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プラスチック・ガラスのくもるメカニズムと防曇・防汚処理技術

Zoomを使ったライブ配信セミナー

プラスチック・ガラスのくもるメカニズムと防曇・防汚処理技術

オンライン 開催

概要

本セミナーでは、曇りにくいガラスの開発、車載センサへの防汚技術、自動車における防曇技術・防汚技術についてウィンドシールド、車載センサへの応用事例を交えて詳解いたします。

開催日

  • 2020年12月21日(月) 10時30分 16時30分

受講対象者

  • 防曇に関わる製品の技術者、研究者、開発者
    • 自動車用窓
    • 太陽電池パネル
    • ディスプレイ
    • 光学レンズ
    • 医療用品
    • 食品包装

修得知識

  • ぬれ (撥水/親水性) に関する基礎知識
  • 実用的な防曇/防汚処理の設計指針
  • 国内外の最新の研究開発動向

プログラム

第1部 ぬれの基礎と防曇/防汚処理への応用:曇りのメカニズムとぬれ性制御による各種表面処理

(2020年12月21日 10:30〜12:30)

 透明基材表面に微小水滴が付着すると“曇化 (曇り) ”が発生する。曇化を防止する防曇処理は、安心・安全、快適性、機器の信頼性や効率化の観点から、我々の日常生活において極めて重要な表面処理の一つである。本講演では、曇化をぬれの観点から考え、防曇表面をいかにデザインするか? 親水性、撥水性のいずれが好ましいのか?これまでの研究事例を紹介しながら分かりやすく解説する。

  1. ぬれの基礎
    1. 静的接触角/動的接触角
    2. 親水性/超親水性表面とは?
    3. Cassieの式 (凹凸表面におけるぬれ)
    4. Wenzelの式 (複合表面におけるぬれ)
    5. 親水性/超親水性を得るためには?
  2. 防曇処理の研究事例
    1. 曇り (曇化) のメカニズムとぬれ性制御の重要性
    2. 防曇処理のカテゴリー
    3. 最新の防曇処理の研究開発動向
      1. 親水化/超親水化/吸水性
      2. 超撥水化
      3. 両性 (親水/撥水) 化
      4. 親水/撥油化
    4. これまでの親水性/超親水性表面の問題点
  3. 最新の研究開発動向
    1. 自己修復型防曇皮膜の研究開発動向
    2. 膨潤により自己修復する多機能透明防曇皮膜 (自己修復性,抗菌性,水中超撥油性)
    3. 多機能透明防曇皮膜の大面積処理/防汚性付与技術
    4. 滑水性に優れた透明親水性皮膜
    • 質疑応答

第2部 生体模倣技術を活用した防曇技術

(2020年12月21日 13:15〜14:45)

 バイオミメティクス (生体模倣) とは、生物の構造や機能など生物が持つ優れた機能を模倣し工学のレベルでの応用、展開を目的としている分野である。バイオミメティクスの代表的な例としてはハスの葉が有名である。ハスの葉の表面には微細な凹凸構造があり、接触面に多くの空気の層をつくることで物質の付着を防止している。この構造を模倣し、環境負荷が問題になっているフッ素系の疎水性物質を過剰に使用せずに、強力に液体をはじく防汚性超撥水コーティングが開発されている。生物の機能から着想したモノ作りは、これからの省エネ社会の材料開発に新しい潮流を生み出すことが期待できる。
 本セミナーでは、バイオミメティクスの中でも主に表面・界面の機能化にかかわる内容に焦点をあてる。まずバイオミメティクスの概念や機能発現の仕組み、液体と表面との関係等を理解し、実際のバイオミメティック表面の制御をどのように行っていくか、超撥水・超親水化技術などの様々な展開例をふまえ、その解析から応用までをステップを追って学習する。最後には、バイオミメティクスで実現可能な未来材料開発に向けて、その着想に役立つ情報についても言及していく

  1. バイオミメティクスとは
  2. バイオミメティクスを実現するためには ~その構造と発現する機能~
    1. 蓮の葉の例
    2. モルフォチョウの翅の例
    3. 蛾の目の例
    4. ヤモリの脚の例
    5. 鮫の表面の例
  3. 液体と表面の関係を理解する
    1. 液体と表面の物理的な関係
    2. 液体と表面の関係の評価法
    3. 静的と動的な濡れ性の評価法
    4. 親水性と疎水性が発現するメカニズム
    5. 表面処理による濡れ性の制御
    6. 表面構造による濡れ性の制御
  4. バイオミメティック表面・界面における液体操作法
    1. 液体輸送デバイスの作製・制御法
    2. 生物表面の流路解析
    3. 生物模倣流路の設計
    4. 生物模倣流路の制御法
    5. 防曇効果を利用したデバイス
    6. 液体操作メカニズムの耐久性
    7. バイオミメティクスによる新材料開発の着眼点
    • 質疑応答

