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全固体リチウムイオン電池技術の研究開発動向

全固体リチウムイオン電池技術の研究開発動向

~全固体電池の開発現況・課題の整理から、高容量Si負極・硫黄系正極材料、新たな材料解析技術まで~
オンライン 開催

開催日

  • 2022年8月30日(火) 10時30分 17時00分

受講対象者

  • 全固体電池や次世代電池の研究開発者
  • 化学・材料メーカーの研究開発者
  • 全固体電池の研究に、これから携わろうとしている方 など

修得知識

  • 全固体電池の課題と研究・開発動向
  • 想定される全固体電池の製造プロセス
  • 全固体電池の実用化に向けた今後の見通し
  • 体積変化の課題に対する研究動向
  • 注目されるリチウム硫黄電池 (液系・固体系) に使用される硫黄系正極活物質の開発動向
  • ケルビンプローブフォース顕微鏡による全固体電池材料の新たな解析技術の研究動向

プログラム

第1部 全固体電池の基礎、課題と研究開発動向

(2022年8月30日 10:30〜12:00)

 脱炭素社会実現が国際社会のキーワードで、その実現のためには従来の化石燃料中心の社会からの構造変革が求められています。化石燃料発電から太陽光発電や風力発電等の再生可能エネルギーへの大幅な転換、EV等の自動車の電動化の推進等です。電池はそれを実現するためのキー技術の一つです。その中心をなすリチウムイオン電池の性能向上と共に、更なる高性能化へのニーズに応えるべく新しい電池の開発が求められています。電池のエネルギー密度をより高く、より大きな入出力特性、低温から高温までの広い範囲の温度特性、より長い寿命特性、より高い安全性等を兼ね備える電池です。これらを実現するため、ポストリチウムイオン電池として種々の電池候補が提案されています。
 このような状況下で、全固体電池は上記の要求事項を高い次元でクリアできる可能性を秘めた電池として、現在国内外において精力的に研究開発が行われています。実用化への動きも加速しており、トヨタ自動車は全固体電池を搭載したHEVを2020年代前半に市販、日産自動車は2028年までに全固体電池を搭載したEVを発売すると発表しています。また海外でも相次いで全固体電池搭載のEVが発表されています。例えば、フォルクスワーゲンは2025年、ステランティスは2026年をめどに市販すると報道されています。
 本講演では、全固体電池の開発現況、現状の課題、今後の見通しに関してお話しさせて頂きます。

  1. 序論
  2. 全固体電池の課題
  3. 全固体電池の研究開発
    1. 硫黄系全固体電池
    2. 酸化物系全固体電池
    3. ハロゲン系全固体電池
  4. 全固体電池の製造プロセス
  5. 今後の課題と展望
    • 質疑応答

第2部 高容量・高安定Si負極による高エネルギー密度全固体電池の可能性

(2022年8月30日 12:50〜14:05)

 電気自動車の大量普及に向け、リチウム電池用高容量負極の安定動作は喫緊の課題である。本講演では、活物質の体積変化が引き起こす高容量負極の主な課題 (不安定な固体電解質界面相 (SEI) 保護膜と活物質材の微粉化) と、これら課題を克服する技術として我々が負極膜を用いて検討した技術 (無機固体電解質の利用と活物質材へのナノ多孔構造導入) ならびに実用化へ向け負極粉末を用いて検討した技術を紹介する。

  1. 全固体リチウム電池について
  2. シリコン負極について
  3. 硫化物固体電解質とアモルファスシリコン負極膜の界面について
  4. ナノ多孔構造を導入したアモルファスシリコン負極膜の利用について
  5. シリコンナノ粒子電極体負極の利用について
    • 質疑応答

第3部 硫黄変性ポリアクリロニトリル“SPAN“の開発と液系・固体系Li-S電池への応用

(2022年8月30日 14:15〜15:40)

 多種多様な電池が求められている昨今、リチウム-硫黄二次電池 (Li-S電池) は、SDGs達成のキーとなる次世代二次電池の1つとして期待されている。本講座では、Li-S電池に使用される硫黄系正極活物質について、ポリマー材料である硫黄変性ポリアクリロニトリル「SPAN」を中心に特徴を紹介する。また、Li-S電池の特長の1つである軽量化へのチャレンジ (液系) 、そして固体系Li-S電池 (ポリマー系,硫化物系) および非Li-S電池への適用について説明する。

