技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

高分子の耐久性向上、劣化度評価、寿命予測

高分子の耐久性向上、劣化度評価、寿命予測

~高分子材料・製品の長持ち化の科学と技術~
東京都 開催 会場 開催

概要

本セミナーでは、高分子材料・製品の長持ち化のための必須知識から解説し、高分子に対する各種劣化要因、各種劣化度評価法について耐久性能との関係を解説いたします。

開催日

  • 2018年12月20日(木) 13時00分 16時30分

受講対象者

  • ゴム・プラスチック製品の研究開発、設計、成形、生産管理、生産技術、品質管理、技術営業に携わる方

修得知識

  • 高分子製品の各種劣化要因とその作用の科学
  • 耐久性、および劣化度の評価法とその原理
  • 高分子製品の寿命予測法
  • 高分子に添加される安定剤の種類、その作用と効果
  • ポリオレフィンの結晶構造、タイ分子の基礎
  • ポリオレフィンの機械的強度・耐久性能とタイ分子との関係
  • 各種インフラ設備に使用されている高分子製品の長寿命化のための分子設計
  • 高分子の極初期の劣化を捉えるケミルミネッセンスの基礎と応用事例

プログラム

 高分子材料・製品の長持ち化を科学的に追求することは、製品信頼性、資源問題、環境問題、等の観点から非常に重要である。これらの課題について、高分子製品の劣化度や寿命をなるべく迅速に、的確に判定し、耐久性能を判断することが求められている。セミナーでは高分子に対する各種劣化要因を挙げ、要因ごとにその作用について概説するとともに、各種劣化度評価法について具体例を挙げながら、耐久性能との関係を説明する。
 一方、ポリオレフィンの世界でも、その高性能化のための分子設計は重要であるが、汎用品の高強度化のみならず、パイプや大型タンク用などの高性能品の長期機械的耐久性向上のために、力学強度と関係の深いタイ分子を増やすために、材料の設計段階からどのような工夫がなされ、製造されているかについても解説する。
 また極初期の劣化を高感度に捉える方法として注目され、本年JIS化された化学発光法 (ケミルミネッセンス) についても、本手法の基本原理と解析法について説明し、高分子の熱酸化、光劣化、機械的劣化、電気劣化などへの応用事例を挙げる。

  1. 高分子製品の長持ち化の意義 (基本的考え方)
  2. 高分子製品の劣化度評価
    1. 高分子のライフステージの科学
      1. ライフサイクルと劣化因子
      2. プロセス安定性とサービス安定性
    2. 高分子の劣化要因;
      1. 熱機械的劣化 (溶融状態での剪断力等)
      2. 熱酸化劣化 (自動酸化と劣化)
      3. 光劣化 (波長と劣化)
      4. 機械的劣化
        • 延伸
        • 振動
        • 剪断 等
      5. 電気劣化 (電界と構造変化)
    3. 各種耐久性試験法
      1. 耐熱性試験
      2. 耐候 (光) 性試験
      3. その他
    4. 高分子の劣化度評価法
      1. 機械的性質の変化
      2. 分子構造の変化
    5. 高分子の寿命予測
      1. アーレニウスプロットからの予測
    6. 添加剤処方と耐久性
      1. 安定剤の種類と作用
  3. 高分子材料の機械的性能 (衝撃強度、長期耐久性 等) 向上の分子設計
    1. ポリオレフィンの発見から現在までの技術的発展の歴史
      1. 発見のセレンディピティ
      2. 製造法の発展
    2. ポリオレフィンの結晶・非晶構造について
      1. 高分子説からラメラ晶まで
      2. ラメラ晶とタイ分子
    3. タイ分子の統計的取り扱い、熱力学的取り扱い
    4. 機械的強度とタイ分子の働き
    5. LLDPEの高強度化への分子設計
    6. インフラ製品用HDPEの高性能化の分子設計と製造法
      1. タイ分子の観点からの高性能化の分子設計
      2. 高性能品の製造法
  4. 高分子の劣化評価法としての化学発光法 (ケミルミネッセンス)
    1. 化学発光の原
    2. 医学生理学分野、食品分野等への応用例
    3. 高分子分野での化学発光の歴史
      1. 文献にみる化学発光研究の変遷
      2. 高分子の化学発光の測定対象、手法の歴史
    4. 熱酸化劣化と化学発光
      1. 自動酸化反応と化学発光
      2. 酸化反応と化学発光パラメーターの利用
    5. 光劣化と化学発光
    6. 機械的劣化と化学発光
      1. 熱機械劣化 (加工時の押出し、等) と化学発光
      2. 固体状態での応力と化学発光
    7. 電気劣化と化学発光
      1. 高電圧印加時のエレクトロルミネッセンス (EL)
      2. 低圧DC印加時の発光
    8. 測定技術の進歩
      1. 発光の画像化
      2. 発光スペクトル
      3. その他
    • 質疑応答

