技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

EVをはじめとした次世代自動車の最新動向とリチウム、コバルト、ニッケル等のレアメタルと希ガスの今後の見通し

EVをはじめとした次世代自動車の最新動向とリチウム、コバルト、ニッケル等のレアメタルと希ガスの今後の見通し

~次世代自動車の環境対応と技動動向 / 電池資源の価格、開発動向~
オンライン 開催

概要

本セミナーでは、全固体電池の開発、リチウム・コバルト・ニッケル資源の開発状況と価格を見通し、2030年に向けた次世代自動車の未来像を展望、日本企業にとっての事業機会について解説いたします。

開催日

  • 2022年8月19日(金) 13時00分 16時30分

修得知識

  • 次世代自動車の環境対応と技動動向
  • 電池資源の価格、開発動向

プログラム

 世界的な脱炭素の流れのなか、多くのエネルギー専門家の予測よりも速いペースで、電気自動車 (EV) をはじめとした次世代自動車への動きが加速している。他方、脱炭素実現のために必要不可欠なレア・メタル、レア・アース、希ガスの価格が、資源エネルギー大国ロシアによるウクライナへの侵攻により高騰している。リチウム価格は前年比6倍、ロシアが主生産国となっているニッケルは過去最高値、その他にも、ネオジム、ジスプロシウム、ネオン等のレア・アース価格、希ガス価格も高騰している。レア・メタルの価格高騰は、電気自動車の中心となっているリチウム・イオン電池の価格上昇につながる。
 ただし、世界的な電気自動車の流れは変わらず、これまでは電気自動車に距離を置いていると思われてきた世界首位の自動車メーカーのトヨタが、2021年12月14日に2030年に電気自動車の世界販売台数を350万台と大幅に引き上げ、投資額も蓄電池を含めて4兆円と、電気自動車に注力することを表明した。2022年1月にはソニーも、電気自動車をエンタテインメントの一つとして、参入を検討することを表明し、日本を代表するソニーとホンダが手を組み、既存の大手自動車メーカー、IT企業を巻き込んだ壮大な、「グレート・ゲーム」が始まった。COP26 (第26回国連気候変動枠組み条約締約国会議) において、世界はカーボン・ニュートラル (温室効果ガス排出実質ゼロ) に向かうことで一致した。
 EV (電気自動車) 、FCV (燃料電池車) 等の開発・生産に、世界の大手自動車メーカーが研究開発競争を繰り広げ、新興企業が事業機会を狙っている。世界の電気自動車販売台数は2021年の450万台から2035年には2,400万台に増加するという予測も行われている。世界最大の電気自動車メーカーであるテスラのEV販売台数は2021年に前年比87%増加し、年間93万台を超え、株式時価総額もGM、トヨタを上回り1兆ドル (約115兆円) に達している。その他の自動車メーカーのEV販売台数も、大きく増加している。日本を含めた世界において、脱ガソリン車への動きは加速している。英国は2030年、フランスは2040年、米国カリフォルニア州は2035年までに、ガソリン車、ディーゼル車の販売禁止を打ち出し、米国バイデン政権も2030年に新車販売の50%を電動化することを表明している。日本も2030年代半ばには、ガソリン車から、ハイブリッド車、電気自動車、燃料電池車等の電動化を目指すこととしている。自動車販売が好調な中国は、2035年には新車販売の50%について電気自動車をはじめとするNEV (新エネルギー車) として、残りの50%をハイブリッド車とする環境対応を打ち出し、テスラを追い抜くべく、トヨタ、フォルクス・ワーゲン、GM等の大手自動車メーカーが、電気自動車とリチウム・イオン電池の熾烈な開発競争を行っている。
 世界の自動車産業は、100年に1度といえる大きな変革を求められている。第1に地球環境保護への環境対応車の開発がある。気候変動対策、脱炭素社会の構築等への動きから、次世代自動車として、燃料電池車、電気自動車、EVトラック、プラグ・イン・ハイブリッド車 (PHV) 、天然ガス自動車、低燃費ガソリン車の開発・普及が、世界の自動車企業によって競われている。燃料電池車は、水素と酸素を反応させて電気を作る燃料電池による自動車として、究極のエコ・カーとされる。しかし、燃料電池車の車体コストが割高で、水素ステーションの設置数が少なく、普及が進まない。電気自動車も、リチウム・イオン電池の技術進歩により、1度の充電による走行距離が400キロを超えているものの、ガソリン自動車と比較して、「短い航続距離」、「少ない充電ステーション」、「長い充電時間」、「高価な蓄電池」が課題となっている。しかし、リチウム・イオン電池の技術革新と価格低下により、意欲的な見通しにおいては、2040年の世界の電気自動車市場は、新車販売の50%以上を占める。電気自動車は、スマート・フォンと比較して、1万倍近くのリチウム・イオン電池の容量を必要とし、レアメタルであるリチウム資源、コバルト資源の偏在と、需要の増加に供給が追いつかないうえに、ロシアによるウクライナへの侵攻もあって、正極材に使うリチウム、コバルト、ニッケルというレア・メタルの価格も高騰している。世界は、電気自動車の普及に向けて、レア・メタル、レア・アース争奪戦の様相を見せている。第2に自動運転、カー・シェア、ライド・シェア等の新たな自動車の将来像が現実のものとなりつつあることが挙げられる。今後は、AI (人工知能) を活用した、自動運転車の普及が本格化する可能性がある。電気自動車の普及は、ガソリン車に依存した部品メーカーの淘汰を促し、既存の自動車企業、部品メーカーとIT企業の提携を通じて、日本の自動車メーカーの勢力図を変貌させる可能性が強い。石油企業である出光興産も、小型EV販売への参入を目指している。
 米国をはじめとした世界各国が、地球環境に優しい次世代自動車育成の支援策を強化する動きを強めている。リチウム・イオン電池については、正極材、負極材、電解液、セパレーター等の素材において、日本企業が世界最先端の強みを持っていたが、製品、部品そのものは中国、韓国企業に世界市場を席捲されている。全固体電池の開発、リチウム、コバルト、ニッケル資源の開発状況と価格を見通し、2030年に向けて、次世代自動車の未来像を展望し、レア・メタルを含めて、日本企業にとっての事業機会について次世代自動車の第一人者が分かりやすく詳説する。

