技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

製造記録/SOP作成・レビューの見直し

これからのミス防止対策を考える

製造記録/SOP作成・レビューの見直し

~PMDA査察官の立場と品質トラブル事例の目線から~
東京都 開催 会場 開催

開催日

  • 2019年9月17日(火) 10時30分 16時30分

修得知識

  • サイトQAの役割・責任及び業務の重要性
  • PMDA査察官が書面調査する際の注目ポイント
  • 製造販売申請書に則ることの重要性
  • 製造販売業者と製造業者の責務
  • 作業者がミスを起こしにくい製造記録/SOP作成方法
  • ミスを起さないSOP、製造指図記録への反映
  • 過去のトラブル事例を知ることで、今後のミス防止に繋がる

プログラム

第1部 PMDA査察官から見た、QAによる製造記録/SOP等レビューの留意点

(2019年9月17日 10:30〜13:00)

 本講座はPMDA査察官の立場から、製造所のQA (ここではサイトQAと呼ぶ) の役割として大きな位置を占める製造指図記録書・SOP (試験検査記録書、出荷可否判定書) をレビューするにあたっての留意点を解説する。 2015年K社による血漿分画製剤の不正製造及び2017年Y社による原薬の無届。輸入品混入事件が発覚したことに伴い、PMDA等は無通告査察 (立入調査) の範囲を拡大して進めているところである。その要因となった製造販売申請書と製造記録書の齟齬/GMP文書 (SOP等) の管理について言及する。

  1. 本講座のねらい
    1. 製造所でのサイトQAの役割は?
    2. 製造所で齟齬を見つけたらどうするか?
    3. PMDA査察官は何を主眼として見るか?
  2. 不正製造の実態
    1. K社の事例 (血漿分画製剤/2015年)
    2. Y社の事例 (原薬/2017年)
  3. サイトQAの役割と重要性
    1. 製造販売申請書と製造SOP及び製造指図記録書の齟齬は?
    2. 製造SOPに従って製造行為を行っているか?
    3. 製造販売業者との連絡方法は?
    4. Quality Agreementの締結内容は?
  4. 製造指図記録書の発行と承認
    1. 承認体系と責任
  5. 製造記録書のレビューの留意点
    1. チェックリストの作成
    2. 逸脱管理と変更管理記録のレビュー
    3. その他 (IPC等) の記録のレビュー
  6. GMP文書の管理
    1. GMP文書の配布方法
    2. SOPの定期的見直し
    3. 旧文書の扱い
  7. PMDA査察官の書面調査のやり方と主眼点
  8. PMDA医薬品品質管理部の動向

第2部 過去のトラブル事例から見る製造記録/SOP作成の留意点

(2019年9月17日 13:45〜16:30)

 実際の医薬品製造所で起きた事例を取り上げ、その事例ではどこに問題があり、どうしていれば防ぐことができたか、今後同じ過ちを防ぐためにはどうしたら良いかを考えたい。過去のミスを十分反省し次に生かしておくと、ミスの70%を防ぐことができると言われている。医薬品製造のミスは共通していることが多い。自社が起きたことが対策が不十分だとまた繰り返す。他社で起きたミスはいつ自社に起きるかわからない。ミスが多い製造所はGMPの小事に囚われ、GMP3原則の大事を忘れていると言っても過言ではない。多くの事例から学ぶことを主眼としている。
 そしてミスを起こさないSOP、製造指図記録にどう反映するかについて紹介する。また、ラインで全数保証をするためのポイントについても紹介する。

