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ラボからのスケールアップ再現性手法

ラボ検討とデータの採取のノウハウを詳解する

ラボからのスケールアップ再現性手法

~晶析の不純物除去と結晶多形の制御~
東京都 開催 会場 開催

溶媒選択、晶析トラブル、実験計画法とタグチメソッドの比較などプロセス開発に役立つ内容が満載の技術セミナー!

概要

本セミナーでは、医薬品の製造においてスケールアップ時に起こりうる問題と対策について詳解いたします。

開催日

  • 2010年11月25日(木) 13時00分 16時30分
  • 2010年11月26日(金) 10時30分 16時30分

受講対象者

  • 製薬・製剤関連の技術者

修得知識

  • スケールアップの基礎
  • スケールアップ時のトラブルと対策
  • スケールアップ時の不純物の除去
  • 溶媒の選定

プログラム

第1部 晶析時のスケールアップ検討方法と結晶多形制御

(2010年11月25日 13:00~14:30)

 晶析工程は医薬品の製造においては品質確保のためには欠かせない重要な工程である。特にスケールアップに伴うトラブル回避がポイントとなる。また結晶多形という問題は製品の存亡にも係る極めて重要かつ避けては通れない課題でもある。これらの問題にどう対応すべきか、その効率的な手法について述べる。

  1. 晶析検討の目的
  2. 晶析の基礎
  3. 結晶化の問題点
    1. 化合物取扱い上の重要な課題
      1. 濾過性
      2. 乾燥条件
      3. 品質保証
      4. 操作性
    2. 物理的な重要な課題
      1. 安定性
      2. 溶解性
      3. Bioavailability
      4. 製剤上の問題
  4. 結晶化の条件
    1. 溶媒の種類
    2. 溶解性の確認
    3. 溶媒の選択
    4. 温度条件
    5. 他の要素
  5. 結晶の分類
  6. 結晶多形
    1. 結晶多形の要因
    2. 疑似結晶多形
    3. 結晶多形の問題点
  7. 結晶多形の例
    1. Indomethacine
    2. Cimetidine
    3. Chloramphenicol Palmitate
    4. Ritonavir
  8. 開発ステージと結晶多形の問題点
    1. 結晶多形への対応策
  9. 結晶多形に関する留意点
    1. FDAやEMEAへの対応
  10. 結晶多形の制御法
  11. 特許の権利化
  12. 晶析時のスケールアップ検討
    1. ラボでの検討事項:何を目的に検討すべきか
    2. スケールアップの問題点
    3. トラブル解決策
    4. 品質を確保するために
    5. 操作法の改良
  13. まとめ
    • 質疑応答・名刺交換

第2部 スケールアップにおける不純物の除去と管理 ~品質トラブルとその効率的解決法~

(2010年11月25日 14:45~16:30)

 医薬品における不純物は薬害という大きなダメージを企業に与えることもあり、その除去と品質確保は極めて重要な課題である。種々のプロセスの中で不純物の除去は行なわれるが、晶析工程を利用して効率的精製を行うことにより、高品質の医薬品を製造することは、基本的な操作であるだけに、有効的な手法が求められている。 スケールアップ時のトラブルを加味したプロセスでの精製、特に晶析による不純物除去と管理について述べる。

  1. 医薬品の品質不良による問題
    1. 薬害と回収
  2. 不純物とは
  3. 不純物プロファイル
  4. プロセス工程での精製操作
    1. 反応系からの精製
    2. 抽出による精製
    3. 洗浄による精製
  5. 晶析による精製
    1. 晶析検討の目的
    2. 晶析の基礎
    3. 結晶化の検討
    4. 濾過性の改良
    5. 結晶多形と制御
    6. 精製と品質向上
  6. 溶媒の選択
    1. クラスI,II,IIIの使い分け
    2. 溶媒特性と組み合わせ
  7. 不純物の許容量
    1. 閾値と管理
    2. 問題点と対応策
    3. 分析法とその重要性
  8. 不純物除去と管理
    1. 晶析による不純物除去法
    2. 効率的な精製法
    3. 結晶の安定性と管理法
  9. 晶析問題、トラブル事例とその解決策
  10. 品質保証体制の確立
  11. 安全な医薬品であるために
    • 質疑応答・名刺交換

第3部 ラボからパイロットプラントへスケールアップのための検討課題 ~再現性を得るための検討ならびに溶媒の選択について~

(2010年11月26日 10:30~12:30)

 医薬品のプロセス研究の最終目的は、再現性かつ堅牢性のあるプロセスを確立し、生産部門に技術移管をすることである。医薬品の特性から、先ず、「品質の再現性」が求められるが、「工業化研究」の観点から「収量・収率、操作性、安全性等の再現性」を確立することも重要である。さらに、経済性、環境への影響、医薬品特有の法規制の遵守等も考慮する等、様々な制約を受けながら、短期間に多くの課題を解決しなければならない。今回、ラボでの実験からプラント試製へ、スケールアップ検討時に起こり易いトラブルに関し、その課題を整理し、再現性を得るための対応について基本的な考え方を紹介する。さらに、原薬製造に重要な役割を果たす「溶媒」について、「医薬用原薬の工業化研究」の視点から、その選択の際の留意点等について整理してみる。

