技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

ポリプロピレンの物性・耐久性・接着性コントロール

ポリプロピレンの物性・耐久性・接着性コントロール

東京都 開催 会場 開催

開催日

  • 2017年3月31日(金) 10時00分 17時00分

修得知識

  • 分子構造や分子量と物性・寿命との関連性
  • 各種添加剤の選び方と使い方のポイント
  • 密着性向上のための処方とその寿命
  • 自動車、家電、医療器具などの要求特性への対応法

プログラム

第1部 ポリプロピレンの概要 ~構造、性能、応用など~

(2017年3月31日 10:00〜11:30)

 ポリプロピレンは、身の回りで多く使われている汎用樹脂の一つです。その理由として、成形加工しやすい、コストパフォーマンスに優れる、性能をカスタマイズできる等があげられます。
 この講座では、種々の素材の中で、ポリプロピレンの持つ特徴を説明します。その特徴を生かすためには、適切な銘柄を調達し、最適な加工を施す必要があります。
 非常に幅広い知識の中で、特に基礎的な技術に焦点を絞って解説します。実務でポリプロピレンを扱っていて、基本を勉強したい人を対象としています。

  1. ポリプロピレンの位置づけ
    1. ポリプロピレンの市場
    2. ポリプロピレンの歴史
    3. 他素材と対比した特徴
      1. 金属、セラミックスとの比較
      2. エンプラ、エラストマーとの比較
  2. ポリプロピレンの基本構造
    1. 分子構造
    2. 製造方法
    3. 触媒技術
    4. 構造と物性との関係
  3. ポリプロピレンの実用性能
    1. ポリプロピレンの耐久性
    2. 添加剤の必要性
    3. フィラー充填、繊維強化、タフニング
  4. ポリプロピレンの用途と性能
    1. 用途と成形加工法
    2. ポリプロピレンの成形性
    3. 成形加工による構造制御
  5. 今後の動向
    1. グローバルな視点
    2. 技術的な視点
    • 質疑応答

第2部 ポリプロピレンの耐久性向上、 実践的な課題と対策

(2017年3月31日 11:40〜13:10)

 近年、低温・塗布プロセスで製造可能なペロブスカイト太陽電池において20%程度の変換効率が報告されたことから大きな注目が集まっている。
 本講演では、低温プロセスで作製可能なペロブスカイト太陽電池の高効率化と耐久性向上について、材料やデバイス開発動向を紹介し、今後の展望を述べる。

  1. ポリプロピレンの劣化現象
  2. 添加剤技術
    1. 機能剤と安定剤
    2. 添加剤の必須性と安全性
  3. 製品使用から見た添加剤起因の問題と対策
    1. 成形加工時の問題と対策
      • 焼け、揮発分起因他
    2. 製品使用時の劣化起因の問題
      • 屋内耐久製品の問題と留意点
      • 屋外耐久製品の問題と留意点
  4. 添加剤技術への期待
    • 質疑応答

第3部 ポリプロピレンの劣化機構と添加剤による 安定化・機能化のアプローチ

(2017年3月31日 13:50〜15:20)

 プラスチック製品は、プラスチック添加剤の技術開発の進展に伴い様々な用途に適用され人々の生活を豊かにしてきました。現在では日常使用に耐えうるプラスチックは添加剤なしでは成り立たないとも言えます。
 近年、産業の複雑化や市場要求の高度化に伴い、基本的な添加剤の機能の向上に加え、新たな問題や課題が指摘され改善が望まれるようになってきました。
 本講演では、ポリプロピレンの劣化機構と添加剤による安定化および機能化のアプローチについて紹介します。

  1. プラスチックの劣化と添加剤
    1. プラスチックの熱・光による劣化
    2. 添加剤分類
    3. 酸化防止剤
      1. 一次酸化防止剤
      2. 二次酸化防止剤
      3. フェノールフリー酸化防止剤
    4. 光劣化防止剤
      1. 紫外線吸収剤・遮蔽剤
      2. ヒンダードアミン光安定剤
    5. 相乗効果と拮抗作用
  2. 事例からみる課題と対策
    1. 変色の事例と対策
      1. 酸化防止剤による変色
      2. 紫外線吸収剤による着色
      3. 放射線による変色
    2. 耐熱性の課題と対策
      1. 成形加工時の添加剤の揮発
      2. 高温使用時の長期熱安定性
    3. 耐酸性の課題と対策
      1. 酸性物質の影響
      2. 耐農薬性
      3. 塗装密着性
    4. 添加剤の環境への影響
      1. フォギング
      2. VOCエミッション
    • 質疑応答

第4部 ポリプロピレン系複合材料における 相溶化剤の機能と役割

(2017年3月31日 15:30〜17:00)

 オレフィン系樹脂へのグラフト反応メカニズムおよび構造について分析結果をもとに紹介する。
 また、無水マレイン酸変性ポリプロピレンのグラフト率/分子量バランスに着目し、その特性について述べる。

