メタ・サーフェスは、自然界には存在しない反射特性を持つ人工表面であり、その表面に入射した電磁波の反射位相および反射振幅を制御できる特徴を有している。本セミナーでは、メタ・サーフェスの基礎から応用まで連関をもって詳述する。
　本講演では、特に、周波数選択板を用いたメタ・サーフェスを取り上げ、光学近似理論を用いた簡易設計法を紹介するとともに、この簡易設計法を用いて、人工磁気導体の低姿勢設計、完全磁気導体特性や電波吸収特性を有するメタ・サーフェスの設計、また偏波変換や反射角制御の可能なメタ・サーフェスの設計について具体的に明らかにする。さらに、これらの技術をアンテナ・電波伝搬に適用した例について紹介するとともに、メタ・サーフェスに関する最新技術の動向を明らかにする。本講演で述べるメタ・サーフェス技術が、次世代ワイヤレスシステム実現のための基盤技術として、新たな応用面で更なる発展を遂げるきっかけとなることを期待する。

1. メタ・サーフェスの基礎知識
   1. メタ・サーフェスの基本構造
   2. メタ・サーフェスの反射特性
2. メタ・サーフェスの設計・解析手法
   1. メタ・サーフェスの設計手法
   2. メタ・サーフェスの解析手法
3. 周波数選択板を用いたメタ・サーフェスの簡易設計法
   1. 周波数選択板の空間フィルタ特性
   2. 光学近似理論を用いたメタ・サーフェスの簡易設計法
4. メタ・サーフェスの具体設計例
   1. 人工磁気導体の低姿勢設計
   2. 完全磁気導体特性を有するメタ・サーフェスの設計
   3. 電波吸収特性を有するメタ・サーフェスの設計
   4. 偏波変換の可能なメタ・サーフェスの設計
   5. 反射角制御の可能なメタ・サーフェスの設計
5. アンテナ・電波伝搬 (A・P) への適用例
   1. アンテナの反射板としての検討例
   2. モノスタティックRCS低減反射板としての検討例
   3. 伝搬環境改善のための反射板の検討例
6. メタ・サーフェスに関する最新の研究動向
• 質疑応答