Google App EngineはPaaS型クラウドとして最も有名なクラウドコンピューティング基盤です。
　Google App Engineは検索機能として世界NO.1のGoogle検索で培われた技術を応用して構築されていますが、実質無限に近いスケールアウトを可能とする、データストア (分散キー・バリューストア=分散KVS)、全世界130万台を超えると言われるサーバインフラを使用した巨大分散システム環境をベースとして稼働するクラウド環境で、最近では日本での適用事例も増えており、またGoogle App Engine自体の機能も年々進化しています。
　クラウドコンピューティングは今や無くてはならないWebプラットホームとして大きな関心を呼んでいます。しかし、クラウドという言葉が安易に使われてきているようにも見えます。またクラウドコンピューティング自体の機能についても纏まった解説をみることは殆どありません。
　本セミナーでは、最初にクラウドコンピューティングの定義を明確に行います。次にクラウド基盤ともなりうる分散システム基盤で実際に開発を行い、大規模分散システムの内部構造を熟知している講師が、クラウドアーキテクチャの内部構造をGoogle App Engineを例に取りながら解りやすく解説していきます。

1. クラウドコンピューティング オーバービュー
   • NISTをベースとしたクラウド・コンピューティングの定義
   • クラウドコンピューティングの特徴
   • クラウドコンピューティングのサービスモデル
2. 分散システムの構成と仕組み
   • クライアント・サーバ通信とスタブ・スケルトン
   • クライアント側の内部ロジック
   • サーバ側の内部ロジック
3. データストア (Bigtable) プログラミング
   • Webシステムと分散システムの統合
4. 分散キー・バリュー型データストア (NoSQL)
   • キー・バリュー型データストア (分散KVS)
   • データの永続化とタブレットサーバ
   • プロトコルバッファ
5. CAP定理とBASE理論
   • CAP定理とは
   • BASE理論とは
6. サンプルプログラムでの検証
   • Bigtableの基本CRUD処理
   • ソフトスキーマの特徴とプログラム処理
   • リスト・プロパティの特徴とプログラム処理
   • Bigtableの構造と条件検索