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光学樹脂の屈折率と複屈折の制御技術

光学樹脂の屈折率と複屈折の制御技術

東京都 開催 会場 開催

開催日

  • 2016年12月2日(金) 10時30分 16時30分

プログラム

第1部 高分子延伸による分子配向と複屈折の制御技術

(2016年12月2日 10:30〜12:10)

 高分子の延伸とは、フィルムもしくは繊維を温めて引き延ばすだけの単純な工程では有りますが、分子鎖が配向することによって高次構造が再構成され、物性も大きく変化するため、奥の深い技術です。
 本講座では、延伸・分子配向・複屈折に関する基礎的概念をしっかり述べた上で、延伸によって分子を配向させ、結果として製品の複屈折を制御するための手法について述べる予定です。

  1. 高分子の延伸工程
    1. 延伸装置と延伸条件
    2. 延伸工程で加わる力と熱
    3. 延伸の基礎方程式
  2. 延伸による分子配向制御
    1. 分子配向の3要素
    2. 延伸による分子配向
  3. 屈折率と複屈折制御
    1. 光学現象と屈折率
    2. 屈折率楕円体と光学異方性
    3. 複屈折の起源
    4. Lorentz – Lorenzの式と固有複屈折
    • 質疑応答

第2部 かご型シルセスキオキサン (POSS) による分子フィラーの設計指針と樹脂の屈折率制御

(2016年12月2日 13:00〜14:40)

 有機ポリマーと無機成分をナノレベルで混合したものを「有機 – 無機ハイブリッド」と呼ぶ。このようなハイブリッド材料には、それぞれの材料の相補的・相乗的な機能や、有機ポリマーあるいは無機物単独では見られない興味深い特性が期待できる。従来はゾルゲル法によりこれらの材料が作成されてきたが、最近、分子フィラーを用いることで、より簡便かつ多様な有機材料でもハイブリッド化することが可能となってきた。
 本講演では分子フィラーによるハイブリッド作成の基本的な設計戦略と実施例を紹介する。さらに応用として、熱機械物性と低屈折率化、アッベ数と高屈折率化という樹脂の屈折率制御において相反する物性を両立する手法について説明する。

  1. POSSの合成および同定法
    1. 八置換アルキル・アミノPOSSの合成
    2. 同定法
  2. 樹脂の剛直性・耐熱性向上のための分子フィラーへの応用
    1. これまでの研究紹介
      1. ハイブリッド化との比較
    2. 高分子の耐熱・機械的特性向上
      1. PS,PMMAの熱的・機械的特性の変化
      2. DSC,TGA,動的粘弾性による測定
    3. 応用:高分子の屈折率制御
      1. 低屈折率化 vs 熱・機械的特性の向上を両立させるPOSSフィラー
      2. 高屈折率化 vs 高アッベ数のためのPOSSフィラー
    • 質疑応答

第3部 ナノ粒子を用いた一軸延伸光学フィルムの3次元複屈折の制御

(2016年12月2日 14:50〜16:00)

 これまでの一軸延伸フィルムでは面内複屈折ΔNxyと面外複屈折Pを同時に制御することは不可能であったが、複数のナノ粒子を用いることによって一軸延伸フィルムのΔNxyとPの値を同時に制御することが可能になった。
 ナノ粒子を用いる3次元複屈折の制御方法について解説する。

  1. 液晶の光学補償の基礎
    1. 直線偏光・円偏光・楕円偏光
    2. ポアンカレー球による偏光の表示
    3. 位相差板の機能
      1. Aプレート・λ/2板・λ/4板
      2. Cプレート
  2. 液晶の光学補償
    1. 正負のAプレートによるIPS液晶の光学補償
    2. 1枚の補償フィルムによる光学補償
  3. ナノ粒子を用いた一軸延伸フィルムの3次元複屈折の制御
    1. 一軸延伸フィルムの光学特性
    2. ナノ粒子による一軸延伸フィルムの複屈折制御
    3. 2種類のナノ粒子を用いた一軸延伸フィルムの3次元複屈折制御
    • 質疑応答

講師

  • 大越 豊
    信州大学 繊維学部 繊維システム工学科
    教授
  • 田中 一生
    京都大学 大学院 工学研究科 高分子化学専攻
    教授
  • 高頭 孝毅
    山口東京理科大学 工学部 電気工学科
    理学博士

会場

株式会社 技術情報協会
東京都 品川区 西五反田2-29-5 日幸五反田ビル8F
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主催

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