  1. COP26後のカーボン・ニュートラルの動きと電気自動車の販売の加速
  2. ロシアによるウクライナ侵攻とレア・メタル、レア・アース等の価格高騰
  3. 次世代自動車の普及状況とガソリン自動車の競争力と生き残り策
  4. 欧米における次世代自動車への政策動向と強化支援策
    • 脱ガソリン車
  5. 日本における次世代自動車への普及政策の今後
    • 電動化への最新動向
  6. 燃料電池車のメリットとデメリット
    • 量産化への制約
  7. 電気自動車のメリットとデメリット
    • 自動運転、蓄電池の価格と性能
  8. 電気自動車の今後の普及予測
    • 中国、米国、欧州諸国
  9. 天然ガス自動車のメリットとデメリット
    • 米国のシェール・ガス革命
  10. 燃料電池車の普及の可能性と市場規模
    • 燃料電池トラック、バス
  11. 水素ステーションの普及の可能性と市場規模
    • 水素社会の促進策
  12. 電気自動車と充電ステーションの普及の可能性と今後の市場規模
  13. リチウム・イオン電池に係わる日本企業の強み
    • 中国、韓国との競争
  14. リチウム資源の現状と今後の価格動向
    • リチウム資源の価格高騰
  15. コバルト、ニッケル資源の開発と今後の開発動向
    • ウクライナへの侵攻
  16. レア・アース、希ガスの今後の価格見通し
    • モーターと半導体の供給
  17. 天然ガス自動車と天然ガス・ステーションの普及の可能性と市場規模
  18. 自動運転技術の革新動向とライド・シェアによる次世代自動車の新たな動き
  19. ハイブリッド車、低燃費ガソリン車の開発の現状と可能性
    • 低価格とアジア
  20. 次世代自動車への日本企業のとるべき生き残り戦略
    • 電動化とコンセプト

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 41,000円 (税別) / 45,100円 (税込)
複数名
: 20,500円 (税別) / 22,550円 (税込)

案内割引・複数名同時申込割引について

S&T出版からの案内をご希望の方は、割引特典を受けられます。
また、4名様以上同時申込で全員案内登録をしていただいた場合、3名様受講料 + 3名様を超える人数 × 19,800円(税込)でご受講いただけます。

  • Eメール案内を希望する方
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 36,000円(税別) / 39,600円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 41,000円(税別) / 45,100円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 60,000円(税別) / 66,000円(税込)
    • 4名様でお申し込みの場合 : 4名で 78,000円(税別) / 85,800円(税込)
    • 5名様でお申し込みの場合 : 5名で 96,000円(税別) / 105,600円(税込)
  • Eメール案内を希望しない方
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 41,000円(税別) / 45,100円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 82,000円(税別) / 90,200円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 123,000円(税別) / 135,300円(税込)
    • 4名様でお申し込みの場合 : 4名で 164,000円(税別) / 180,400円(税込)
    • 5名様でお申し込みの場合 : 5名で 205,000円(税別) / 225,500円(税込)

