凝集の定量法
    2. タンパク質凝集抑制剤
    3. 変性剤と界面活性剤
    4. ホフマイスター系列
    5. 高濃度の添加剤と選択的相互作用
    6. 高分子による排除体積効果
    7. タンパク質を安定化するオスモライト
    8. 化学劣化をふせぐアミン
  4. アルギニン:タンパク質溶液の添加剤
    1. アミノ酸によるタンパク質凝集抑制
    2. アルギニンによるタンパク質凝集抑制
    3. アルギニンの多様な応用例
    4. 高性能なアルギニン誘導体
    5. 最小サイズのタンパク質凝集抑制剤
    6. タンパク質凝集抑制剤のデザイン原理
    7. 抗体の加熱凝集と抑制技術
    8. アラントインとヒダントイン
  5. タンパク質の凝集と相分離の技術
    1. ・卵白タンパク質の加熱凝集と制御
    2. カオトロープとコスモトロープの性質
    3. 卵白凝集を完全にふせぐアルギニン
    4. 試験管内で再現する共凝集と相分離の違い
    5. タンパク質ー高分子電解質複合体
    6. 相分離液滴によるバイオ医薬品の安定化
    7. 相分離液滴によるタンパク質の濃縮法
    8. 相分離性タグによるペプチドの精製法
    9. 水性二相溶液による抗体凝集体の除去法
  6. 配布資料で読み解く今後の展望
    1. タンパク質の状態に対する添加剤の効果
    2. 相分離生物学で考える新しい創薬の視点
    3. 『相分離生物学の全貌』から読み解く今後の展望
    • 質疑応答・名刺交換

講師

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