技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

UV硬化技術による影の部分の硬化技術

UV硬化技術による影の部分の硬化技術

~フィラー・顔料含有材料 / 黒色材料 / 厚膜材料~
東京都 開催 会場 開催

概要

本セミナーでは、UV硬化樹脂の深部、暗部など「光が届きにくい」部分の硬化方法を解説いたします。

開催日

  • 2018年8月20日(月) 10時00分 17時00分

修得知識

  • UV硬化の基礎
    • ラジカル重合
    • カチオン重合
    • アニオン重合の機構
    • 光開始剤の構造と特性
  • エン/チオールUV硬化系の特徴 (O2阻害フリー、高感度、高接着)
  • 光塩基発生剤とUVアニオン硬化の基礎
  • 樹脂に適した光塩基発生剤の選定方法
  • 光塩基発生剤が活かせる硬化系、製品分野
  • 光開始剤の光反応の増幅
  • 光の照射できない影部を硬化させる方法
  • 黒色に着色した接着剤を光硬化させる方法

プログラム

第1部 UV硬化樹脂を有効に活用する技術:硬化阻害と硬化収縮対策

(2018年8月20日 10:00〜11:30)

  1. UV硬化の原理と特徴
    • 表面加工技術としての特長と欠点
  2. 光源および開始剤の選択
    1. 光の特長の理解
    2. 高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、およびUV-LED (発光ダイオード) の特長と選択法
    3. 開始剤の選択 : 光源とのマッチング
  3. フォーミュレーションの選択
    • UV硬化の機構および硬化物の物性の観点から見たフォーミュレーションについて:
      • オリゴマーおよびモノマーの選択
      • 構造と硬化物物性
        • 軟らかい硬化物
        • 固い硬化物
      • 硬化速度など
  4. 開始剤の選択 : 光源の波長を生かした開始剤の選択
    • クリヤーハードコート
    • 着色物の硬化
    • 耐候性を求められる硬化物など
  5. 硬化不良
    1. 酸素硬化阻害とその対策
      • 光強度
      • 開始剤濃度
      • 官能基濃度
      • 添加剤
        • アミン
        • チオール
        • シランなど
    2. 硬化収縮とその対策
      • アクリル当量
      • オリゴマー
      • ハイパーブランチポリマー
    3. 黄変と対策
      • 開始剤
      • モノマー
      • オリゴマー
      • 重合禁止剤
      • 添加物など
  6. 最近の話題
    • UV-LEDおよびDual 硬化の現状と展望
    • 質疑応答

第2部 エン/チオール系硬化技術と深部硬化性の向上

(2018年8月20日 12:10〜13:40)

 UV硬化の主流であるアクリレート化合物を使用した系では見られないエン/チオール硬化独特の特徴を理解していただき、皆様のヒントになれば幸いです。

  1. 光硬化型材料の基礎
    1. 光硬化反応の概要と分類
    2. エン/チオール硬化の反応経路
  2. O2阻害フリー
    1. エン/チオール反応導入による表面硬化性の向上
    2. FT – IRによる二重結合転化率測定
  3. UV影部分での硬化挙動
    1. フィラー径とUV波の関係
    2. フィラー含有塗膜での深部硬化性
    3. 影部分での挙動
  4. 基材への接着
    1. 塗膜の硬化収縮
    2. 剥離試験
    3. 粘弾性測定
  5. 耐衝撃性
    1. 衝撃試験
  6. 硬化物の均一構造
    1. 光学的な均一性
    2. 硬化物の動的粘弾性特性
    • 質疑応答

第3部 光塩基発生剤を応用した影部分のUVアニオン硬化

(2018年8月20日 13:50〜15:20)

 光塩基発生剤を用いたUVアニオン硬化系は、従来の光ラジカル発生剤や光酸発生剤を用いたUV硬化系に見られない優れた特徴を有しており近年注目を集めている。塩基は、強酸のように金属腐食を起こさないため金属材料周辺に使用可能であり、塩基でしか促進できない反応系が数多く存在する。塩基を用いたアニオン重合は、活性種の失活が起こりにくいため、UV照射後にも反応を促進できる。この性質を応用して、暗部硬化が可能なUV後硬化接着剤やフィラーが 高充填され深部にUVが届きにくい樹脂硬化物を作製できる。
 本講座では、実際の硬化例を示しながら、他の光開始剤とは異なった光塩基発生剤の特徴、および製品への応用について紹介する。

