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CFRPの界面設計とその制御

CFRPの界面設計とその制御

~界面破壊の要因と抑制、層間剪断強度測定~
東京都 開催 会場 開催

開催日

  • 2019年8月23日(金) 10時00分 17時00分

受講対象者

  • CFRP の応用製品に関連する技術者、開発者
    • 自動車
    • 航空機、ヘリコプター
    • 船舶
    • ロケット、航空宇宙機、人工衛星
    • 軍用機
    • リニアモーターカーの車体、内装
    • 太陽電池パネル
    • 風力発電
    • プラント
    • 機械部品
    • 電池部材
    • 電子電気部品
    • 医療機器
    • 住宅・土木・建築材料
    • スポーツ用品 (自転車、釣具、ゴルフ、ラケットなど)
  • CFRP により軽量化、高強度化、振動減衰、耐疲労などを求めている方
  • CFRP に関連する技術者

修得知識

  • 最近の研究動向
  • 界面接着力の評価手法
  • 新しい炭素繊維と樹脂間の界面接着力の改善 (処理) 手法
  • ナノ材料の複合化に関する知識
  • CFRPにおける界面の制御効果
  • 炭素繊維の構造、表面状態、炭素単繊維としての強度、炭素単繊維 – 樹脂の界面強度、複合材料としての剪断強度に関する評価手法および評価結果

プログラム

第1部 CFRPの界面設計

(2019年8月23日 10:00〜11:30)

 炭素繊維強化樹脂 (CFRP) において、炭素繊維 – 樹脂間の界面接着力は、その力学物性を左右する重要な因子である。近年では炭素繊維強化熱可塑性樹脂 (CFRTP) の開発が進められる中で、化学反応を伴わない成形工程中に炭素繊維 – 熱可塑性樹脂間で高い界面接着力を実現することは難しく、界面の重要性が再認識されつつある。本講座では、CFRPの最近の研究動向を紹介するとともに、CFRPにおける界面の考え方を解説する。また、界面接着の評価手法や最新の界面の制御手法についても紹介する。

  1. 炭素繊維・CFRPの基本
    1. 炭素繊維とCFRPの歴史
    2. 炭素繊維の強さの由来
    3. CFRPの考え方と界面の重要性
    4. 国内外で実施される関連研究開発動向
  2. 炭素繊維の表面処理の現状
    1. 炭素繊維への表面・サイジング処理の現状
    2. 界面の接着性評価
      1. フラグメンテーション法
      2. マイクロドロップ法
      3. 引抜試験
    3. 熱可塑性樹脂を母材とする難しさ
  3. CFRTP中における界面接着力の改善手法
    1. 新しい炭素繊維 – 樹脂界面接着力の改善手法
    2. CFRPのリサイクルと界面
    • 質疑応答

第2部 樹脂と炭素繊維間における界面破壊の機械工学から見た防止方法とじん性改善

(2019年8月23日 12:10〜13:40)

 炭素繊維強化プラスチックを含む繊維強化複合材料全般の中での界面破壊の位置づけや必要性、その発生理由などを紹介したうえで、界面破壊の発生を決める力学的指標として、界面強度と繊維強度とのいわゆる兼ね合いから決まる臨界繊維長を中心に紹介する。さらに亀裂の力学である破壊力学の視点から見た場合の界面破壊の考え方を中心に、その測定方法や簡単な範囲でのシミュレーション方法を紹介する。さらに界面破壊の力学的な防止方法の事例をいくつか紹介し、界面破壊の重要性を紹介する。
 繊維強化複合材料全般の中での界面破壊の重要性やその指標としての臨界繊維長、および界面破壊を界面での微細欠陥から進展する亀裂と考えた場合の破壊力学的な指標の使用方法などを修得して頂ける。

