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シランカップリング剤の基礎知識と効果的な使い方

シランカップリング剤の基礎知識と効果的な使い方

~シランカップリング処理のメカニズム、目的にあった選定方法、分析評価~
東京都 開催 会場 開催

概要

本セミナーでは、シランカップリング剤の種類や機能、作用機構、使用法、処理効果、分析・解析法、様々な応用など、実務で使いこなすための知識・技術を、基礎から応用まで幅広く1日で解説いたします。

開催日

  • 2020年4月27日(月) 10時00分 16時30分

受講対象者

  • シランカップリング剤に関連する技術者、研究者
    • 金属・無機材料の表面処理
    • 密着・接着性改良
    • 有機-無機ハイブリッド材料の開発
    • 半導体封止材
    • 塗料
    • 接着剤
    • 歯科材料
    • 金属接着
    • 樹脂改質
    • 熱可塑性樹脂複合材料
    • FRP
    • エラストマー
    • 樹脂バインダー
    • プライマー
    • コーティング剤 など
  • カップリング剤処理、表面処理を行う技術者、研究者、品質担当者
  • カップリング剤について基礎から学びたい方
  • カップリング剤処理で課題を抱えている方

修得知識

  • シランカップリング剤の種類、選択基準、効果的使用法
  • シランカップリング剤の作用機構
  • ナノ粒子の調製と粒径制御法
  • シランカップリング剤による固体表面修飾反応
  • シランカップリング剤の表面処理効果、表面分析/解析法

プログラム

第1部 シランカップリング剤の反応、反応制御、作用機構と界面構造の制御

(2020年4月27日 10:00〜12:00)

 近年、シランカップリング剤は従来の接着・密着分野から有機-無機複合 (ハイブリッド) 材料開発分野へ展開し、飛躍的にその応用分野を広げている。これはその優れた界面制御機能による接着・密着性や異種材料の親和性・相溶性の向上効果によるものである。シランカップリングを使用した新規機能材料開発は盛んに行われ、既に塗料やコーティング剤として実用化されている。今後更に新規材料開発におけるシランカップリング剤の応用分野は拡大し重要になって来るものと思われる。本セミナーではシランカップリング剤を実務で効果的に活用し、新規材料開発などに応用できるような基礎的事項をわかりやすく説明する。

  1. シランカップリング剤の概要
    1. シランカップリング剤とは
    2. シランカップリング剤の種類と化学構造
    3. シランカップリング剤の機能
    4. その他のカップリング剤
      • ジルコニウム
      • チタネート系カップリング剤
    5. シランカップリング剤の効果的な使用量と使用方法
  2. シランカップリング剤の反応、反応制御、作用機構および界面構造の制御
    1. シランカップリング剤の反応
    2. 加水分解・縮合反応と反応機構
    3. 加水分解・縮合反応の制御
      1. シランカップリング剤の反応性 (反応速度)
      2. 加水分解性基の影響
      3. 有機残基の影響
      4. pHの影響
    4. 無機材料表面への修飾反応と反応機構
    5. シランカップリング剤、反応条件の影響、界面構造の制御と最適化
      1. pHの影響
      2. 溶液濃度及び反応温度の影響
      3. 無機材料の影響
      4. 界面構造の影響
    6. ジルコニウム系及びチタネート系カップリング剤の活用
  3. 参考図書
    • 質疑応答

第2部 シランカップリング処理の分析評価

(2020年4月27日 12:45〜14:15)

 シランカップリング反応は、表面の性質を容易にコントロールできる方法として様々な分野で用いられている。例えば、基材の表面修飾法として撥水性や防汚性の付与する、金属と有機材料のような異種材料の接着性向上などは代表的なものであり、グラフト重合における基点、ナノ粒子の分散性制御やCFRP等の複合材料など様々な目的に用いられている。しかし、その反応プロセスは詳細には明らかにされていない部分もあり、コントロールの難しい反応としても知られている。
 本講演では、様々な使用状況におけるシランカップリング剤構造解析、官能基解析を中心にして、反応解析、リアルタイム反応解析なども含めて、その方法を解説する。また、シランカップリング反応への影響が大きい基材やマトリクス材の表面構造解析についても解説する。

