技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

燃焼の化学反応と高効率化・低環境負荷技術

燃焼の化学反応と高効率化・低環境負荷技術

~化学反応制御の応用例、発電・自動車分野の最前線まで~
東京都 開催 会場 開催

開催日

  • 2019年6月24日(月) 10時30分 16時30分

受講対象者

  • 燃焼の高効率燃焼・環境対策技術を化学反応の観点より理解・発展させたい研究・開発業務担当者

修得知識

  • 燃焼で起こっている化学反応の正しい理解
  • 燃焼の環境に及ぼす影響の評価
  • 高効率燃焼・環境対策技術を研究・開発する際に、化学反応制御という新しい切り口で取り組めるようになる

プログラム

 現在、地球上で使われているエネルギーの80%以上が燃焼によって生み出されている。その一方で、NOx、すす等の有害な燃焼排出物による大気汚染や温室効果ガスである二酸化炭素による地球温暖化等の環境破壊が問題となっている。また、石油や天然ガス等の化石資源の枯渇問題も深刻である。これらを解決するための最終的な手段は、太陽光や風力発電等が化石資源の燃焼にとって代わることであるが、これらの再生可能エネルギーが世界のエネルギーの主役になるには未だ多くの技術的・経済的問題を克服しなければならず、相当の時間がかかるのが現状である。
 このような背景のもと、エミッションを最小限に抑えて燃焼させ、エネルギーを最大限の効率で取り出す技術の開発が短期的に実現可能な選択肢として重要となる。しかしながら、既に燃焼効率向上の試みは古くはオイルショックのころから行われ、従来の方法では既に限界に近づいており、今後の大幅な伸びしろは期待できない。そこで、まったく新しい概念の一つとして、燃焼の化学反応を制御することによる燃焼効率向上が、自動車業界をはじめとして注目されている。
 本セミナーでは、燃焼を理解する上で必要な基礎事項をチェックした後、燃焼の本質である化学反応について基礎から平易に講義する。化学反応制御の応用例として、NOx、すす等の環境対策技術や自動車の熱効率向上のポイントとなるノッキング制御について解説する。さらに地球温暖化対策として、二酸化炭素の排出量が多い発電と自動車をとりあげ、それぞれの対策技術の最先端を紹介する。
 以上の内容に加えて、自動車エンジン熱効率50%の目標を達成し、今年3月に成功裏に終了する国家研究プロジェクト『戦略的イノベーション創造プログラム (SIP) – 革新的燃焼技術』についても、研究メンバーの立場から成果を紹介するとともに、今後の科学技術立国としての生き残りのための産産学学連携の意義についても解説する。
 本セミナーを通して、化学を専門としていない研究者が高効率燃焼・環境対策技術の開発に、化学反応制御という新しい切り口で取り組むきっかけとなれば幸いである。

  1. 燃焼の基礎
    1. 燃焼の概念と分類
    2. 当量比、空気比、燃空比、空燃比
    3. 可燃限界
    4. 引火点と着火温度
    5. 火炎の構造
    6. 断熱火炎温度
    7. 燃焼速度と火炎伝播速度
    8. 燃焼の基礎のまとめ
  2. 燃焼の化学反応
    1. 燃焼の化学反応の特徴
    2. 化学平衡と反応速度
    3. 全反応と素反応
    4. 連鎖反応
    5. 水素燃焼の化学反応
    6. 一酸化炭素燃焼の化学反応
    7. 炭化水素の高温燃焼
    8. 炭化水素の低温燃焼とノッキング
    9. 燃焼における反応シミュレーションの現状
    10. 燃焼の化学反応のまとめ
  3. 燃焼排出物と環境対策技術
    1. 窒素酸化物の発生メカニズムと対策技術
    2. 硫黄酸化物の発生メカニズムと対策技術
    3. 一酸化炭素の発生メカニズムと対策技術
    4. PM (すす) の発生メカニズムと対策技術
    5. ダイオキシンの発生メカニズムと対策技術
    6. 燃焼排出物と環境対策技術のまとめ
  4. 地球温暖化対策の最前線
    1. 温暖化現象と防止の国際的シナリオ
    2. 発電の温暖化対策技術最前線
    3. 自動車の温暖化対策技術最前線
  5. 総括
    • 質疑応答・名刺交換