第3部 プラスチック・ガラス表面の親水化技術と防汚・防曇機能付与への応用

(2020年12月21日 15:00〜16:30)

 1%以下の低濃度の高分子水溶液と接触させるだけで対象とするプラスチックやガラス表面にナノレベルの吸着層を形成し、簡単・迅速に表面を親水化させる技術について紹介する。処理する基材の表面物性に合わせた親水化高分子の設計法、および防汚性や防曇性といった実使用を想定した表面の機能評価について述べる

  1. 表面改質技術の分類と事例
  2. プラスチックやガラス表面の汚染・曇り現象
  3. 洗浄と同時に実現する表面改質技術
    1. 高分子の吸着による表面改質
    2. 高分子の設計指針
    3. 高分子構造の選定 ~両性両親媒性高分子~
  4. 表面改質高分子の合成
    1. 合成反応例
    2. 反応推移解析手法の開発
  5. 繊維強化プラスチック (FRP) 用表面改質高分子の合成と吸着表面性状
    1. FRPについて
    2. 高分子の組成とFRPへの吸着量、および吸着表面性状
    3. 高分子吸着表面の防汚性能評価
    4. 防汚性能発現機構について
  6. ガラス用表面改質高分子の合成と吸着表面性状
    1. ガラスについて
    2. ガラス用表面改質高分子の合成
    3. 高分子吸着表面の防曇性能評価
    4. 防曇性能発現機構について
  7. 今後の展望 ~両親媒性超分子ナノシート~
    1. 超分子とは
    2. 超分子ナノシート設計のポイント
    3. スルファミド超分子ナノシートの合成と機
    • 質疑応答

講師

  • 穂積 篤
    国立研究開発法人 産業技術総合研究所 極限機能材料研究部門 光熱制御材料研究グループ
    上級主任研究員
  • 石井 大佑
    名古屋工業大学 大学院 工学研究科 生命・応用化学専攻
    准教授
  • 椛島 真一郎
    ライオン 株式会社 研究開発本部 機能科学研究所
    主任研究員

主催

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お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 55,000円 (税別) / 60,500円 (税込)
複数名
: 50,000円 (税別) / 55,000円 (税込)

複数名同時受講割引について

  • 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 50,000円(税別) / 55,000円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 55,000円(税別) / 60,500円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 100,000円(税別) / 110,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 150,000円(税別) / 165,000円(税込)
  • 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 他の割引は併用できません。

アカデミック割引

  • 1名様あたり 30,000円(税別) / 33,000円(税込)

日本国内に所在しており、以下に該当する方は、アカデミック割引が適用いただけます。

  • 学校教育法にて規定された国、地方公共団体、および学校法人格を有する大学、大学院、短期大学、附属病院、高等専門学校および各種学校の教員、生徒
  • 病院などの医療機関・医療関連機関に勤務する医療従事者
  • 文部科学省、経済産業省が設置した独立行政法人に勤務する研究者。理化学研究所、産業技術総合研究所など
  • 公設試験研究機関。地方公共団体に置かれる試験所、研究センター、技術センターなどの機関で、試験研究および企業支援に関する業務に従事する方

ライブ配信セミナーについて

  • 本セミナーは「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。
  • お申し込み前に、 視聴環境 をご確認いただき、 ミーティングテスト にて動作確認をお願いいたします。
  • 開催日前に、接続先URL、ミーティングID​、パスワードを別途ご連絡いたします。
  • セミナー開催日時に、視聴サイトにログインしていただき、ご視聴ください。
  • セミナー資料は郵送にて前日までにお送りいたします。
  • 開催まで4営業日を過ぎたお申込みの場合、セミナー資料の到着が、開講日に間に合わない可能性がありますこと、ご了承下さい。
    ライブ配信の画面上でスライド資料は表示されますので、セミナー視聴には差し支えございません。
    印刷物は後日お手元に届くことになります。
  • ご自宅への書類送付を希望の方は、通信欄にご住所・宛先などをご記入ください。
  • タブレットやスマートフォンでも受講可能ですが、機能が制限される場合があります。
  • 講義の録音、録画などの行為や、権利者の許可なくテキスト資料、講演データの複製、転用、販売などの二次利用することを固く禁じます。
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本セミナーは終了いたしました。

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