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窒化物フィラーの表面処理技術とフィラー配向制御

窒化物フィラーの表面処理技術とフィラー配向制御

東京都 開催 会場 開催

開催日

  • 2016年3月29日(火) 10時00分17時00分

プログラム

1. フィラー用途への窒化アルミニウムの展開や要求特性

(2016年3月29日 10:00〜11:30)

 窒化アルミニウム (AlN) は高熱伝導性、電気絶縁性、低熱膨張性などの観点からから高熱伝導性セラミックスフィラーとして有望である。AlNフィラーはエポキシ樹脂やシリコーン樹脂へ添加することにより、絶縁性を維持したまま、その熱伝導率を向上させることが可能であり、今後高熱伝導性セラミックスフィラーとして期待されている。
 本講演では、AlNの基本的性質、AlN粉体の製造方法とその特徴及びAlN粉体の表面処理技術について概説する。

  1. 窒化アルミニウムの性質
    1. 窒化アルミニウムの物性
  2. 窒化アルミニウム粉体の製法と特徴
    1. 窒化アルミニウム粉体の製造方法
    2. 窒化アルミニウム粉体の特徴
    3. 樹脂充填用窒化アルミニウム粉体の形状制御
  3. 窒化アルミニウム粉体の表面処理技術
    1. 耐水性窒化アルミニウム粉体
  4. AlN/樹脂複合材料の放熱基板への応用
  5. まとめ
    • 質疑応答

2. 高分子中への無機ナノ粉体の分散、表面処理技術

(2016年3月29日 12:10〜13:40)

 フィラーは多種多様なものが用いられています。表面処理剤や処理条件はフィラーに合わせて行う必要があります。このことを化学的な切り口から解説し、実際の状況について紹介します。
 フィラーの表面処理は、単にフィラーを分散させるための手段だけではなく、コンポジットの力学特性、機能発現、耐久性に大きく影響するポリマー/フィラーの界面の構造を設計制御する際に重要な役割を担います。界面構造に関しても最新の研究を中心に紹介します。ナノフィラーを活用するためにも表面処理を十分に理解する必要があります。

  1. フィラーの種類
  2. フィラーの表面とその重要性
  3. 表面処理を化学する
  4. 表面処理剤の種類
  5. チタネートカップリング剤
  6. イオン結合型表面処理剤
  7. 高分子表面処理剤
  8. シランカップリング剤
  9. フィラー選択の実際
  10. 界面制御
    • 質疑応答

3. 複合材料中におけるBNフィラーの配向制御技術と高熱伝導化

(2016年3月29日 13:50〜15:20)

 近年、電子機器の小型化、高出力化に伴い半導体素子の発熱が増大する傾向にあります。半導体素子は、高温になると効率が低下するだけでなく誤動作や故障の原因となるため、発生した熱量を効率的に機器の外部に逃がす放熱性の高い絶縁材料が求められている。
 本講演では、樹脂と無機フィラーとの複合材料における高熱伝導化技術を紹介するとともに、電子機器の中で特に高い放熱性が要求されるパワーモジュールへの応用例について紹介する。高熱伝導化技術については、エポキシ樹脂と窒化ホウ素 (h – BN) フィラー複合材料におけるフィラーの配向制御について紹介する。

  1. 電子機器の構造と高熱伝導樹脂材料のニーズ – パワーモジュール適用例を中心に –
  2. 高熱伝導複合材料の基礎と応用
    1. 樹脂/無機フィラー複合材料の熱伝導率
    2. モールド型パワーモジュールへの応用
  3. 複合材料の熱伝導率向上技術
    1. 高熱伝導フィラー (BN) の高充填化
    2. 高熱伝導フィラー (BN) の配向制御
    3. マトリクス樹脂の高熱伝導化
  4. 高熱伝導絶縁シート適用パワーモジュールの放熱性の向上
  5. 高耐熱・高熱伝導絶縁シートの開発
    • 質疑応答

4. 機能性フィラーの磁場配向 – その原理から応用まで –

(2016年3月29日 15:30〜17:00)

 “非磁性“物質として取り扱われ磁場との相互作用が無視されてきた多くの有機・無機材料が比較的容易に磁場で制御できることを原理から詳細に解説し、機能性フィラーの配向制御法としての応用例を紹介する。

  1. 物質と磁場の相互作用
    1. 物質の磁性
    2. 磁気エネルギー
    3. 磁気プロセスの利点
  2. 磁場配向と磁気トラップ
    1. 磁場配向の原理
    2. 磁場配向させるための条件
    3. 磁気トラップの原理
    4. 磁気モジュレーターによる磁束密度制御
  3. 配向制御
    1. 繊維の磁場配向
    2. 有機結晶の磁場配向
    3. 無機結晶の磁場配向
  4. 位置制御
    1. 有機物の位置制御
    2. 無機物の位置制御
    3. 生体材料の位置制御
    4. 重力場とのバランスによる浮力制御効果
  5. 磁場による精密配向制御
    1. 部分配向材料への応用
    2. 傾斜配向を利用した磁気印刷への応用
  6. 異方性フィラーへの応用
    1. 炭素繊維の例
    2. チッカホウ素の例
  7. まとめ
    • 質疑応答

講師

  • 金近 幸博
    株式会社トクヤマ ニュービジネス本部 放熱アプリケーショングループ
    グループリーダー
  • 永田 員也
    富山県立大学 工学部 機械システム工学科
    客員教授
  • 平松 星紀
    三菱電機 株式会社 先端技術総合研究所 パワーモジュール開発プロジェクトグループ パッケージング技術グループ
    グループマネージャー
  • 山登 正文
    東京都立大学 大学院 都市環境科学研究科 環境応用化学域
    准教授

会場

株式会社 技術情報協会
東京都 品川区 西五反田2-29-5 日幸五反田ビル8F
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主催

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