技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

プロトン伝導性材料の基礎・開発状況と応用展開

プロトン伝導性材料の基礎・開発状況と応用展開

東京都 開催 会場 開催

開催日

  • 2014年6月6日(金) 10時30分 16時00分

プログラム

第1部 中・低温型プロトン伝導体とPEFCへの応用

(2014年6月6日 10:30-13:00)

 本講演では、まずイオン伝導体の基礎、燃料電池の種類について説明する。次に、ゾル-ゲル法、交互積層法、メカニカルミリング法によるプロトン伝導体の作製について述べる。室温から200℃程度の中温・低温において、高い導電率を示すプロトン伝導体の構造と特性を示す。また、これらのプロトン伝導体をベースとする無機有機コンポジット電解質膜の作製と中温無加湿発電評価についてわれわれの研究成果を中心に詳しく紹介する。

  1. 超イオン伝導体の構造的特徴
    1. 固体中の電気伝導
    2. 超イオン伝導体の種類と構造的特徴
      1. 安定化ジルコニア (CaxZr1-xO2-x) :欠陥構造
      2. β-アルミナ ( Na2O-Al2O3 ) :層状構造
      3. α-ヨウ化銀 ( α-AgI ) :平均構造
      4. 非晶質・ガラス ( Li2S-SiS2 ) :開放構造
  2. プロトン伝導体の種類
    1. 水系 (加湿状態で動作する系)
    2. 非水系 (無加湿状態で動作する系)
    3. 構造中にプロトンを含まない系
  3. ゾル-ゲル法によるプロトン伝導体の作製
    1. 細孔を利用したプロトン伝導体の設計
    2. ホスホシリケートゲルの作製と特性
    3. ホスホシリケートゲルを含む無機有機コンポジット電解質膜
  4. 交互積層法によるプロトン伝導体
    1. 界面制御によるプロトン伝導体の設計
    2. 表面修飾無機有機ハイブリッド粒子をコアとする電解質膜
  5. メカニカルミリング法によるプロトン伝導体の作製
    1. 固体酸のメカノケミカル複合化
    2. NMRによるプロトンダイナミクス解析
    3. 水素結合距離と無加湿プロトン伝導性
  6. 次世代型・中温無加湿燃料電池への応用
    1. PEFCの動作原理
    2. 各燃料電池の使用温度領域と想定発電出力
    3. 中温無加湿燃料電池
    4. リン酸ドープポリベンゾイミダゾール
    5. 無機固体酸を含むコンポジット電解質膜
    6. 中温・無加湿連続発電特性
  7. まとめ
    • 質疑応答・名刺交換

第2部 高温型プロトン伝導体とSOFCへの応用

(2014年6月6日 13:30-16:00)

本講演では、高温型プロトン伝導体の基礎ならびに高温型プロトン伝導体を用いた燃料電池について概説する。前者では、高温型プロトン伝導体におけるプロトン伝導性の発現メカニズムならびにその特性評価方法について解説する。後者では、固体イオン伝導体を用いた燃料電池の動作原理について説明した後、実際にプロトン伝導体をSOFCに用いた例について紹介すると共に、想定される各種課題について述べる。
  1. 高温型プロトン伝導体の基礎
    1. 固体イオン伝導体
    2. 高温型プロトン伝導体における欠陥構造とプロトン溶解
    3. 高温型プロトン伝導体におけるイオン・電子の移動
    4. 典型的な高温プロトン伝導体
      1. ペロブスカイト型酸化物
      2. ペロブスカイト型酸化物以外の酸化物
      3. 酸素酸塩
  2. 高温型プロトン伝導体の作製と評価
    1. 高温型プロトン伝導体の作製方法
    2. 高温型プロトン伝導体の物性評価手法
      1. バルク・粒界の導電率
      2. プロトン輸率
      3. プロトン溶解量
  3. 固体イオン伝導体を用いた燃料電池の動作原理
    1. 固体イオン伝導体を扱うための熱力学・イオン輸送の理論
    2. 固体酸化物形燃料電池 (SOFC) の起電力
    3. SOFCにおける電極過電圧の考え方
    4. 他の燃料電池との類似点と相違点
  4. 高温型プロトン伝導体を用いた燃料電池
    1. 燃料電池用電解質としての高温型プロトン伝導体
    2. 高温型プロトン伝導体を用いたSOFCの構成と性能
    3. 高温型プロトン伝導体上での電極反応
    4. 高温型プロトン伝導体を用いたSOFCに想定される課題
  5. まとめ
    • 質疑応答・名刺交換

