技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

高分子の劣化・変色メカニズムと要因解析

高分子の劣化・変色メカニズムと要因解析

~劣化防止・安定化手法、添加剤の選択・使用方法、分析・解析法、事例など~
東京都 開催 会場 開催

概要

本セミナーでは、高分子材料の劣化について基礎から解説いたします。
高分子の熱・光劣化のメカニズム、添加剤による劣化・変色対策、さらに添加剤の分析法・劣化解析法について実例を交えて解説いたします。

開催日

  • 2019年5月23日(木) 10時30分 15時30分

修得知識

  • 高分子の劣化メカニズム
  • 高分子の安定化技術
  • 高分子劣化の解析手法
  • 高分子製品のトラブルシューティング
  • ポリマーの自動酸化反応のメカニズム
  • ポリマーの適切な安定化処方
  • 高分子添加剤の分析法
  • 高分子添加剤の劣化解析法

プログラム

第1部. 高分子の劣化・変色メカニズムと対策技術、評価方法

(2019年05月23日 10:30〜12:00)

 高分子材料は、長期間使用しているうちに、様々な要因により徐々に本来の特性を失い実用に耐えなくなります。
 本セミナーでは、高分子材料の耐久性と寿命制御に関する理解を深めていただくために、劣化反応のメカニズムと劣化防止・安定化の手法および、劣化反応に伴って現れる化学構造変化と諸物性の変化を説明します。特に、高分子の熱・熱酸化劣化および光劣化のメカニズムを分かりやすく説明した後に、安定化対策について解説します。さらに、ケーススタディを通して、高分子の劣化挙動を解析する手法を紹介します。

  1. はじめに
    1. 高分子材料が関わる経年劣化事故
    2. 高分子の劣化現象と劣化要因
  2. 高分子の熱・熱酸化劣化とその安定化
    1. 高分子の熱劣化メカニズム
    2. 高分子の熱酸化劣化メカニズム
    3. 高分子の自動酸化と安定化
  3. 高分子の光劣化とその安定化
    1. 光化学の基礎
    2. 高分子の光劣化メカニズム
    3. 光劣化の支配因子
    4. 紫外線吸収材 (UVA)
    5. ヒンダードアミン系光安定剤 (HALS)
  4. ケーススタディ
    1. SANの熱黄変化 – IRによる解析
    2. PCの光黄変化 – 深さ方向分析
    3. PSFの光劣化 – ケイ光・リン光測定による解析
    4. ジュート/PP複合材料の熱・光劣化 – 成分分離による検討

第2部. 酸化防止剤、安定剤などの処方によるプラスチック製品の劣化・変色対策

(2019年05月23日 12:40〜14:10)

 自動車のバンパーや内装材、テレビ、食品用容器・包装材料、生活資材・工業用資材等多くのプラスチック材料には多種類のプラスチック用添加剤が少量ずつ配合されている。中でも、酸化防止剤/光安定剤は熱や光による酸化劣化抑制に効果的であり、長寿命化や高機能化に大きく貢献している。一方で、酸化防止剤/光安定剤の種類・添加量を誤るとブリードアウトによる外観不良や変色を引き起こす可能性がある。
 本講演では、ポリオレフィンを中心としたプラスチックの劣化機構について説明するとともに、酸化防止剤/光安定剤を紹介しながらその適切な選択・使用方法について解説する。加えて、その他添加剤 (剛性核剤/透明化剤や銅害防止剤等) について紹介する。

  1. 添加剤とは
    • プラスチック製品の抱える課題
    • プラスチック用添加剤の種類
  2. 酸化防止剤の種類と有効な使用方法
    • フェノール系酸化防止剤
    • リン系酸化防止剤
    • チオエーテル系酸化防止剤
  3. 光安定剤の種類と有効な使用方法
    • HALS (ヒンダードアミン系光安定剤)
    • UVA (紫外線吸収剤)
  4. その他添加剤の紹介
    • 剛性核剤/透明化剤 (成形サイクルの短縮)
    • 銅害防止剤
  5. 各種添加剤の併用
    • 添加剤の選び方
    • 実用配合処方の紹介

第3部. 高分子材料における有機系添加剤の分析と劣化解析事例

(2019年05月23日 14:30〜15:30)

 高分子材料への添加剤の配合は、安定性向上、機能性付与のため必須となっている。高分子材料へ配合された添加剤を分析することで、樹脂物性や性能への影響予測が可能となる。更に、配合の妥当性を評価することで、製品開発や品質管理の一手段となりうる。
 本講演では、高分子添加剤の分析法および劣化解析法について、実例を交えて紹介する。

  1. 高分子添加剤分析の意義
  2. プラスチック添加剤の分析法
    1. ポリマーから添加剤を分離する方法
    2. ポリマーから添加剤を分離しない方法
    3. ポリプロピレン中の添加剤分析事例
    4. トリアセチルセルロース中の添加剤分析事例
  3. ゴム添加剤の分析法
    1. ゴム添加剤分析の特徴と難点
    2. 前処理法
    3. エチレンプロピレンジエンゴム中の添加剤分析事例
  4. 添加剤に起因する高分子の劣化解析法
    1. 高分子の着色・変色原因
    2. ポリプロピレンのLC/FT – MSを用いた黄変解析事例
    3. ポリプロピレンのTLC、UV、MS、NMRを用いた黄変解析事例
  5. まとめ