  1. 医薬品の開発研究の流れ
    1. 探索研究から生産までの概要とプロセス研究の役割
  2. 医薬品のプロセス研究における再現性
    1. スケールアップ時に考慮すべきこと
    2. トラブルと再現性
  3. 工業化研究と再現性
    1. 工業化研究における再現性と問題発生要因の整理
  4. スケールアップ検討での問題点
    1. 技術移転時の問題、製法上の問題、設備上の問題
  5. スケールアップ検討と目的
    1. スケールアップの段階と目的および開発段階と検討目的
  6. 創薬研究部門からの技術移転
    1. 創薬研究とプロセス研究の違い
    2. プロセス研究での最初の取組
  7. プラント試製での検討課題
    1. 再現性の確認、操作性の確認、その他の要因の検証
  8. スケールアップ時の注意事項
    1. トラブル要因事項の整理
    2. 再現性を得るための検討
    3. データ収集と注意事項
  9. プロセス研究と溶媒の選択
    1. 溶媒の役割
    2. 溶媒選択時に考慮すべき事項
  10. 溶媒に関する事例紹介
  11. まとめ
    • 質疑応答・名刺交換

第4部 工業化製法に向けたプロセス設計とスケールアップに向けたラボ検討の方策

(2010年11月26日 13:20~14:50)

  1. 医薬品開発におけるプロセス化学の役割
    1. プロセス化学に期待されるもの
  2. 創薬合成とプロセス合成の違い
    1. What to make から How to make
    2. 医薬品 (治験薬) GMPへの対応
  3. 創薬合成からプロセス合成へ
    1. プロセススキームは芸術作品
    2. プロセス合成担当者が欲しい技術情報は何?
    3. プロセスの理解によるプロセスの設計へ
    4. 危険性評価をプロセス設計に生かそう
  4. トラブル事例
    1. 原薬から溶媒が抜けない?
    2. 不純物出現?
    3. 結晶多形研究どこまでやるの?
    • 質疑応答・名刺交換

第5部 製剤・原薬製造におけるQbDアプローチの適用事例 ~実験計画法とタグチメソッドの比較、CFD解析によるスケールアップ~

(2010年11月26日 15:00~16:30)

 QbDアプローチで活用される実験計画法とタグチメソッド、CFDの概論を理解するとともに、基本的な実験方法と計算方法を習得し、すぐに活用できることを目的とする。

  1. はじめに
    1. ICHガイドラインとQbDアプローチ
    2. QbDアプローチで活用されるメソッド
      • 実験計画法
      • タグチメソッド
      • CFD解析
  2. 実験計画法の解説
    1. 実験計画法の歴史
    2. 実験計画法の種類
    3. 具体的な実験計画法の実験手順
      (噴霧乾燥装置の最適化を例に説明)
  3. タグチメソッドの解説
    1. タグチメソッドの歴史
    2. タグチメソッドの種類
    3. 具体的なタグチメソッドの実験手順
      (噴霧乾燥装置の最適化を例に説明)
    4. 実験計画とタグチメソッドの比較
  4. CFDによるスケールアップ手法
    1. CFDの歴史
    2. CFDの活用領域
    3. 具体的なCFDによるスケールアップの手順
      (抗体原薬製造プロセスを例に説明)
  5. まとめ
    • 質疑応答・名刺交換

講師

  • 第1,2部 講師
    • 医薬研究開発コンサルテイング 代表取締役
      橋本 光紀 氏
  • 第3部 講師
    • 元 三共(株) 製薬技術研究所 所長
      竹林 絜矩 氏
  • 第4部 講師
    • 帝人ファーマ(株)
      竹安 巧 氏
  • 第5部 講師
    • 中外製薬(株)
      西内 典明 氏
  • 橋本 光紀
    医薬研究開発コンサルテイング
    代表取締役
  • 竹安 巧
    帝人ファーマ(株) 製薬技術研究所 製薬研究部 原薬製造技術グループ 統括
  • 西内 典明
    中外製薬(株) 製薬本部 生産工学研究部
    課長

会場

東京流通センター

2階 第1会議室

東京都 大田区 平和島6-1-1
東京流通センターの地図

主催

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お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 55,000円 (税別) / 57,750円 (税込)
複数名
: 48,000円 (税別) / 50,400円 (税込)

複数名同時受講の割引特典について

  • 2名で参加の場合1名につき 7,350円割引
  • 3名で参加の場合1名につき 10,500円割引 (同一法人に限ります)
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