  1. 医薬品製造所の品質トラブル
    1. ドリンク剤の使用期限と製造番号の捺印が逆になっている
    2. 原薬の中に,ガラス異物が何個か見つかった
    3. 注射剤のバイアル瓶の個装箱への包装時に他社製品のフリップキャップが見つかった
    4. 品質再評価の試験方法が,1/12個アウトにでている
      • 新規試験方法設定
      • 販売移管
      • 海外からの導入
    5. ロット番号の間違い QCもミス
    6. 計数管理の不備
      • アンプルとラベル
      • 包装委託先
    7. アンプルのラベル捺印無し
    8. ラボエラーによる製品回収 (抗生物質)
    9. ボトル容器の汚れ
    10. 箱のロット番号ミス (QCも気付かず)
    11. 個装箱の捺印なし
    12. 中国査察時に製造販売承認書に記載されていない原薬製造所で異物除去
      (製造販売承認書からの逸脱)
    13. 原薬の異物逸脱により、返品時の品質トラブル (中国)
    14. 海外製剤製造所の異物によるPV失敗によりGMP適合性調査不適合 (イタリア)
    15. アンプルの異種品コンタミ (フランス)
    16. OOSトラブルによる欠品 (イギリス)
  2. SOP違反 (犯罪行為)
    1. カラム理論段数
    2. 不溶性異物試験
    3. 生データの認識不足
    4. SOPの意図的な違反
  3. 作業者がミスを起こしにくいSOP/製造指図とは?
    1. 重要な項目はダブルチェック
    2. ダブルチェックする項目を明確にしサインをすることにより責任を明確にする。
    3. 記録は必ずダブルチェックする。
    4. 記録はその都度記入する。
    5. 計量などの重要な項目はプリントアウトさせる。 かつ記録のすぐ近くに貼付欄を設ける。
    6. 重要な項目はレ点ではなく記入させる。
    7. 表示物の計数管理は引き算をしない。
    8. ラベルなどは廃棄するものを台紙に貼付して後日問題があった時にトレースできるようにする。
    9. 現場の作業者に計算させるようなSOPにしない。
    10. 現場の計測器の単位とSOPの単位は一致させる。
    11. 現場の作業指示書/作業カードも文書管理を行う。
    12. 作業カード等に写真など視覚情報を掲載する。
  4. GMP基準への上乗せ基準 (製造で品質を造り込む)
    1. ラインで薬機法違反を造らない (フェール・セーフの考え)
    2. 表示資材はラインでバーコード管理 (異種品の全数保証)
    3. 金属は粉と成形で二度検査
    4. 直接薬剤に接する資材の異物対策
    5. 師過可能な原料は師過/ろ過する
    6. 外観のビデオ検査
    7. 異種品のラインでの検出
    8. テストサンプルの管理
  5. 製造でのミス防止まとめ
    1. 気になったことも含め報告すること
    2. SOPを守ること
    3. SOPを理解すること
    4. 記録すること
  6. 人が創る品質/Quality Culture
    1. 一人の若い女性の感性が工場を救う
    2. 感性が表示ミス製品回収を防ぐ
    3. 映画「大爆破」から 一人ひとりが品質保証担う
    4. 感性を高めるために
    5. Quality Culture
    • 質疑応答・名刺交換

講師

会場

品川区立総合区民会館 きゅりあん

5F 第2講習室

東京都 品川区 東大井5丁目18-1
品川区立総合区民会館 きゅりあんの地図

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 42,750円 (税別) / 46,170円 (税込)
複数名
: 22,500円 (税別) / 24,300円 (税込)

