技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

UV硬化型コート材の特徴と各種機能性の付与技術

UV硬化型コート材の特徴と各種機能性の付与技術

~基礎から応用まで~
東京都 開催 会場 開催 個別相談付き

概要

本セミナーでは、UV硬化型コーティングの基礎から解説し、付着性、耐擦傷性、硬度、耐候性、耐光性、耐汚染性などの機能付与について詳解いたします。

開催日

  • 2011年8月25日(木) 12時30分 16時30分

受講対象者

  • 紫外線硬化コーティングに関連する技術者、開発者、研究者
    • ナノインプリント
    • 電子部品・光学部品などの接着・乾燥
    • 印刷インキの乾燥
    • 塗料・塗装コーティング剤の乾燥・硬化
    • 光ファイバ等の保護コーティング
    • 光造形
    • 3Dプリンター
    • ジェルネイル等の装飾品 など
  • 紫外線硬化コーティングの初心者、これからUV硬化コーティングに携わる方
  • 紫外線硬化コーティングで課題を抱えている方

修得知識

  • UV硬化型コーティング材の基礎
  • UV硬化型コーティング材の硬化挙動の測定方法
  • UV硬化型コーティング材の付着性向上
  • UV硬化型ハードコート材の耐擦傷性・硬度向上
  • UV硬化型ハードコート材の耐候性
  • 耐指紋性・耐汚染性に優れたUV硬化型ハードコート材
  • UV硬化型ハードコート材による意匠性付与

プログラム

 素材が金属、ガラス、セラミックからプラスチックに変わる中で、プラスチックの欠点である耐擦傷性を改良するためにUV硬化型コート材が広汎に使われるようになってきている。具体的には、化粧品容器、携帯電話の筐体、デジタルカメラの筐体などに使われている。
 UV硬化型コート材を開発するに当たって様々な問題、付与すべき機能がある。具体的には、付着性、耐擦傷性、硬度、耐候性、耐光性、耐汚染性などの付与である。
 講師の経験と最近の報文を参考にしながら、これらの諸機能の基礎的な理解と具体的な付与技術について判り易く解説します。今後の開発のヒントになれば幸いと思っております。