会場

江東区役所 商工情報センター (カメリアプラザ)

9F 第2研修室

東京都 江東区 亀戸2-19-1
江東区役所 商工情報センター (カメリアプラザ)の地図

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 46,278円 (税別) / 49,980円 (税込)

案内割引・複数名同時申込割引について

R&D支援センターからの案内登録をご希望の方は、割引特典を受けられます。
案内および割引をご希望される方は、お申込みの際、「案内の希望 (割引適用)」の欄から案内方法をご選択ください。
複数名で同時に申込いただいた場合、1名様につき 23,139円(税別) / 24,990円(税込) で受講いただけます。

  • R&D支援センターからの案内を希望する方
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 43,750円(税別) / 47,250円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 46,278円(税別) / 49,980円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 69,417円(税別) / 74,970円(税込)
  • R&D支援センターからの案内を希望しない方
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 46,278円(税別) / 49,980円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 92,556円(税別) / 99,960円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 138,833円(税別) / 149,940円(税込)
本セミナーは終了いたしました。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2024/10/28 ゴム・プラスチック材料の破損、破壊原因とその解析法 東京都 会場
2024/10/28 ウレタン材料の基礎と構造分析 東京都 会場
2024/10/28 結晶性高分子の構造解析手法 オンライン
2024/10/29 高速通信用低誘電損失 (低誘電率・低誘電正接) ポリイミド開発に向けた分子設計と特性制御 オンライン
2024/10/29 プラスチックの破壊メカニズムと材料の強度設計 オンライン
2024/10/29 高分子・樹脂・フィルムにおける延伸配向、結晶化挙動および屈折率・複屈折の考え方とその測定方法 オンライン
2024/10/29 高分子技術者のためのレオロジー入門 東京都 オンライン
2024/10/29 加速する国内外のプラスチック規制の動向とリサイクルの最新事情 オンライン
2024/10/29 UV硬化の基礎と硬化不良対策および影部の硬化 東京都 会場
2024/10/30 プラスチック金型設計・加工技術の基礎から実践的応用 オンライン
2024/10/30 ヒートシールの基礎、接合のメカニズムと品質管理・不具合対策 オンライン
2024/10/30 天然植物繊維を強化材とする複合材料の基礎と応用 東京都 会場
2024/10/30 無機ナノフィラーのポリマーへの分散・複合化技術 オンライン
2024/10/31 プラスチック成形品、フィルムにおける残留応力・歪み発生メカニズムとアニール処理による対策 オンライン
2024/10/31 樹脂部品開発のためのCAE (Computer Aided Engineering) オンライン
2024/10/31 リグニンの構造・特性と産業利用の可能性 オンライン
2024/11/1 ゴム材料のトライボロジーと摩擦、摩耗の制御技術 オンライン
2024/11/1 結晶性高分子の構造解析手法 オンライン
2024/11/5 世界のプラスチック産業・最新加工技術・関連法規制を俯瞰したバイオプラスチック活用戦略 オンライン
2024/11/5 リビング重合の基礎知識とリビングラジカル重合の応用技術 オンライン

関連する出版物

発行年月
2024/7/29 サステナブルなプラスチックの技術と展望
2024/7/22 世界のレトルトフィルム・レトルトパウチの実態と将来展望 2024-2026 (書籍版 + CD版)
2024/7/22 世界のレトルトフィルム・レトルトパウチの実態と将来展望 2024-2026
2024/7/17 世界のリサイクルPET 最新業界レポート
2024/6/28 ハイドロゲルの特性と作製および医療材料への応用
2024/5/30 PETボトルの最新リサイクル技術動向
2024/2/29 プラスチックのリサイクルと再生材の改質技術
2023/10/31 エポキシ樹脂の配合設計と高機能化
2023/7/31 熱可塑性エラストマーの特性と選定技術
2023/7/14 リサイクル材・バイオマス複合プラスチックの技術と仕組
2023/3/31 バイオマス材料の開発と応用
2023/1/31 液晶ポリマー (LCP) の物性と成形技術および高性能化
2023/1/6 バイオプラスチックの高機能化
2022/10/5 世界のプラスチックリサイクル 最新業界レポート
2022/8/31 ポリイミドの高機能設計と応用技術
2022/5/31 樹脂/フィラー複合材料の界面制御と評価
2022/5/31 自動車マルチマテリアルに向けた樹脂複合材料の開発
2022/5/30 世界のバイオプラスチック・微生物ポリマー 最新業界レポート
2021/12/24 動的粘弾性測定とそのデータ解釈事例
2021/7/30 水と機能性ポリマーに関する材料設計、最新応用