講師

  • 高橋 和夫
    上智大学 理工学部 物質生命理工学科
    教授

会場

品川区立総合区民会館 きゅりあん

5F 第1講習室

東京都 品川区 東大井5丁目18-1
品川区立総合区民会館 きゅりあんの地図

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 42,750円 (税別) / 46,170円 (税込)
複数名
: 22,500円 (税別) / 24,300円 (税込)

複数名同時受講の割引特典について

  • 2名様以上でお申込みの場合、
    1名あたり 22,500円(税別) / 24,300円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 42,750円(税別) / 46,170円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 45,000円(税別) / 48,600円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 67,500円(税別) / 72,900円(税込)
  • 同一法人内 (グループ会社でも可) による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 請求書および領収書は1名様ごとに発行可能です。
    申込みフォームの通信欄に「請求書1名ごと発行」と記入ください。
  • 他の割引は併用できません。
本セミナーは終了いたしました。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2025/1/16 FT合成による液体燃料の製造とその触媒技術 オンライン
2025/1/17 アンモニア利用の最新動向と利用技術 オンライン
2025/1/21 フレキシブル熱電変換デバイスの基礎と最新技術動向 オンライン
2025/1/21 核融合発電の産業化に向けたイノベーション技術と応用 オンライン
2025/1/22 窒素酸化物 (NOx・N2O) の発生メカニズムと抑制技術 オンライン
2025/1/23 カーボンニュートラル (CN) 社会における水素の現状と将来および技術動向 オンライン
2025/1/23 バイオマスとSAF (持続可能な航空燃料) を取り巻く最新動向と今後のビジネス・チャンス オンライン
2025/1/27 フレキシブル熱電変換デバイスの基礎と最新技術動向 オンライン
2025/1/28 二酸化炭素の有効利用技術とその最新動向 会場・オンライン
2025/1/28 窒素酸化物 (NOx・N2O) の発生メカニズムと抑制技術 オンライン
2025/1/29 カーボンニュートラル (CN) 社会と新しい再生可能エネルギーの技術動向 オンライン
2025/1/29 核融合発電の産業化に向けたイノベーション技術と応用 オンライン
2025/1/29 バイオマス利用のエタノール製造技術と課題 オンライン
2025/1/30 アンモニア利用の最新動向と利用技術 オンライン
2025/2/6 ペロブスカイト化合物の構造、特性、太陽電池などへの応用、今後の展望 オンライン
2025/2/12 脱炭素で注目の水素エネルギーその活用のための「水素取り扱いの基礎」 東京都 会場・オンライン
2025/2/13 リチウムイオン電池におけるドライプロセスの現状とバインダーの技術展望 オンライン
2025/2/18 ペロブスカイト太陽電池の製造技術と軽量モジュールの社会実装に向けた課題 東京都 会場・オンライン
2025/2/28 二酸化炭素を原料とした液体合成燃料の製造技術と最新動向 オンライン
2025/3/6 ペロブスカイト太陽電池の製造技術と軽量モジュールの社会実装に向けた課題 オンライン

関連する出版物

発行年月
2024/2/25 2024年版 水素エネルギー市場の実態と将来展望
2024/1/26 2024年版 太陽光発電市場・技術の実態と将来展望
2023/11/24 2024年版 脱炭素エネルギー市場・技術と将来展望
2023/9/8 2024年版 スマートエネルギー市場の実態と将来展望
2023/6/9 2023年版 リチウムイオン電池市場の実態と将来展望
2023/5/31 アンモニアの低温・低圧合成と新しい利用技術
2023/3/10 2023年版 二次電池市場・技術の実態と将来展望
2023/2/17 2023年版 水素エネルギーの市場予測と将来展望
2023/1/20 2023年版 太陽光発電市場・技術の実態と将来展望
2022/11/21 海洋エネルギーの活用技術
2022/11/21 海洋エネルギーの活用技術 (CD-ROM版)
2022/11/11 2023年版 スマートグリッド市場の実態と将来展望
2022/9/30 水素の製造とその輸送、貯蔵、利用技術
2022/7/15 2022年版 スマートエネルギー市場の実態と将来展望
2022/2/18 2022年版 二次電池市場・技術の実態と将来展望
2022/1/21 2022年版 太陽光発電市場・技術の実態と将来展望
2021/12/16 カーボンニュートラルに向けた中低温産業排熱の最新利用技術と実践例
2021/12/10 2022年版 スマートデバイス市場の実態と将来展望
2021/11/19 世界のカーボンニュートラル燃料 最新業界レポート
2021/9/17 2021年版 スマートグリッド市場の実態と将来展望