技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

熱分解分析と質量分析による高分子材料の微量添加剤分析と化学構造変化の解析

熱分解分析と質量分析による高分子材料の微量添加剤分析と化学構造変化の解析

東京都 開催 会場 開催

概要

本講では,マトリックス支援レーザー脱離イオン化質量分析法 (MALDI-MS) を用いて、樹脂微粒子試料から直接定量する方法について具体例を交えて解説いたします。
また、測定結果から、高分子材料の劣化解析の手順について実例を挙げて詳解いたします。

開催日

  • 2014年8月5日(火) 13時00分 16時30分

修得知識

  • 熱分解分析による添加剤 (主として安定剤) の分析法
  • マトリックス支援レーザー脱離イオン化質量分析法の基礎と安定剤分析の一例
  • 標記測定結果に基づく高分子材料劣化の解析法

プログラム

 一般に、樹脂材料中の各種添加剤の分析には、基質ポリマーから添加剤成分を溶媒抽出した後に、ガスクロマトグラフィー (GC) や液体クロマトグラフィーで測定する手法が主として用いられてきた。
 しかしながら、高分子量ヒンダードアミン系光安定剤 (HALS) などについては、目的成分の抽出分離が必ずしも定量的に行われないなどの問題があった。
 本講では、高分子の化学構造解析に広く活用されている熱分解GCをベースにした反応熱脱着GCの手法、および固体試料調製法を組み合わせたマトリックス支援レーザー脱離イオン化質量分析法 (MALDI-MS) を用いて、ポリプロピレン (PP) 中に微量添加されている高分子量HALSを、樹脂微粒子試料から直接定量する方法について具体例を交えて解説する。
 さらに、熱分解GCなどの熱分解分析によるこうした測定結果から、高分子材料の劣化に伴う化学構造変化を解析する手順についても実例を挙げながら述べる。

  1. 高分子材料中添加剤の一般的な分析手法と問題点
  2. 熱脱着/熱分解ガスクロマログラフィーによる添加剤の直接分析
    1. 熱脱着/熱分解ガスクロマログラフィー (GC) とは? ~原理と特徴~
    2. 熱脱着GCによるゴム中の可塑剤・老化防止剤の分析
    3. 熱脱着GCによる塗膜中光安定剤の分析
    4. 二段階熱脱着/熱分解GCによるゴム配合物の直接分析
    5. 反応熱脱着GCによる樹脂中の高分子光安定剤の直接分析
      1. ヒンダードアミン系光安定剤 (HALS) について
      2. 反応熱脱着GCとは ~原理と特徴~
      3. ポリプロピレン (PP) 材料中の高分子HALSの直接定量分析
      4. 窒素リン検出器を用いた高感度化
      5. 紫外線照射に伴うPP中のHALSの挙動解析
      6. 無機系難燃剤を含むPP中の高分子HALSの分析
  3. MALDI-MSによる樹脂中高分子HALSの直接分析
    1. マトリックス支援レーザー脱離イオン化質量分析法 (MALDI-MS) とは? ~原理と特徴~
    2. 固体試料調製法を用いたMALDI-MSによるPP中の高分子HALSの直接分析
    3. 内部標準法を用いた定量分析
    4. 紫外線照射に伴うPP中のHALSの安定化挙動解析
  4. 熱分解分析法による安定剤分析に基づく高分子材料の劣化挙動解析
    1. ポリメタクリル酸メチル
    2. ポリエチレン
    3. ハイインパクトポリスチレン
  • 質疑応用・名刺交換

講師

  • 大谷 肇
    名古屋工業大学 大学院工学研究科 物質工学専攻
    教授

会場

品川区立総合区民会館 きゅりあん

5F 第1講習室

東京都 品川区 東大井5丁目18-1
品川区立総合区民会館 きゅりあんの地図

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 38,000円 (税別) / 41,040円 (税込)
複数名
: 20,000円 (税別) / 21,600円 (税込)