  1. UV硬化型コーティング材の基礎知識
    1. UV硬化型コーティング材の種類と特徴
      1. UV硬化型コーティング材とは
      2. 紫外線 (UV) の波長と特徴
      3. UV硬化型コート材の種類と特徴
        1. ラジカル重合型
        2. カチオン重合型
        3. アニオン重合型
    2. ラジカル硬化型UVコーティング材について
      1. 反応の仕組み
        1. 第1段階:ラジカルの生成
        2. 第2段階:重合反応の開始
        3. 第3段階:ポリマー化 (3次元架橋反応) :硬化
      2. UV硬化型コーティング材の構成成分と樹脂成分
        1. UV硬化型コーティング材の構成成分
        2. 主なオリゴマーの種類、特徴と主なメーカー
      3. 樹脂の変遷
      4. ウレタンアクリレート
      5. ポリエステルアクリレート
      6. エポキシアクリレート
      7. 不飽和ポリエステル
      8. アクリルアクリレート
      9. ハイパーブランチ
      10. 光開始剤
        1. 開始剤の変遷
        2. 開始剤の種類、特徴と主なメーカー
  2. UV硬化型コーティング材の硬化挙動の測定方法と挙動の特徴
    1. 硬化挙動把握の重要性
    2. 硬化挙動への影響因子と物性
      1. 硬化挙動への影響因子
      2. 硬化状態と物性
    3. 酸素による硬化阻害 (UV硬化型コーティング材の硬化挙動の特徴)
      1. 酸素による硬化障害が起こる理由
      2. 酸素による硬化障害の測定例
    4. UV硬化型コーティング材の硬化挙動の解析方法
      1. 硬化物の硬度による硬化挙動の解析
        1. 引っ掻き硬度 (鉛筆硬度試験)
        2. 耐スチールウール試験
        3. ナノインデンテーション硬度試験 (微小硬度試験)
        4. 各硬度試験の特徴
      2. ゲル分率による硬化挙動の解析
      3. 赤外分光々度法による硬化挙動の解析
        1. 全反射測定法の概要
        2. 反応率の算出方法の概要
        3. 測定実例
      4. リアルタイムFTIRによる硬化挙動の解析
      5. 光DSCによる硬化挙動の解析
      6. ラマン分光分析法を用いた硬化挙動の解析
      7. NIR (近赤外) 分光分析法を用いた硬化挙動の解析
      8. 誘電分析 (DEA) による硬化挙動の解析
  3. UV硬化型コーティング材の付着性向上技術
    1. はじめに
    2. 付着性に関与するUVコート材特有の要因
      1. 硬化時の硬化収縮について
        1. 硬化収縮とは?
        2. 硬化収縮の測定方法:比重法による測定方法、ひずみ法
        3. 硬化収縮の一般的な傾向
        4. 硬化収縮を少なくする方法
      2. UV硬化条件と付着性
        1. UV照射条件と付着性の関係について
        2. 膜厚と反応率について
        3. 照射条件の最適化
    3. 付着理論について
      1. 剥離の形態について
      2. 付着の理論
        1. ぬれと付着
        2. 付着理論の概要
          • 拡散説
          • 吸着説
          • 電気接着説
          • 投錨効果説
          • WBL層からの剥離
        3. 各付着の理論をどう考えるか
    4. 付着理論をベースとした付着性向上方法について
      1. プラスチック素材への付着について
        1. 極性の低い高分子素材の場合
          • PS
          • PC
          • PPなど
        2. 極性の高い高分子素材の場合
          • ABS
          • PET
          • アクリル樹脂など
      2. 無機素材 (金属・ガラス) への付着について
        1. 吸着説を利用して付着性を向上させる。
        2. 化学結合を利用して付着性を向上させる。
    5. 前処理で付着性を向上させる方法について
      1. 一般的な前処理
        1. 脱脂
        2. 研磨ないしブラスト
      2. 難付着性高分子素材 (PET,PPなど) の前処理
        1. フレーム処理
        2. コロナ放電処理
        3. プラズマ処理
  4. UV硬化型ハードコート材での耐擦傷性・硬度向上技術
    1. 各種ハードコートとUV硬化型ハードコートの特徴
      1. ハードコートの種類と簡単な特徴
      2. UV硬化型ハードコートが使用されている主な分野 (プラスチック素材向け)
    2. 一般的な耐摩耗性・耐擦傷性試験について
      • スチールウールによる耐摩耗性・耐擦傷性試験
      • 砂消しゴム摩耗試験
      • テーバー摩耗試験など
    3. 塗膜のレオロジーからみた耐摩耗性・耐擦傷性について
    4. 耐摩耗性・耐擦傷性を向上させる方法
      1. 架橋密度を向上させて耐摩耗性・耐擦傷性を向上させる方法
        1. UVハードコート剤の表面硬化性を向上させる方法 (酸素による硬化障害の防止)
        2. ラジカル重合の酸素による硬化障害の化学
        3. 酸素による硬化障害の防止方法:コート剤の配合による対策、イナートシステム
      2. 無機化合物をハイブリッド化して耐摩耗性・耐擦傷性を向上させる方法
        1. シリカとハイブリッド化する方法
        2. シリカ、アルミナを併用しハイブリッド化する方法
        3. アルミナ (ナノサイズ) とのハイブリッド
      3. 潤滑物質を使用して耐摩耗性・耐擦傷性を向上する方法
        1. 液状潤滑物質で向上させる方法
        2. 固体潤滑物質で向上させる方法
          • 無機系の固体潤滑物質
          • 有機系の固体潤滑物質
  5. 耐指紋性・耐汚染性に優れたUV硬化型ハードコート材
    1. 指紋とは?
    2. 指紋の特徴
    3. 指紋付着性の評価方法
    4. 耐指紋性・耐汚染性UVハードコート剤の紹介
  6. UV硬化型ハードコート材への耐候性向上技術
    1. 耐光性試験の種類と特徴と主な規格
      1. S-W-O-M
      2. キセノン
      3. フェドメーカー
      4. 紫外線
    2. 耐光性の化学
      1. 紫外線のエネギーと化学結合
      2. 変色とショーキングの違い
      3. 発色団と助色団
    3. UV硬化型コート材の耐光性が悪い理由
      1. 樹脂の問題
      2. 光開始剤の問題
    4. UV硬化型コート材の耐光性向上の技術
      1. 樹脂の選択
      2. 光開始剤の選択
      3. 紫外線吸収剤 (UVA) の種類と特徴
      4. HALSの種類と特徴
      5. 紫外線遮蔽材料
      6. 各種手法の組み合わせ方
  7. UV硬化型ハードコート材による意匠性付与技術
    1. 一般的な塗装工程とライン構成
    2. 具体的な2コート系の塗装工程について
    3. 色材について
      1. 高輝度アルミ
        1. シルバーダラータイプの高輝度アルミ
        2. 蒸着アルミ (PVDアルミ)
      2. 新規のパール顔料
    4. 再帰反射を利用した高意匠塗装について
      1. 高輝度アルミを使い再帰反射を利用した意匠の具体例
      2. 蒸着を使い再帰反射を利用した意匠塗装の具体例
  • 質疑応答・名刺交換・個別相談