  1. 株式会社ADEKAの紹介
  2. リチウムイオン二次電池とリチウム-硫黄二次電池 (Li-S電池)
  3. 硫黄系活物質
  4. 硫黄変性ポリアクリロニトリル (SPAN)
  5. 液系Li-S電池へのSPANの適用
  6. 固体系Li-S電池へのSPANの適用 (ポリマー系,硫化物系)
  7. 非Li-S電池へのSPANの適用
    • 質疑応答

第4部 電位計測技術を基盤とした全固体電池材料解析技術の開発

(2022年8月30日 15:50〜17:00)

 全固体リチウムイオン電池のさらなる高性能化には、高度な評価・解析技術の開発が必要不可欠である。走査型プローブ顕微鏡の一種であるケルビンプローブフォース顕微鏡 (KPFM) は、試料表面の電位分布を高い空間分解能で測定する手法であり、近年、デバイス評価への応用が盛んにおこなわれている。
 本セミナーでは、KPFMを基盤とした全固体電池材料の解析技術の開発および評価・解析事例を紹介する。特に、電池動作下において内部電位の変化を動的に可視化する技術を詳しく紹介し、全固体電池解析における電位計測の有用性を議論する。また、現在開発中のKPFMを応用した新しい局所インピーダンス計測法を簡単に紹介し、今後の展望を述べる。

  1. KPFMとは
    1. KPFMの原理
    2. KPFMによるその場電位計測技術の開発と実デバイス評価事例
  2. 全固体リチウムイオン電池のその場観察
    1. 全固体リチウムイオン電池について
    2. その場計測のための断面試料作製技術
    3. 充放電過程における電位変化の動的観察
  3. 局所インピーダンス計測のための技術開発
    1. 局所インピーダンスの測定原理
    2. モデル試料における検証実験
    3. 全固体電池材料評価応用への展望
    • 質疑応答

講師

  • 小林 直哉
    株式会社NKエナジーフロンティア
    代表取締役
  • 太田 鳴海
    国立研究開発法人 物質・材料研究機構 エネルギー・環境材料研究センター 電池材料分野 固体電池材料グループ
    主任研究員
  • 撹上 健二
    株式会社ADEKA 研究開発本部 環境・エネルギー材料研究所 環境・エネルギー材料研究室
    室長 兼 バッテリースペシャリスト
  • 石田 暢之
    物質・材料研究機構 先端材料解析研究拠点
    主任研究員

主催

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お問い合わせ

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受講料

1名様
: 34,200円 (税別) / 37,620円 (税込)
複数名
: 22,500円 (税別) / 24,750円 (税込)

複数名受講割引

  • 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 22,500円(税別) / 24,750円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 34,200円(税別) / 37,620円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 45,000円(税別) / 49,500円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 67,500円(税別) / 74,250円(税込)
  • 同一法人内 (グループ会社でも可) による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 請求書および領収書は1名様ごとに発行可能です。
    申込みフォームの通信欄に「請求書1名ごと発行」とご記入ください。
  • 他の割引は併用できません。
  • サイエンス&テクノロジー社の「2名同時申込みで1名分無料」価格を適用しています。

アカデミー割引

教員、学生および医療従事者はアカデミー割引価格にて受講いただけます。

  • 1名様あたり 10,000円(税別) / 11,000円(税込)
  • 企業に属している方(出向または派遣の方も含む)は、対象外です。
  • お申込み者が大学所属名でも企業名義でお支払いの場合、対象外です。

ライブ配信セミナーについて

  • 本セミナーは「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。
  • お申し込み前に、 視聴環境テストミーティングへの参加手順 をご確認いただき、 テストミーティング にて動作確認をお願いいたします。
  • 開催日前に、接続先URL、ミーティングID​、パスワードを別途ご連絡いたします。
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  • セミナー資料は、PDFファイルをダウンロードいただきます。
  • ご自宅への書類送付を希望の方は、通信欄にご住所・宛先などをご記入ください。
  • タブレットやスマートフォンでも受講可能ですが、機能が制限される場合があります。
  • ご視聴は、お申込み者様ご自身での視聴のみに限らせていただきます。不特定多数でご覧いただくことはご遠慮下さい。
  • 講義の録音、録画などの行為や、権利者の許可なくテキスト資料、講演データの複製、転用、販売などの二次利用することを固く禁じます。
  • Zoomのグループにパスワードを設定しています。お申込者以外の参加を防ぐため、パスワードを外部に漏洩しないでください。
    万が一、部外者が侵入した場合は管理者側で部外者の退出あるいはセミナーを終了いたします。
本セミナーは終了いたしました。

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