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易解体性接着の分子、材料の設計技術と開発動向

易解体性接着の分子、材料の設計技術と開発動向

~接着強度・長期安定性と易解体性の両立 / 分解のメカニズム、各トリガーごとの開発事例、技術トレンド~
オンライン 開催

概要

本セミナーでは、易解体性接着剤を取り上げ、易解体のメカニズム、熱・化学的な安定性、機械的強度を持ち、分解性を有する材料の設計方法を解説いたします。

開催日

  • 2025年9月19日(金) 10時30分17時00分

受講対象者

  • 接着剤・粘着剤関連の技術者、研究者
  • リサイクル関連、環境調和型ポリマー材料に関連する技術者、研究者
  • 材料、機械、構造物分野における易解体性接着接合に関心のある方

修得知識

  • 環境調和型高分子の基礎知識
  • 藻類バイオマスの接着材料への応用
  • 接着強度の評価方法
  • 熱応答型易解体性接着材料の開発
  • 電気パルス法の基礎
  • 電気パルス法の工業的応用
  • 有機リチウムイオン二次電池に関する動向
  • 物質探索のためのマテリアルズインフォマティクスの活用
  • 高い分解性と高い安定性の両立

プログラム

第1部 易解体性接着の動向と安定性・分解性を両立する熱応答型易解体性接着材料の設計

(2025年9月19日 10:30〜12:00)

 易解体性接着に関わった経緯に始まり、易解体性接着のための材料開発の難しさをどのようにして克服していったのかを、これまで開発してきた幾つかの具体的なポリマー材料を例にあげて、それら材料の特徴と開発のポイントをそれぞれ説明する。
 また、最近取り組んでいる熱酸発生剤を併用することによって可能になった安定性と分解性を両立する熱応答型易解体性接着材料の開発についても詳しく技術内容を説明する。

  1. 接着に関する基本事項説明 (つけてはがすための基本条件)
  2. 接着剤と粘着剤について
  3. 易解体性接着に関する最近の研究開発の動向 (概観)
  4. 様々な外部刺激に応答する易解体性接着材料の研究紹介 (概要)
  5. 演者の易解体性接着材料の開発事例の紹介
    1. 易解体性接着材料の研究を開始した経緯
    2. ポリペルオキシドを用いる易解体性接着材料の開発
    3. アクリル系二重保護型易解体性接着材料の開発
    4. BOC保護型熱応答性の易解体性接着材料の開発
    5. 安定性と分解性を両立した熱応答型易解体性接着材料の開発
  6. まとめと今後の展望
    • 質疑応答

第2部 セラミックス粒子を用いた易解体性異種材接着接合

(2025年9月19日 13:00〜14:30)

  1. 解体性接着剤の開発
    1. 熱硬化性樹脂基材にセラミックス粒子を含有した接着剤
    2. マイクロ波をトリガーとした易解体性異材接着接合手法
  2. 解体性接着剤の評価
    1. 粒子の含有量が強度に及ぼす影響
    2. 粒径が強度に及ぼす影響
    • 質疑応答

第3部 複数回の接着と解体が実現できる解体性接着技術

(2025年9月19日 14:45〜15:45)

  1. 解体材料の必要性
  2. 架橋型易剥離粘着剤
    1. 架橋型易剥離粘着剤の設計
    2. 架橋型易剥離粘着剤の剥離メカニズム
  3. 分解型易剥離粘着剤
    1. ポリウレタン型粘着剤とポリアセタール型粘着剤
    2. ポリアセタール型易剥離粘着剤
  4. 光分解性架橋剤
    1. 光分解性架橋剤の概要
    2. 光分解性架橋剤を用いた架橋樹脂の光分解
    3. 光重合と光分解が可能なフォーミュレーション
    4. 光分解性架橋剤の未来
    • 質疑応答

第4部 可動性架橋を用いた安定接着と刺激応答性の易解体接着

(2025年9月19日 16:00〜17:00)

