技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

洋上風力発電、陸上風力発電の最新動向と今後のビジネス・チャンス

洋上風力発電、陸上風力発電の最新動向と今後のビジネス・チャンス

オンライン 開催

概要

本セミナーでは、国内外における陸上・洋上風力発電を取り巻く最新動向と将来的な展望について解説いたします。

開催日

  • 2023年3月24日(金) 13時00分 16時30分

プログラム

 ウクライナ危機と電力危機に直面して、日本を含めた世界は、脱炭素の切り札として、洋上風力発電に大きく注目している。しかし、2021年12月に実施された、秋田県、千葉県の洋上風力発電の公募入札について、三菱商事グループがすべてを落札し、数多くの風力発電事業者は、大きな衝撃を受けている。三菱商事グループは、1キロワット時当たり11円~16円の破格の安値を提示し、風力発電も熾烈な価格競争の時代に入っている。こうした、三菱商事連合の一人勝ちに対して、2022年12月にも行われる第2の公募においては、公募ルールを変更し、1発電開始時期の早さを重視し、2同一企業が落札できる発電規模に上限を設定し、3売電価格が一定以下の場合には一律の評価とし、長崎県、新潟県、秋田県の4海域において公募を行う。日本は、2030年度に温室効果ガス46%削減の目標を掲げ、2030年度の電源構成における再生可能エネルギーの割合を36%~38%に引き上げる意欲的な目標を設定した。
 先進国、途上国を問わず、脱化石燃料の切り札として、従来の陸上風力発電に加えて、風況が安定した洋上風力発電の重要性が、世界的に一段と注目されている。風力発電は、技術革新、機器の大型化、量産効果により、発電コストが低下している。風況の良い場所においては、大量の発電を行うことが可能であり、2021年末時点において、世界全体で8億6,280万キロワットに達する風力発電設備が稼働し、世界全体において年間11億トンを超える炭酸ガス排出削減効果があり、大規模風力発電所 (ウィンド・ファーム) は、100万キロワットを超えるものが次々と誕生している。風力発電は、ライフ・サイクルで見た炭酸ガス排出量が少なく、独立した分散型電源として、離島、過疎地の電源としても利用が可能であり、夜間にも発電できる。既に、国土面積が広い中国、米国等においては、風力発電の普及が進み、今後は、日本のみならず、電力需要の伸びが著しい台湾をはじめとしたアジア、アフリカ等における風力発電の普及が見込まれている。
 風力発電に関しては、発電量の増加、発電コストの低下を目指して、機器の大型化が行われており、洋上風力発電の風車の直径は200メートルを超え、1基当たりの発電量も1万キロワット超のものが開発されている。日本は、世界第6位の排他的経済水域 (EEZ) を誇り、洋上風力発電の今後の発展が期待されている。日本は、2040年には7,000万キロワット近い風力発電の導入が見込まれ、そのうち半分は洋上風力発電が予測されている。2020年12月25日に、日本は、グリーン成長戦略を掲げ、2030年までに1,000万キロワット、2040年までに浮体式を含めて3,000万キロワット~4,500万キロワットの洋上風力発電を整備する目標を掲げている。しかし、デンマーク沖合いと異なり、日本の場合には遠浅の海域が少なく、今後は着床式から、浮体式洋上風力発電の技術開発が期待され、2018年12月には、洋上風力促進法 (再エネ海域利用法) が成立し、最長30年間、海域を利用できる規制緩和が行われ、洋上風力発電建設用のSEP船の建造も行われている。秋田県をはじめとして洋上風力発電の促進区域を経済産業省が選定している。三菱商事、戸田建設、ENEOS、関西電力等が、洋上風力発電事業者となっている。
 長期的にも、日本における2030年までの経済波及効果は、15兆円、9万人の雇用創出が見込まれている。台湾も2030年までに1,000万キロワットの洋上風力発電を計画し、世界の洋上風力発電は、2020年の3,529万キロワットから、2030年には2億3,400万キロワット (市場規模937億ドル) 、2040年には5億6,200万キロワット、2050年には14億キロワットに達することが見込まれる。EU (欧州連合) は2050年の洋上風力発電を3億キロワット、陸上風力発電を7億キロワットとする意欲的な目標を表明した。今後もロシア産天然ガスからの脱却を目指し、世界的に陸上風力発電・洋上風力発電の拡大が見込まれ、2030年には21億1,000万キロワットと、世界の発電能力の2割を占め、2050年には60億キロワットと、世界の風力発電市場は、200万人を超える雇用を創出すると予測されている。風力発電は、太陽光発電と異なり、風車、軸受け、変速機、発電機をはじめとした2万点の部品から構成されるモノづくりの集積であり、風車に用いる炭素繊維をはじめとして、日本企業が素材・部品の強みを持っている。しかし、世界最大の風力発電国は、米国を抜いて中国となり、中国は国内メーカーの育成に力を入れている。中国企業、インド企業の台頭、先行する欧米企業の洋上風力発電事業強化により、風力発電における発電効率向上、価格競争が熾烈となっている。日本は、風力発電事業から撤退する企業もあり、時間がかかる環境アセスメントの規制、立地の制約、送電系統の空き容量の制約、漁業権等から、期待されていたほど風力発電の開発が従来は行われていない。しかし、インフラストラクチャー成長戦略分野の主役として、年間1兆円を超える日本の風力発電市場の成長への期待がかけられている。陸上風力発電、洋上風力発電が、日本および世界において、どのように成長するのか。公募のルール作りが年内に本格化する状況において、参入する企業にとっての留意点はなにか。2023年の日本企業にとっての今後のビジネス・チャンスについて分かりやすく解説する。

