技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー
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2013年に入ってからのアベノミクスによる円安の進展、国内景気の回復基調によって、割安な海外石油化学製品の流入の減少、国内の自動車産業の業績改善が進み、2013年夏における低密度ポリエチレンをはじめとした合成樹脂の生産は増加している。価格転嫁も徐々に進み、日本の石油化学企業は、業績が急速に改善しているといえる。しかし、この2年間における米国を震源地とするシェール・ガス革命によって、世界の石油化学産業の地図が急速に塗り替えられつつある。
日本の石油化学産業は、2011年春までは予想以上の活況を呈していた。その理由は中国向けを中心に自動車、家電製品に利用する合成樹脂の需要が急増していたからである。しかし、欧州諸国における信用危機に端を発する世界経済の景気後退とともに、中国向けをはじめとしたポリエチレン、ポリプロピレンの需要が大きく減少し、2012年度のエチレン生産量は626万1,000トンと3年度連続してマイナスとなった。今後の自動車をはじめとした国内需要の増加、円安の進展による輸出競争力の向上によって、2014年3月期は、エチレン・プラントの稼働率が上昇することが見込まれる。しかし、2013年の春節以降の中国需要が予想以上に低迷しているものの、石油化学産業の原料となるナフサの価格は、原油価格の上昇から、2013年9月には1トン当たり929ドルまで上昇し、合成樹脂の国内価格引き上げが難航している。回復の明るさが見え始めたとはいえ、日本の石油化学産業を取り巻く状況は厳しい。①2013年の春節以降も、中国における石油化学製品需要が伸び悩んでいること、②ロー・コストの天然ガスを原料とする安価な中東諸国の石油化学製品のアジア市場流入が増加していること、③米国におけるシェール・ガス革命による、ナフサの10分の1程度という安価なエタンを原料とする欧米石油化学メーカーの相次ぐ巨大エチレン・プラントの建設計画、が挙げられる。
国内においては、原料価格を最終製品価格に十分転嫁できないという問題を抱えている。既に、三菱化学はエチレン生産能力の3割削減を打ち出し、国内の過剰生産能力統合・再編への動きが本格化してきた。他方、日本企業は、電子機器向けをはじめとした高機能プラスチックの増産、アジア諸国への工場展開、旭化成、出光興産をはじめとして米国におけるシェール・ガスを利用した石油化学製品製造技術の開発に活路を見出そうとしている。
こうした日本の石油化学企業における海外展開戦略の最新動向と高機能樹脂の今後の可能性、石油化学企業の戦略とシェール・ガス革命に伴う事業機会について的確に詳説する。
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