複数名同時受講の割引特典について

  • 2名同時申込みで1名分無料
    • 1名あたり定価半額の20,000円(税別) / 21,600円 (税込)
    • 2名様ともS&T会員登録をしていただいた場合に限ります。
    • 同一法人内(グループ会社でも可)による2名同時申込みのみ適用いたします。
    • 3名様以上のお申込みの場合、上記1名あたりの金額で受講できます。
    • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
    • 請求書および領収書は1名様ごとに発行可能です。
      申込みフォームの通信欄に「請求書1名ごと発行」と記入ください。
    • 他の割引は併用できません。
本セミナーは終了いたしました。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2025/2/13 高分子の (黄変・ピンク変など) 変色・劣化の発生メカニズム、変色箇所の評価、その対策 オンライン
2025/2/13 ポリイミドの基礎・合成・材料設計のポイントおよび応用展開 オンライン
2025/2/13 ゴム材料の分析手法および劣化現象とその分析 オンライン
2025/2/13 プラスチック成形部材の劣化・破損・破壊のメカニズムと評価・改善方法、破面の特徴、トラブル対策 オンライン
2025/2/14 高分子材料の物性分析、分子構造解析技術の基礎と材料開発、物性改善への応用 オンライン
2025/2/14 半導体封止材用エポキシ樹脂の種類と特性および解析方法 オンライン
2025/2/14 重合反応の基礎・応用 オンライン
2025/2/14 高分子フィルム・繊維の延伸プロセスにおける分子配向形成、結晶化とその制御 オンライン
2025/2/17 ゾル-ゲル法の基礎と材料合成、(新規) 材料開発で活用するための実用的な総合知識 オンライン
2025/2/17 高分子へのフィラーのコンパウンド技術の基礎と応用 オンライン
2025/2/17 結晶性高分子の材料設計・改良・加工性向上に必要な基礎知識 オンライン
2025/2/17 プラスチックリサイクルの国内外の現状とリサイクル技術 オンライン
2025/2/19 ポリイミドの基礎・合成・材料設計のポイントおよび応用展開 オンライン
2025/2/20 フィルム延伸の基礎と過程現象の解明・構造形成、物性発現・評価方法 オンライン
2025/2/20 プラスチックの破面解析技術 (不具合分析) オンライン
2025/2/21 プラスチック (フィルム) の熱分析 オンライン
2025/2/21 無機ナノフィラーのポリマーへの分散・複合化技術 オンライン
2025/2/21 プラスチック製品の強度安全率を高めるための設計・成形技術、材料選定 オンライン
2025/2/21 シリコーンの基礎・特性と設計・使用法の考え方・活かし方 オンライン
2025/2/21 光導波路用ポリマーの材料設計と微細加工技術 オンライン

関連する出版物

発行年月
2024/7/29 サステナブルなプラスチックの技術と展望
2024/7/22 世界のレトルトフィルム・レトルトパウチの実態と将来展望 2024-2026 (書籍版 + CD版)
2024/7/22 世界のレトルトフィルム・レトルトパウチの実態と将来展望 2024-2026
2024/7/17 世界のリサイクルPET 最新業界レポート
2024/6/28 ハイドロゲルの特性と作製および医療材料への応用
2024/5/30 PETボトルの最新リサイクル技術動向
2024/2/29 プラスチックのリサイクルと再生材の改質技術
2023/10/31 エポキシ樹脂の配合設計と高機能化
2023/7/31 熱可塑性エラストマーの特性と選定技術
2023/7/14 リサイクル材・バイオマス複合プラスチックの技術と仕組
2023/3/31 バイオマス材料の開発と応用
2023/1/31 液晶ポリマー (LCP) の物性と成形技術および高性能化
2023/1/6 バイオプラスチックの高機能化
2022/10/5 世界のプラスチックリサイクル 最新業界レポート
2022/8/31 ポリイミドの高機能設計と応用技術
2022/5/31 樹脂/フィラー複合材料の界面制御と評価
2022/5/31 自動車マルチマテリアルに向けた樹脂複合材料の開発
2022/5/30 世界のバイオプラスチック・微生物ポリマー 最新業界レポート
2021/12/24 動的粘弾性測定とそのデータ解釈事例
2021/7/30 水と機能性ポリマーに関する材料設計、最新応用