  1. 複合材料における内部損傷とは
    1. 複合材料の中で起きる最終破壊前に起きる3つの損傷形態
    2. その発生の有無と順位を決める力学的因子 (指標)
    3. 界面破壊が引き起こす連鎖現象
  2. 界面破壊の発生を決める力学的指標
    1. 臨界繊維長とは
    2. 臨界繊維長の視点から見た界面破壊の発生指標
    3. 臨界繊維長の測定方法の実例
  3. 亀裂の力学 (破壊力学) から見た界面破壊
    1. 界面の力学と破壊力学との関係
    2. 界面亀裂の亀裂モード
    3. 界面のじん性の指標値
    4. 界面のじん性の測定法方法
    5. 界面のじん性のシミュレーション方法 (概説)
  4. 界面破壊の力学的な防止方法の事例
    1. 界面剪断応力を低減する方法
    2. 界面近傍の力学場を変更する方法
    3. 界面破壊の抑制効果の実例 (衝撃荷重に対して)
    4. 界面破壊の抑制効果の実例 (繰り返し疲労荷重に対して)
    • 質疑応答

第3部 CFRPにおける炭素繊維 – 樹脂界面へのCNT添加効果

(2019年8月23日 13:50〜15:20)

 炭素系ナノ材料のCNTを用いて、CFRP内部の界面制御を行うことで、得られるCFRPの物性変化とその発現機構について解説する。

  1. カーボンナノチューブと「ナノ分散」
  2. CF表面へのCNT添加とCFRP成型
  3. CF – 樹脂界面へのCNT添加効果 (CFRP物性)
  4. 応力下におけるCFRP内の構造と物性発現機構
    • 質疑応答

第4部 炭素繊維の構造、表面状態と界面密着性の評価技術

(2019年8月23日 15:30〜17:00)

 炭素繊維強化プラスチックス (CFRP:carbon fiber reinforced plastics) は、優れた力学的性質 (比強度や比弾性) や熱的性質 (低熱ひずみ) を有し、航空宇宙産業をはじめとして多くの産業分野で使われ始めている。炭素繊維の構造、表面状態、炭素単繊維の強度、炭素単繊維 – 樹脂の界面の強さおよび複合材料としての層間剪断の強さを理解することはCFRPを製品に適用する上で非常に重要な基礎的な情報である。本節では市販炭素繊維の構造、表面状態の分析結果、炭素単繊維の強度、炭素単繊維 – 樹脂の界面強度、複合材料としての剪断強度に関する評価手法および評価結果について述べる。

  1. 炭素繊維
    1. 材料
    2. 構造観察
    3. 表面分析
  2. 炭素単繊維の力学特性評価
    1. 引張試験
    2. 曲げ試験
  3. 炭素単繊維と樹脂の界面強度特性評価
    1. マイクロボンド (マイクロドロップレット) 試験
    2. 炭素繊維とポリイミド樹脂の界面強度試験
    3. 炭素繊維とエポキシ樹脂の界面強度試験
  4. 炭素繊維強化樹脂複合材料としての剪断強度特性評価
    1. 剪断強度測定について
    2. 繊維束複合材料を用いた剪断試験
    3. 繊維束複合材料を用いた剪断強度測定
    • 質疑応答

講師

  • 入澤 寿平
    岐阜大学 工学部 化学・生命工学科 物質化学コース
    准教授
  • 大窪 和也
    同志社大学 理工学部 機械理工学科
    教授
  • 小向 拓治
    ニッタ株式会社 テクニカルセンター 開発研究グループ
    担当課長
  • 内藤 公喜
    国立研究開発法人 物質・材料研究機構 高分子系ハイブリッド複合材料グループ
    グループリーダー

会場

株式会社 技術情報協会
東京都 品川区 西五反田2-29-5 日幸五反田ビル8F
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主催

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お問い合わせ

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受講料

1名様
: 60,000円 (税別) / 64,800円 (税込)
複数名
: 55,000円 (税別) / 59,400円 (税込)

複数名同時受講割引について

  • 2名様以上でお申込みの場合、
    1名あたり 55,000円(税別) / 59,400円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 60,000円(税別) / 64,800円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 110,000円(税別) / 118,800円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 165,000円(税別) / 178,200円(税込)
  • 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 他の割引は併用できません。
本セミナーは終了いたしました。

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