  1. 接着のメカニズム
  2. 相溶化剤の役割
  3. 相溶化剤の種類
    1. 極性モノマー共重合体
    2. グラフト変性ポリマー
  4. グラフト反応のメカニズム
    1. 無水マレイン酸変性ポリエチレン
    2. 無水マレイン酸変性ポリプロピレン
    3. グラフト構造
    4. グラフト量/分子量バランス
  5. 相溶化剤の効果
    1. ガラス繊維強化ポリプロピレン (GFRPP)
    2. ウッドプラスチック
    3. フィラー分散 (水酸化マグネシウム、ナノクレー)
    • 質疑応答

講師

  • 小林 豊
    山形大学 グリーンマテリアル成形加工研究センター
    産学連携教授
  • 小瀬垣 公穗
    小瀬垣添加剤技術オフィス
    テクニカルアドバイザー
  • 山崎 秀夫
    BASFジャパン 株式会社 高性能製品統括本部 プラスチック添加剤部門 リージョナルテクニカルサービス
    マネージャー
  • 青木 憲治
    静岡大学 グローバル共創科学部
    准教授

会場

株式会社 技術情報協会
東京都 品川区 西五反田2-29-5 日幸五反田ビル8F
株式会社 技術情報協会の地図

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 60,000円 (税別) / 64,800円 (税込)
複数名
: 55,000円 (税別) / 59,400円 (税込)

複数名同時受講割引について

  • 2名様以上でお申込みの場合、
    1名あたり 55,000円(税別) / 59,400円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 60,000円(税別) / 64,800円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 110,000円(税別) / 118,800円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 165,000円(税別) / 178,200円(税込)
  • 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 他の割引は併用できません。
本セミナーは終了いたしました。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2024/12/20 次世代バイオプラスチックの開発最前線 オンライン
2024/12/20 プラスチック加飾技術の最新動向と今後の展望 オンライン
2024/12/20 二軸押出機における樹脂流動解析の基礎と AI/IoT 活用展開 東京都 会場
2024/12/23 高分子延伸による分子配向・結晶化制御技術 東京都 会場
2024/12/24 プラスチックフィルムの種類、添加剤、 製膜、応用、評価 オンライン
2024/12/25 プラスチック廃棄、海洋汚染防止、再生プラスチック、PFAS問題に関する国内外規格規制の動向と対応 オンライン
2024/12/25 加工の基礎と機械加工技術 オンライン
2024/12/26 架橋剤を使うための総合知識 オンライン
2024/12/27 架橋剤を使うための総合知識 オンライン
2024/12/27 静的・動的光散乱法を中心とした粒径計測の基礎と応用 オンライン
2025/1/6 チクソ性の基礎、制御、測定・評価と実用系への活用方法 オンライン
2025/1/7 高感度化フォトレジスト材料の合成・設計・開発技術 オンライン
2025/1/8 高分子・ポリマー材料の合成、重合反応の基礎、プロセスと工業化・実用化の総合知識 オンライン
2025/1/10 欧州連合 (EU) の食品包装規制と安全問題の最新動向 オンライン
2025/1/15 高分子の劣化・変色メカニズムと対策技術、評価方法 オンライン
2025/1/15 高分子重合反応の基礎とモノマー・開始剤の選定、プロセス最適化 オンライン
2025/1/15 分子シミュレーションによる高分子材料の内部構造と破壊メカニズムの解析 オンライン
2025/1/16 プラスチック・樹脂における耐衝撃性向上技術と衝撃特性解析 オンライン
2025/1/17 高分子の結晶化メカニズムと解析ノウハウ オンライン
2025/1/20 「ポリプロピレン」の材料としての基本的な構造、特性、その応用 オンライン

関連する出版物

発行年月
2024/7/29 サステナブルなプラスチックの技術と展望
2024/7/22 世界のレトルトフィルム・レトルトパウチの実態と将来展望 2024-2026 (書籍版 + CD版)
2024/7/22 世界のレトルトフィルム・レトルトパウチの実態と将来展望 2024-2026
2024/7/17 世界のリサイクルPET 最新業界レポート
2024/6/28 ハイドロゲルの特性と作製および医療材料への応用
2024/5/30 PETボトルの最新リサイクル技術動向
2024/2/29 プラスチックのリサイクルと再生材の改質技術
2023/10/31 エポキシ樹脂の配合設計と高機能化
2023/7/31 熱可塑性エラストマーの特性と選定技術
2023/7/14 リサイクル材・バイオマス複合プラスチックの技術と仕組
2023/3/31 バイオマス材料の開発と応用
2023/1/31 液晶ポリマー (LCP) の物性と成形技術および高性能化
2023/1/6 バイオプラスチックの高機能化
2022/10/5 世界のプラスチックリサイクル 最新業界レポート
2022/8/31 ポリイミドの高機能設計と応用技術
2022/5/31 自動車マルチマテリアルに向けた樹脂複合材料の開発
2022/5/31 樹脂/フィラー複合材料の界面制御と評価
2022/5/30 世界のバイオプラスチック・微生物ポリマー 最新業界レポート
2021/12/24 動的粘弾性測定とそのデータ解釈事例
2021/7/30 水と機能性ポリマーに関する材料設計、最新応用