会場

江東区産業会館

第2会議室

東京都 江東区 東陽4丁目5-18
江東区産業会館の地図

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 45,000円 (税別) / 47,250円 (税込)
複数名
: 47,600円 (税別) / 49,980円 (税込) (案内をご希望の場合に限ります)

割引特典について

  • R&D支援センターからの案内登録をご希望の方は、割引特典を受けられます。
    • 1名でお申込みいただいた場合、1名につき47,250円 (税込)
    • 2名同時にお申し込みいただいた場合、2人目は無料 (2名で49,980円)
    • 案内登録をされない方、1名につき49,980円 (税込)
本セミナーは終了いたしました。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2024/11/29 紫外線・赤外線・熱線遮蔽材料の設計、応用、遮蔽性評価技術 オンライン
2024/11/29 UV硬化接着剤の材料設計と深部硬化 オンライン
2024/11/29 エポキシ樹脂の最新技術動向と設計技術および今後の課題 オンライン
2024/12/3 フィルムの乾燥技術、乾燥プロセスの最適化とトラブル対策 オンライン
2024/12/4 エポキシ樹脂の基礎および各硬化剤の使い方・選び方 オンライン
2024/12/4 レオロジーの基礎と測定法 オンライン
2024/12/4 防汚コーティングの基礎知識と評価手法 オンライン
2024/12/5 分子間力や表面張力の考え方、そのコントロールと測定法 オンライン
2024/12/6 ゾル-ゲル法の基礎と機能性材料作製への応用および新展開 オンライン
2024/12/6 フッ素フリー撥水材の開発と応用 オンライン
2024/12/9 ウェット塗工における欠陥対策と均一塗布技術 オンライン
2024/12/9 ハードコート剤の開発、材料設計、調製、特性評価、高機能化、応用展開 オンライン
2024/12/10 樹脂部品の特性と材料費/加工費/型費の概算法から検図法まで学ぶ超実務設計 オンライン
2024/12/10 高分子材料の劣化・変色技術の基礎と防止処方技術 オンライン
2024/12/11 ダイコーティングの基礎とトラブル対策 オンライン
2024/12/11 塗布膜乾燥プロセスの解明・考察・本質の理解と塗布膜の設計、不良・欠陥対策への応用 オンライン
2024/12/11 チクソ性の基礎、制御、測定・評価と実用系への活用方法 オンライン
2024/12/11 ポリマー・高分子材料のモノマー化・解重合技術の基礎とケミカルリサイクルの技術動向 オンライン
2024/12/11 防汚コーティングの基礎知識と評価手法 オンライン
2024/12/13 プラスチック加飾技術の最新動向と今後の展望 オンライン

関連する出版物