  1. 光塩基発生剤とアニオン硬化
    1. 光塩基発生剤とは?
    2. UVアニオン硬化の特徴
    3. 塩基を使用した重合系
    4. 光塩基発生剤の活かせる分野
    5. 強塩基 アルキルビグアニド
  2. UVアニオン硬化
    1. シラノール系
    2. エポキシ系
    3. イソシアネート系
  3. 影部硬化の応用事例
    1. UV後硬化接着剤
    2. フィラーが高充填されたUV硬化系
    3. その他のトピックス
    • 質疑応答

第4部 UV硬化型接着剤の暗部硬化への応用

(2018年8月20日 15:30〜17:00)

 光硬化型接着剤において、光の照射できない影部を硬化させるためには、光硬化とは別に硬化機構を接着剤にもたせることが一般的で、その方法の中いくつかを実際の製品例とともに紹介する。また、黒色着色も同様に光が届かないために硬化させることが困難であるが、光の照射のみで硬化させることができる方法について実際の製品例ともに紹介する。

  1. 光硬化型接着剤の影部硬化方法の概要
    1. 光硬化+湿気硬化 (アクリル+ イソシアネート)
    2. 光硬化+湿気硬化 (アクリル+アルコキシシラン)
    3. 光アニオン重合を用いた影部硬化方法
    4. 光スイッチ
    5. 光瞬間接着剤
  2. 光照射のみで黒色着色樹脂を硬化させる方法
  3. 1mm以上の厚膜と遮光性の両立
    • 質疑応答

講師

  • 角岡 正弘
    大阪府立大学
    名誉教授
  • 川崎 徳明
    堺化学工業 株式会社 経営戦略部
  • 酒井 信彦
    富士フイルム和光純薬株式会社 試薬化成品事業部 機能性材料研究所
    主任
  • 大槻 直也
    株式会社スリーボンド 研究開発本部 技術マーケティング部 技術開発課
    課長

会場

株式会社 技術情報協会
東京都 品川区 西五反田2-29-5 日幸五反田ビル8F
株式会社 技術情報協会の地図

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 60,000円 (税別) / 64,800円 (税込)
複数名
: 55,000円 (税別) / 59,400円 (税込)

複数名同時受講割引について

  • 2名様以上でお申込みの場合、
    1名あたり 55,000円(税別) / 59,400円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 60,000円(税別) / 64,800円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 110,000円(税別) / 118,800円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 165,000円(税別) / 178,200円(税込)
  • 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 他の割引は併用できません。
本セミナーは終了いたしました。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2024/4/8 生分解性マイクロカプセルの材料設計、用途展開、今後の展望 オンライン
2024/4/8 プラスチック強度設計の基礎知識 オンライン
2024/4/9 エポキシ樹脂の分子構造・硬化性および耐熱性とその他の機能性付与技術 オンライン
2024/4/9 架橋ポリオレフィンのマテリアルリサイクル技術の最先端 オンライン
2024/4/10 高分子の結晶化メカニズムと解析ノウハウ オンライン
2024/4/10 押出加工技術の基本技術とトラブル対策 オンライン
2024/4/10 ポリイミドの基礎とポリイミド系材料の低誘電率化・低誘電正接化 オンライン
2024/4/11 粘度の基礎と実用的粘度測定における留意点と結果の解釈 オンライン
2024/4/12 動的粘弾性のチャート読み方とその活用ノウハウ オンライン
2024/4/12 ラジカル重合の重合反応と開始剤の種類・選び方、応用 オンライン
2024/4/12 光学樹脂における屈折率・複屈折の考え方とその測定・制御 オンライン
2024/4/12 プラスチックの難燃化技術 オンライン
2024/4/12 プラスチックの難燃化技術の基礎と技術動向 オンライン
2024/4/18 エポキシ樹脂の基礎と硬化剤の選定、変性・配合改質および複合材料用途の動向 オンライン
2024/4/18 静的・動的光散乱法を中心とした粒径計測の基礎と応用 オンライン
2024/4/18 ディジタルホログラフィによる産業応用計測 オンライン
2024/4/19 生分解性プラスチックの基礎・最新動向と食品容器・包装への応用展開 オンライン
2024/4/19 副資材を利用した高分子材料の設計技術 オンライン
2024/4/19 高分子合成におけるラジカル重合の基礎講座 オンライン
2024/4/19 プラスチック光学素子の基礎、超高精度加工技術 オンライン