複数名同時受講の割引特典について

  • 2名様以上でお申込みの場合、
    1名あたり 22,500円(税別) / 24,300円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 42,750円(税別) / 46,170円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 45,000円(税別) / 48,600円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 67,500円(税別) / 72,900円(税込)
  • 受講者全員が会員登録をしていただいた場合に限ります。
  • 同一法人内(グループ会社でも可)による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 請求書および領収書は1名様ごとに発行可能です。
    申込みフォームの通信欄に「請求書1名ごと発行」と記入ください。
  • 他の割引は併用できません。
本セミナーは終了いたしました。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2025/2/10 再生医療等製品の商業生産に向けた技術移管、バリデーション オンライン
2025/2/10 製造管理/品質保証担当者の質を高めるための教育訓練 オンライン
2025/2/10 遺伝子治療用製品・細胞医薬品・ウイルスベクターコース (Cコース:製造技術・品質管理/品質審査編) オンライン
2025/2/10 希少疾患治療薬開発にむけた治療薬開発の最新戦略とアプローチ オンライン
2025/2/10 敗血症の病態/診断/治療の現状と医療現場が求める新薬像 オンライン
2025/2/12 改正GMPを踏まえた医薬品品質システム (PQS) 構築と品質照査の実務・統計的手法の活用 オンライン
2025/2/12 局方/GMPに対応する不純物の評価・管理及び原薬出発物質の選定/妥当性/CQA・CPP設定 オンライン
2025/2/12 QA担当者が抑えるべきGMP適合性調査対応と査察当局による指摘事例と対策 オンライン
2025/2/12 高薬理活性物質を扱うマルチパーパス設備での洗浄評価基準と洗浄管理の留意点 オンライン
2025/2/12 医療機器GCP入門 (解釈・運用・遵守) オンライン
2025/2/12 製薬業界で必要となる創薬企画の発想法とBeyond-the-pill/Around-the-Pillのトレンド オンライン
2025/2/12 特定臨床研究での求められる信頼性レベル・逸脱対応と監査実施 (事例をふまえ) オンライン
2025/2/13 ニトロソアミン原薬関連不純物 (NDSRI) に対する分析技術、試験法開発 オンライン
2025/2/14 試験検査室管理におけるGMP対応の重点チェックポイント オンライン
2025/2/14 医薬品凍結乾燥の条件設定、設備、バリデーション、スケールアップおよび失敗事例と対策 オンライン
2025/2/14 洗浄バリデーションにおけるリスク評価と残留許容値設定/運用 オンライン
2025/2/17 リスクベースのGCP監査 オンライン
2025/2/17 具体的データ事例を用いた安定性試験の統計解析と開発段階に応じた規格設定 オンライン
2025/2/17 遺伝子治療用製品・細胞医薬品・ウイルスベクターコース (Dコース:CMC申請・薬事デザイン編) オンライン
2025/2/17 遺伝子治療用製品・細胞医薬品・ウイルスベクターコース (Bコース:非臨床安全性評価・臨床開発編) オンライン

関連する出版物

発行年月
2011/7/10 抗癌剤 技術開発実態分析調査報告書
2011/7/5 分析機器やLIMSのバリデーションとER/ES指針
2011/7/1 コンピュータバリデーション実施の手引き
2011/6/29 3極申請対応をふまえた不純物の規格設定と不純物プロファイル管理
2011/5/26 厚生労働省ER/ES指針、21 CFR Part 11とコンピュータバリデーション (中級編)
2011/5/25 超入門 厚生労働省ER/ES指針、21 CFR Part 11とコンピュータバリデーション
2011/4/20 厚生労働省「コンピュータ化システム適正管理ガイドライン」対応実践講座
2011/1/28 3極GMP/局方における無菌性保証と査察対応
2011/1/25 供給者監査実施のノウハウと注意点
2010/12/1 「コンピュータ化システム適正管理ガイドライン」対応準備の手引き
2010/11/29 FDA Part11査察再開と欧州ANNEX11要求対応
2010/11/25 EDC適合性調査と医療機関事前対応
2010/8/20 3極GMP査察対応シリーズ
2010/5/27 CMCレギュレーションとドラッグマスターファイル(DMF)作成入門
2010/4/20 高血圧対応製品の研究開発動向と市場分析
2009/6/5 非GLP/GLP試験・医薬品製造の国内・海外委託と適合性調査対応
2009/2/23 社内監査の手引き
2009/2/10 臨床試験におけるEDCに関する信頼性調査への対応実践講座
2007/3/16 臨床開発におけるER/ESの活用とコンピュータシステムバリデーション実践書