技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー
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本セミナーでは、高分子やゴムの設計、粘接着界面、構造解析など、様々な場面でのシミュレーションの適用事例を詳解いたします。
- 基礎理論とノウハウ –
(2018年10月24日 10:00〜11:30)
自然界における様々な物理・化学現象を解明するための数値シミュレーション手法の一つに、分子動力学 (MD) シミュレーションがあります。この手法は、原子・分子レベルから物質の性質を予測することが可能なシミュレーション手法であり、近年は学術分野に加え、幅広い産業分野で重要な開発ツールとして位置付けられています。
本講義では、MDシミュレーションの基礎として、数値計算アルゴリズムや原子間相互作用 (力場) 、さらには統計力学とMDシミュレーションの関係を解説し、更に時間が許せば、温度・圧力制御可能なMD手法などの話題を紹介する予定です。
(2018年10月24日 12:10〜13:40)
タイヤの主材料であるフィラー充填ゴムは、主に高分子材料のゴムとカーボンブラックやシリカ等の充填剤で構成される複合材料です。このフィラー充填ゴムには、マリンス効果と呼ばれるひずみ履歴依存性が広く知られており、これまで多くの研究対象になってきました。タイヤは繰り返し変形するため、材料開発においてはこのひずみ履歴依存性のメカニズムを解明し制御することが求められます。
我々は、分子動力学を用いて繰り返し伸張変形下でのフィラー充填ゴムの力学応答を再現しました。変形途中での分子鎖の運動やフィラーモルフォロジーの変化を解析することで得られた分子動力学の観点からのフィラー充填ゴムの力学特性の発現メカニズムを紹介します。
(2018年10月24日 13:50〜15:20)
高分子が持つ”からみつき”は、エントロピー弾性の元であり、高分子特有な現象を引き起こす。連続体近似を行う構成方程式では、からみつきは再現できないと考えられる。一方、分子動力学法はからみつきに起因する現象を再現できることが確認されている。しかし、マクロスケールへの展開が容易ではない。そこで、くりこみ群を分子動力学法へ適用することにより、分子動力学法の利点を全て保持した上で、マクロスケールの分子動力学計算が可能となる。これがくりこみ群分子動力学法である。再現が不可能と信じられていたバラス効果やワイゼンベルグ効果が再現された。
本講座では、くりこみ群の考え方と高分子への適用方法について解説を行う。また、バラス効果の再現動画と重合度依存性について調べた結果を報告する。
(2018年10月24日 15:30〜17:00)
分子レベルの構造と物性の関わりを知ることは、産業界における高分子系製品開発上しばしば要求される。このような課題に対して、分子シミュレーションは有用な知見を与えてくれる。
本講座では、高分子系製品開発をターゲットとした量子化学計算、スーパーコンピュータによる大規模分子動力学法の応用事例を紹介し、企業における分子シミュレーションの使いこなしについて言及する。
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