 現代社会の生活において、高分子材料は欠かすことのできない材料であるが、昨今の環境問題の状況において、研究者は機能性の追求のみならず、環境低負荷である材料設計を常に意識する必要性がる。そのものの材料自身が安定であり長寿命であれば、廃棄物の低減にも繋がるため、新たな高分子材料の長寿命化・安定化に寄与する分子設計・材料設計が求められている。
 一方で、高分子材料の長寿命化・安定化のみならず、高分子材料自身の回収と再利用自身も容易であることが望ましい。製品となって一体になった有機・無機・金属材料のままでは、それぞれの材料の再利用は難しく、製品として利用している時は安定ではあるが、廃棄した後は求めるタイミングで分離・分解・回収することができれば、それぞれの材料は資源と見なし、再利用が可能となる。
 このような総合的な分子設計・材料設計を駆使した『分解・劣化・安定化』の科学は、従来の価値観では廃棄物と思われている製品から高分子材料を資源として回収する重要な技術に繋がる。

  1. 重合性シクロデキストリン (CD) 誘導体を用いた架橋設計
    1. 可逆的な架橋からなる材料設計
    2. 可動性の架橋からなる材料設計
    3. 重合性のシクロデキストリン (CD) 誘導体を基幹化合物とした架橋設計
    4. アクリレート系のビニルポリマー
    5. ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリシロキサンの研究事例
  2. 可逆性架橋材料と可動性架橋材料から生み出される機能
    1. 材料の伸びと靭性といった力学特性の向上
    2. 分子接着性や材料強度が回復する自己修復機能
    3. 『分解・安定化』に関する研究開発動向
    • 質疑応答

講師

  • 松本 章一
    大阪公立大学 大学院 工学研究科 物質化学生命系専攻 応用化学分野
    教授
  • 倉敷 哲生
    大阪大学 大学院 工学研究科 ビジネスエンジニアリング専攻
    教授
  • 舘 秀樹
    地方独立行政法人 大阪産業技術研究所 和泉センター 高分子機能材料研究部
    研究室長 (主幹研究員)
  • 高島 義徳
    大阪大学 大学院 理学研究科 高分子科学専攻
    教授

主催

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お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 60,000円 (税別) / 66,000円 (税込)
複数名
: 55,000円 (税別) / 60,500円 (税込)

複数名同時受講割引について

  • 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 55,000円(税別) / 60,500円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 60,000円(税別) / 66,000円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 110,000円(税別) / 121,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 165,000円(税別) / 181,500円(税込)
  • 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 請求書は、代表者にご送付いたします。
  • 他の割引は併用できません。

アカデミック割引

  • 1名様あたり 30,000円(税別) / 33,000円(税込)

日本国内に所在しており、以下に該当する方は、アカデミック割引が適用いただけます。

  • 学校教育法にて規定された国、地方公共団体、および学校法人格を有する大学、大学院、短期大学、附属病院、高等専門学校および各種学校の教員、生徒
  • 病院などの医療機関・医療関連機関に勤務する医療従事者
  • 文部科学省、経済産業省が設置した独立行政法人に勤務する研究者。理化学研究所、産業技術総合研究所など
  • 公設試験研究機関。地方公共団体に置かれる試験所、研究センター、技術センターなどの機関で、試験研究および企業支援に関する業務に従事する方
  • 支払名義が企業の場合は対象外とさせていただきます。
  • 企業に属し、大学、公的機関に派遣または出向されている方は対象外とさせていただきます。

ライブ配信セミナーについて

  • 本セミナーは「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。
  • お申し込み前に、 Zoomのシステム要件テストミーティングへの参加手順 をご確認いただき、 テストミーティング にて動作確認をお願いいたします。
  • 開催日前に、接続先URL、ミーティングID​、パスワードを別途ご連絡いたします。
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  • セミナー資料は郵送にて前日までにお送りいたします。
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    印刷物は後日お手元に届くことになります。
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本セミナーは終了いたしました。