  • 世界における風力発電の現状と今後の動き – ウクライナ危機と風力発電
  • 日本における風力発電の現状と今後の可能性 – 再エネ海域利用法、公募ルール
  • 再生可能エネルギーの一つとしての風力発電のメリット
  • 再生可能エネルギーとしての風力発電のデメリット
  • 世界における風力発電の資源量 – コストが安価な最大の再生可能エネルギー
  • 日本における風力発電の資源量 – 狭い国土と大きな排他的経済水域
  • 風力発電における技術革新の最新動向 – 風車の大型化と軽量化、低コスト
  • 陸上風力発電の最新動向と今後の可能性 – 日本と世界の市場規模
  • 洋上風力発電の最新動向と今後の可能性 – 海洋構造物の開発と環境規制緩和
  • 洋上風力発電の市場規模 – 期待される日本市場、台湾市場、欧州市場
  • 中国における風力発電の現状と今後の動向 – 中国企業の動きと価格競争力
  • 米国における風力発電の現状と今後の動向 – バイデン政権と洋上風力強化
  • 途上国における風力発電の今後の可能性 – 台湾、アフリカにおける開発動向
  • 風力発電に関する公募入札の今後の見通し – コスト引き下げと事業開始時期
  • 小型風力発電事業の現状と今後の動き – 日本の市場規模
  • 世界における風力発電の市場規模 – 巨大メーカーによる熾烈な競争
  • 日本における風力発電の市場規模 – 期待される浮体式の技術革新とコスト
  • 風力発電事業における日本企業の強み – 部品・素材技術の可能性
  • 風力発電事業の展開における留意点 – 経済性評価とコスト上昇、地元調整
  • 風力発電について日本企業がとるべき戦略 – 海外企業との機動的な連携

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 41,000円 (税別) / 45,100円 (税込)
複数名
: 20,500円 (税別) / 22,550円 (税込)

案内割引・複数名同時申込割引について

S&T出版からの案内をご希望の方は、割引特典を受けられます。
また、4名様以上同時申込で全員案内登録をしていただいた場合、3名様受講料 + 3名様を超える人数 × 19,800円(税込)でご受講いただけます。

  • Eメール案内を希望する方
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 36,000円(税別) / 39,600円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 41,000円(税別) / 45,100円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 60,000円(税別) / 66,000円(税込)
    • 4名様でお申し込みの場合 : 4名で 78,000円(税別) / 85,800円(税込)
    • 5名様でお申し込みの場合 : 5名で 96,000円(税別) / 105,600円(税込)
  • Eメール案内を希望しない方
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 41,000円(税別) / 45,100円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 82,000円(税別) / 90,200円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 123,000円(税別) / 135,300円(税込)
    • 4名様でお申し込みの場合 : 4名で 164,000円(税別) / 180,400円(税込)
    • 5名様でお申し込みの場合 : 5名で 205,000円(税別) / 225,500円(税込)