講師

  • 松田 厚範
    豊橋技術科学大学 大学院 工学研究科 電気・電子情報工学系
    教授
  • 雨澤 浩史
    東北大学 多元物質科学研究所 附属サステナブル理工学研究センター 固体イオニクス・デバイス研究分野
    教授

会場

機械振興会館

B3-1

東京都 港区 芝公園3-5-8
機械振興会館の地図

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 42,750円 (税別) / 46,170円 (税込)
複数名
: 22,500円 (税別) / 24,300円 (税込)

複数名同時受講の割引特典について

  • 2名同時申込みで1名分無料
    • 1名あたり定価半額の22,500円(税別) / 24,300円 (税込)
    • 2名様ともS&T会員登録をしていただいた場合に限ります。
    • 同一法人内(グループ会社でも可)による2名同時申込みのみ適用いたします。
    • 3名様以上のお申込みの場合、上記1名あたりの金額で受講できます。
    • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
    • 請求書および領収書は1名様ごとに発行可能です。
      申込みフォームの通信欄に「請求書1名ごと発行」と記入ください。
    • 他の割引は併用できません。
本セミナーは終了いたしました。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2025/1/31 EV用リチウムイオン電池のリユース・リサイクル技術の動向と課題、今後の展望 オンライン
2025/2/4 全固体リチウム二次電池の最新動向と今後の展望 オンライン
2025/2/6 ペロブスカイト化合物の構造、特性、太陽電池などへの応用、今後の展望 オンライン
2025/2/12 脱炭素で注目の水素エネルギーその活用のための「水素取り扱いの基礎」 東京都 会場・オンライン
2025/2/12 EV用リチウムイオン電池のリユース・リサイクル技術の動向と課題、今後の展望 オンライン
2025/2/13 リチウムイオン電池におけるドライプロセスの現状とバインダーの技術展望 オンライン
2025/2/14 導電性カーボンブラックの配合・分散技術と電池特性への影響 オンライン
2025/2/17 ゾル-ゲル法の基礎と材料合成、(新規) 材料開発で活用するための実用的な総合知識 オンライン
2025/2/18 燃料電池、アンモニア、水素の最新動向と日本企業の事業戦略 オンライン
2025/2/18 ペロブスカイト太陽電池の製造技術と軽量モジュールの社会実装に向けた課題 東京都 会場・オンライン
2025/2/26 導電性カーボンブラックの配合・分散技術と電池特性への影響 オンライン
2025/2/28 二酸化炭素を原料とした液体合成燃料の製造技術と最新動向 オンライン
2025/3/6 ペロブスカイト太陽電池の製造技術と軽量モジュールの社会実装に向けた課題 オンライン
2025/3/14 蓄熱蓄冷および熱エネルギー搬送技術の基礎と最新の研究開発動向 オンライン
2025/3/28 バイオマスを取り巻く最新動向と日本企業の事業戦略 オンライン
2025/3/31 ゼロから学ぶ再エネビジネス基礎講座 (全2回) オンライン
2025/3/31 再エネ電力・環境価値取引で抑えたい知識と実務 オンライン
2025/3/31 FIP、コーポレートPPA等、2023年4月施行を踏まえて抑えたい知識と実務 オンライン
2025/4/22 水素吸蔵材料の基礎と様々な水素貯蔵材料とその応用 オンライン
2025/4/28 水素吸蔵材料の基礎と様々な水素貯蔵材料とその応用 オンライン