  1. シランカップリング剤の構造・官能基解析
    1. シランカップリング剤の構造・官能基
    2. 解析の難しさと障害
    3. 構造の多様性
    4. 加水分解と自家反応
  2. 構造解析のための反応解析
    1. 視るべきポイント
      1. 識別の困難性 (感度と類似性)
      2. 視るべきポイント (基本構造)
      3. 視るべきポイント (基材)
      4. 視るべきポイント (対象物)
    2. シランカップリング反応の解析
      1. 反応解析のポイント
      2. 反応率解析1 (反応率)
      3. 反応率解析2 (被覆率)
  3. シランカップリング剤解析のための代表的分析法と特徴化学構造を知る
    1. FT-IR
      1. 赤外分光法 (IR) の原理
      2. FT-IRの長所・短所
      3. 測定法
      4. In-situ FT-IR
      5. 主な官能基とピーク位置
      6. シランカップリング剤のFTIRスペクトル
      7. 反応前後の比較
      8. 近赤外光の利用
    2. クロマトグラフィー
      1. 原理
      2. クロマトグラフィーによる分析
    3. NMR
      1. NMRによる分析
  4. 表面分析法
    1. 表面組成・化学状態
    2. 表面の代表的分析手法
    3. 表面分析成功のキーポイント
      1. 表面分析の心構え
      2. 試料の取り扱い
    4. シランカップリング反応解析のための代表的分析法と特徴
      1. X線光電子分光法
      2. TOF-SIMS
      3. 形態を見る
      4. 走査型電子顕微鏡 (SEM)
      5. 走査型プローブ顕微鏡
      6. TDS
  5. まとめ
  6. Appendix (仮説思考による研究開発と問題解決)
    • 質疑応答

第3部 シランカップリング剤の選定方法と新規シランカップリング剤の紹介

(2020年4月27日 14:30〜16:30)

 シランカップリング剤とは、分子中に無機材料と化学結合する反応基 (加水分解性シリル基) と、有機材料と化学結合する反応基とを併せ持つ化合物の総称である。そのため無機材料と有機材料とを結ぶ仲介役としての働きをすることから、有機/無機複合材料の機械的強度の向上、接着性の改良、樹脂改質、表面改質等の多種多様な用途に使用されている。
 本講演では、既存のシランカップリング剤の応用事例だけでなく既存のシランカップリング剤では性能発現が成し得ない需要に応じるべく開発されたシランカップリング剤を、応用事例を含めて紹介する。

  1. シランカップリング剤について
  2. 汎用シランカップリング剤について
    1. ビニルシランの使用方法について
    2. アミノシランの使用方法について
    3. エポキシシランの使用方法について
    4. (メタ) アクリルシランの使用方法について
    5. メルカプトシランの使用方法について
    6. イソシアネートシランの使用方法について
  3. 長鎖シランカップリング剤の紹介
    1. 長鎖ビニルシラン (KBM-1083) の紹介
    2. 長鎖エポキシシラン (KBM-4803) の紹介
    3. 長鎖メタクリルシラン (KBM-5803) の紹介
    4. 長鎖アミノシラン (KBM-6803) の紹介
  4. 官能基保護型シランの紹介
    1. ケチミン型シランの紹介
    2. シリル基保護メルカプトシランの紹介
    3. その他
  5. その他新規シランカップリング剤の紹介
    • 質疑応答

講師

  • 山田 保治
    FAM テクノリサーチ
    代表
  • 奥村 治樹
    ジャパン・リサーチ・ラボ
    代表
  • 廣神 宗直
    信越化学工業 株式会社 シリコーン電子材料技術研究所 第一部開発室
    研究員

会場

東京流通センター

2F 第4会議室

東京都 大田区 平和島6-1-1
東京流通センターの地図

主催

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お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 47,500円 (税別) / 52,250円 (税込)
複数名
: 25,000円 (税別) / 27,500円 (税込)

複数名同時受講の割引特典について

  • 2名様以上でお申込みの場合、
    1名あたり 25,000円(税別) / 27,500円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 47,500円(税別) / 52,250円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 50,000円(税別) / 55,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 75,000円(税別) / 82,500円(税込)
  • 同一法人内 (グループ会社でも可) による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 請求書および領収書は1名様ごとに発行可能です。
    申込みフォームの通信欄に「請求書1名ごと発行」と記入ください。
  • 他の割引は併用できません。

アカデミー割引

教員、学生および医療従事者はアカデミー割引価格にて受講いただけます。

  • 1名様あたり 10,000円(税別) / 11,000円(税込)
  • 企業に属している方(出向または派遣の方も含む)は、対象外です。
  • お申込み者が大学所属名でも企業名義でお支払いの場合、対象外です。
本セミナーは終了いたしました。

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