講師

会場

品川区立総合区民会館 きゅりあん

5階 第1講習室

東京都 品川区 東大井5丁目18-1
品川区立総合区民会館 きゅりあんの地図

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 38,000円 (税別) / 41,040円 (税込)
複数名
: 20,000円 (税別) / 21,600円 (税込)

複数名同時受講の割引特典について

  • 2名様以上でお申込みの場合、
    1名あたり 20,000円(税別) / 21,600円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 38,000円(税別) / 41,040円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 40,000円(税別) / 43,200円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 60,000円(税別) / 64,800円(税込)
  • 受講者全員が会員登録をしていただいた場合に限ります。
  • 同一法人内(グループ会社でも可)による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 請求書および領収書は1名様ごとに発行可能です。
    申込みフォームの通信欄に「請求書1名ごと発行」と記入ください。
  • 他の割引は併用できません。
本セミナーは終了いたしました。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2025/1/6 チクソ性の基礎、制御、測定・評価と実用系への活用方法 オンライン
2025/1/7 高感度化フォトレジスト材料の合成・設計・開発技術 オンライン
2025/1/8 高分子・ポリマー材料の合成、重合反応の基礎、プロセスと工業化・実用化の総合知識 オンライン
2025/1/10 欧州連合 (EU) の食品包装規制と安全問題の最新動向 オンライン
2025/1/15 高分子の劣化・変色メカニズムと対策技術、評価方法 オンライン
2025/1/15 高分子重合反応の基礎とモノマー・開始剤の選定、プロセス最適化 オンライン
2025/1/15 分子シミュレーションによる高分子材料の内部構造と破壊メカニズムの解析 オンライン
2025/1/16 プラスチック・樹脂における耐衝撃性向上技術と衝撃特性解析 オンライン
2025/1/17 高分子の結晶化メカニズムと解析ノウハウ オンライン
2025/1/20 「ポリプロピレン」の材料としての基本的な構造、特性、その応用 オンライン
2025/1/20 化学反応型樹脂の硬化率・硬化挙動の測定・評価法 オンライン
2025/1/20 プラスチックのリサイクル促進に向けた材料設計・成形加工の技術と知識 オンライン
2025/1/21 UV硬化の基礎と硬化不良対策および影部の硬化 東京都 会場
2025/1/21 ポリフェニレンサルファイド (PPS) 樹脂の基本特性と製造・加工技術および高機能化 オンライン
2025/1/21 分子シミュレーションによる高分子材料の内部構造と破壊メカニズムの解析 オンライン
2025/1/21 高分子材料における結晶化・ガラス転移の基礎と評価 オンライン
2025/1/21 ポリウレタン樹脂原料の基礎と最新動向 オンライン
2025/1/22 欧州連合 (EU) の食品包装規制と安全問題の最新動向 オンライン
2025/1/24 プラスチック射出成形過程の可視化とソリ変形予測技術 オンライン
2025/1/24 材料開発にレオロジーを活用するための考え方と実践 オンライン

関連する出版物

発行年月
2024/7/29 サステナブルなプラスチックの技術と展望
2024/7/22 世界のレトルトフィルム・レトルトパウチの実態と将来展望 2024-2026 (書籍版 + CD版)
2024/7/22 世界のレトルトフィルム・レトルトパウチの実態と将来展望 2024-2026
2024/7/17 世界のリサイクルPET 最新業界レポート
2024/6/28 ハイドロゲルの特性と作製および医療材料への応用
2024/5/30 PETボトルの最新リサイクル技術動向
2024/2/29 プラスチックのリサイクルと再生材の改質技術
2023/10/31 エポキシ樹脂の配合設計と高機能化
2023/7/31 熱可塑性エラストマーの特性と選定技術
2023/7/14 リサイクル材・バイオマス複合プラスチックの技術と仕組
2023/6/30 加速試験の実施とモデルを活用した製品寿命予測
2023/3/31 バイオマス材料の開発と応用
2023/1/31 液晶ポリマー (LCP) の物性と成形技術および高性能化
2023/1/6 バイオプラスチックの高機能化
2022/10/5 世界のプラスチックリサイクル 最新業界レポート
2022/8/31 ポリイミドの高機能設計と応用技術
2022/5/31 樹脂/フィラー複合材料の界面制御と評価
2022/5/31 自動車マルチマテリアルに向けた樹脂複合材料の開発
2022/5/30 世界のバイオプラスチック・微生物ポリマー 最新業界レポート
2021/12/24 動的粘弾性測定とそのデータ解釈事例