ライブ配信セミナーについて

  • 本セミナーは「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。
  • お申し込み前に、 視聴環境テストミーティングへの参加手順 をご確認いただき、 テストミーティング にて動作確認をお願いいたします。
  • 開催日前に、接続先URL、ミーティングID​、パスワードを別途ご連絡いたします。
  • セミナー開催日時に、視聴サイトにログインしていただき、ご視聴ください。
  • セミナー資料は、PDFファイルをダウンロードいただきます。
  • ご自宅への書類送付を希望の方は、通信欄にご住所・宛先などをご記入ください。
  • タブレットやスマートフォンでも受講可能ですが、機能が制限される場合があります。
  • ご視聴は、お申込み者様ご自身での視聴のみに限らせていただきます。不特定多数でご覧いただくことはご遠慮下さい。
  • 講義の録音、録画などの行為や、権利者の許可なくテキスト資料、講演データの複製、転用、販売などの二次利用することを固く禁じます。
  • Zoomのグループにパスワードを設定しています。お申込者以外の参加を防ぐため、パスワードを外部に漏洩しないでください。
    万が一、部外者が侵入した場合は管理者側で部外者の退出あるいはセミナーを終了いたします。
本セミナーは終了いたしました。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2024/11/25 全固体電池における技術・研究開発の現状と今後の動向 オンライン
2024/11/26 リチウムイオン電池のリサイクル・リユース技術と市場の動向 オンライン
2024/11/26 グリーン水素製造のための光触媒を用いた「人工光合成」の基礎と応用、課題、最新動向 オンライン
2024/11/26 欧州のサーキュラーエコノミー政策と自動車産業 オンライン
2024/11/26 水素貯蔵・輸送材料および技術の課題・動向と水素エネルギー社会実現への展望 オンライン
2024/11/27 xEV用バスバー・接続と絶縁樹脂の技術動向 オンライン
2024/11/27 リチウムイオン電池の電極構成、特性と新型電池の材料技術、今後の展開 オンライン
2024/11/28 リチウムイオン電池のBMS設計と高精度残量推定手法・劣化予測手法 オンライン
2024/11/28 水電解によるグリーン水素製造への展望 オンライン
2024/12/3 カルノーバッテリー技術とPower to Heat技術に関連する高温蓄熱技術の最新動向 オンライン
2024/12/4 リチウムイオン電池のBMS設計と高精度残量推定手法・劣化予測手法 オンライン
2024/12/4 リチウムイオン電池の電極構成、特性と新型電池の材料技術、今後の展開 オンライン
2024/12/6 全固体電池における技術・研究開発の現状と今後の動向 オンライン
2024/12/7 自動車用パワーエレクトロニクスの基礎と技術動向 東京都 会場
2024/12/9 EVの熱マネジメントシステムと冷却・加熱技術 オンライン
2024/12/10 リチウムイオン電池のウェットプロセスとドライプロセス オンライン
2024/12/11 水素吸蔵材料の基礎と様々な水素貯蔵材料とその応用 オンライン
2024/12/11 導電性カーボンブラックの配合・分散技術と電池特性への影響 オンライン
2024/12/12 ペロブスカイト太陽電池の基礎から実用化に向けた課題・今後の展望 オンライン
2024/12/12 水電解によるグリーン水素製造への展望 オンライン

関連する出版物

発行年月
2024/6/24 EV用リチウムイオン電池のリユース&リサイクル
2024/4/15 無人配送車・システム 技術開発実態分析調査報告書 (CD-ROM版)
2024/4/15 無人配送車・システム 技術開発実態分析調査報告書
2024/2/25 2024年版 水素エネルギー市場の実態と将来展望
2024/1/26 2024年版 太陽光発電市場・技術の実態と将来展望
2023/11/30 EV用電池の安全性向上、高容量化と劣化抑制技術
2023/11/29 リチウムイオン電池の拡大、材料とプロセスの変遷 2023
2023/11/29 リチウムイオン電池の拡大、材料とプロセスの変遷 2023 [書籍 + PDF版]
2023/11/24 2024年版 脱炭素エネルギー市場・技術と将来展望
2023/11/15 EV用モータの資源対策
2023/11/14 x/zEV用電池の拡大 (目標、現状とグローバルな態勢) [書籍 + PDF版]
2023/11/14 x/zEV用電池の拡大 (目標、現状とグローバルな態勢)
2023/9/8 2024年版 スマートエネルギー市場の実態と将来展望
2023/7/7 2023年版 次世代住宅市場・技術の実態と将来展望
2023/7/6 x/zEVへの転換2023 (各国の現状、目標と課題) [書籍 + PDF版]
2023/7/6 x/zEVへの転換2023 (各国の現状、目標と課題)
2023/6/14 車載用リチウムイオン電池リサイクル : 技術・ビジネス・法制度
2023/6/9 2023年版 リチウムイオン電池市場の実態と将来展望
2023/5/31 アンモニアの低温・低圧合成と新しい利用技術
2023/5/19 世界の充電インフラ 最新業界レポート