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高分子結晶化の基礎と解析技術

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高分子結晶化の基礎と解析技術

オンライン 開催

概要

本セミナーでは、高分子結晶の構造と結晶化プロセスの特徴について解説し、諸条件により最終的にどのような構造形成につながるか、実例を交えながら紹介いたします。
また、高分子の結晶化メカニズムの解析方法、新規解析技術についても質問を受け付けいたします。

開催日

  • 2021年3月30日(火) 10時30分 16時30分

プログラム

 結晶性高分子材料の物性は、結晶が織りなすナノからミクロンスケールの階層的な構造により大きく左右される。こうした結晶構造のコントロールは、より優れた物性の発現や、更なる高機能化を図る為に必須である。従って、様々なスケールで結晶の構造を解析すると共に、そうした構造が形成される機構を正しく理解する必要がある。
 高分子は長い紐状である事に起因して、特異な結晶化挙動を示す。本講座では先ず、低分子や金属と対比しながら、高分子結晶の構造と結晶化プロセスの特徴について解説する。さらに、物性との関わりが深い項目として、分子構造の規則性、温度条件、配向条件などを取り上げ、最終的にどのような構造形成につながるか、実例を交えながら紹介する。
 引き続き、高分子結晶の階層的な構造を解析する手法として、顕微鏡法、および、回折・散乱による解析法について解説する。目的に応じて適切に使い分る事を念頭に、簡易かつ迅速な光学顕微鏡法から最新の放射光を用いた手法まで、幅広く紹介する。
 講演の最後には高分子の結晶化メカニズムの解析の方法、新規解析技術についての質問を受け付ける。

  1. 高分子の結晶の基礎
    1. 「結晶」とは何か
      1. 「結晶」の定義
      2. 結晶はなぜ生成するか
    2. 高分子結晶の構造的特徴
      1. 低分子結晶との対比
      2. 線状高分子の凝集構造
      3. 高分子結晶特有の高次構造
        • ラメラ晶
        • 球晶
        • 繊維構造
    3. 高分子結晶の生成
      1. 結晶核の形成
      2. 二次核生成→生長
      3. 結晶化速度
      4. 結晶化温度と融点
    4. 物性との関わりと評価法
      1. 結晶化度
      2. 融点
      3. 分子構造の規則性
        • 融点への影響
        • 結晶成長への影響
      4. 配向
    5. 高分子結晶化の特性を活用した加工技術の例
      1. ゲル紡糸
      2. ナノ配向結晶体 (NOC)
  2. 構造解析法1 – 顕微鏡法
    1. 「見える」ための必要条件
      1. 分解能
        • 波長による限界
        • 結像による限界
        • 試料による限界
      2. コントラスト
        • 明暗
    2. 光学顕微鏡
      1. 照明法について
        • 透過
        • 落射
      2. 対物レンズ
      3. 偏光顕微鏡
      4. 微分干渉顕微鏡
    3. 電子顕微鏡
      1. 走査型電子顕微鏡
      2. 透過型電子顕微鏡
        • 明視野像観察
        • 電子回折
        • 暗視野観察
        • 三次元像
      3. 高分解能観察
        • 電子線損傷と解像限界
        • 画像処理
    4. 原子間力顕微鏡
      1. AFMの原理
      2. 測定上の留意点
        • 試料作成
        • フィードバックパラメータ
  3. 構造解析法2 – 回折・散乱による方法
    1. 回折・散乱の基礎
      1. ブラッグ回折
      2. フーリエ変換
      3. 逆空間
    2. 結晶の回折
      1. 逆格子
        • 回折反射の指数
        • エヴァルト球
        • 限界球
      2. 乱れた結晶からの回折
        • 回折点の広がりの解釈
      3. 多結晶体の回折
        • 粉末図形
        • 繊維図形
      4. 微結晶サイズの評価
        • シェラーの式
      5. 様々な観察法
      6. 電子回折
    3. 小角散乱
      1. 積層ラメラの回折
      2. インバリアント
    4. 放射光を用いた解析の実例
      1. 高速時分割測定
      2. マッピング
  4. 高分子結晶、測定法についての議論

主催

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