ライブ配信セミナーについて

  • 本セミナーは「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。
  • お申し込み前に、 視聴環境テストミーティングへの参加手順 をご確認いただき、 テストミーティング にて動作確認をお願いいたします。
  • 開催日前に、接続先URL、ミーティングID​、パスワードを別途ご連絡いたします。
  • セミナー開催日時に、視聴サイトにログインしていただき、ご視聴ください。
  • セミナー資料は、PDFファイルをダウンロードいただきます。
  • ご自宅への書類送付を希望の方は、通信欄にご住所・宛先などをご記入ください。
  • タブレットやスマートフォンでも受講可能ですが、機能が制限される場合があります。
  • ご視聴は、お申込み者様ご自身での視聴のみに限らせていただきます。不特定多数でご覧いただくことはご遠慮下さい。
  • 講義の録音、録画などの行為や、権利者の許可なくテキスト資料、講演データの複製、転用、販売などの二次利用することを固く禁じます。
  • Zoomのグループにパスワードを設定しています。お申込者以外の参加を防ぐため、パスワードを外部に漏洩しないでください。
    万が一、部外者が侵入した場合は管理者側で部外者の退出あるいはセミナーを終了いたします。
本セミナーは終了いたしました。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2024/12/23 固体酸化物形燃料電池の材料技術、セル作製と可逆動作セルの開発 オンライン
2025/1/16 FT合成による液体燃料の製造とその触媒技術 オンライン
2025/1/17 アンモニア利用の最新動向と利用技術 オンライン
2025/1/21 フレキシブル熱電変換デバイスの基礎と最新技術動向 オンライン
2025/1/21 核融合発電の産業化に向けたイノベーション技術と応用 オンライン
2025/1/23 水電解・グリーン水素製造の国内外の動向・課題および将来展望 オンライン
2025/1/23 カーボンニュートラル (CN) 社会における水素の現状と将来および技術動向 オンライン
2025/1/23 バイオマスとSAF (持続可能な航空燃料) を取り巻く最新動向と今後のビジネス・チャンス オンライン
2025/1/27 フレキシブル熱電変換デバイスの基礎と最新技術動向 オンライン
2025/1/28 二酸化炭素の有効利用技術とその最新動向 会場・オンライン
2025/1/29 水電解・グリーン水素製造の国内外の動向・課題および将来展望 オンライン
2025/1/29 カーボンニュートラル (CN) 社会と新しい再生可能エネルギーの技術動向 オンライン
2025/1/29 バイオマス利用のエタノール製造技術と課題 オンライン
2025/1/29 核融合発電の産業化に向けたイノベーション技術と応用 オンライン
2025/1/30 アンモニア利用の最新動向と利用技術 オンライン
2025/1/31 非鉛系ペロブスカイト太陽電池の高耐久、高効率化 オンライン
2025/2/6 ペロブスカイト化合物の構造、特性、太陽電池などへの応用、今後の展望 オンライン
2025/2/12 脱炭素で注目の水素エネルギーその活用のための「水素取り扱いの基礎」 東京都 会場・オンライン
2025/2/18 ペロブスカイト太陽電池の製造技術と軽量モジュールの社会実装に向けた課題 東京都 会場・オンライン
2025/2/28 二酸化炭素を原料とした液体合成燃料の製造技術と最新動向 オンライン

関連する出版物

発行年月
2024/2/25 2024年版 水素エネルギー市場の実態と将来展望
2024/1/26 2024年版 太陽光発電市場・技術の実態と将来展望
2023/11/24 2024年版 脱炭素エネルギー市場・技術と将来展望
2023/9/8 2024年版 スマートエネルギー市場の実態と将来展望
2023/7/7 2023年版 次世代住宅市場・技術の実態と将来展望
2023/6/9 2023年版 リチウムイオン電池市場の実態と将来展望
2023/5/31 アンモニアの低温・低圧合成と新しい利用技術
2023/4/7 2023年版 脱炭素社会の市場予測・技術と将来展望
2023/3/10 2023年版 二次電池市場・技術の実態と将来展望
2023/2/17 2023年版 水素エネルギーの市場予測と将来展望
2023/1/20 2023年版 太陽光発電市場・技術の実態と将来展望
2022/12/28 カーボンニュートラルに向けた水素製造・P2Gと関連技術の最新動向
2022/11/21 海洋エネルギーの活用技術 (CD-ROM版)
2022/11/21 海洋エネルギーの活用技術
2022/11/11 2023年版 スマートグリッド市場の実態と将来展望
2022/9/30 水素の製造とその輸送、貯蔵、利用技術
2022/7/15 2022年版 スマートエネルギー市場の実態と将来展望
2022/5/20 2022年版 スマートコミュニティ市場の実態と将来展望
2022/2/18 2022年版 二次電池市場・技術の実態と将来展望
2022/1/21 2022年版 太陽光発電市場・技術の実態と将来展望