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クリックケミストリーの考え方と進め方、創薬や高分子分野への応用

クリックケミストリーの考え方と進め方、創薬や高分子分野への応用

東京都 開催 会場 開催

開催日

  • 2019年5月16日(木) 10時00分 17時00分

プログラム

第1部 クリックケミストリーの基礎:その概念と基盤技術

(2019年5月16日 10:00〜12:00)

 クリックケミストリーは、クリック反応とそれを利用するための化学で、分子集積を鍵とする化学分野だけでなく、材料科学や生命科学分野でも必須の技術となっている。その利用には基礎として学んでおかねばならない点が多く、またその実用的な利用例を学ぶことで初めて理解できる本質もある。本講義ではこうしたクリックケミストリーの重要な基礎と応用を解説する。

  1. クリックケミストリーの基礎
    1. クリックケミストリーの考え方
    2. クリックケミストリーで利用する化学反応:クリック反応の種類
    3. クリック反応の特徴
    4. 代表的なクリック反応
  2. クリック反応を利用するための基盤技術
    1. アジドーアルキンクリック反応の基礎
    2. チオールーエン反応の基礎
    3. Diels-Alder反応の基礎
    4. ニトリルオキシドを用いるクリック反応の基礎
    5. その他のクリック反応の基礎と基盤技術
  3. 【事例紹介】ニトリルオキシドを用いるクリック反応とその応用
    1. ニトリルオキシドの合成法
    2. ニトリルオキシドの構造と反応性
    3. ニトリルオキシドを用いるクリック反応の特徴
    4. ニトリルオキシドを用いるクリック反応のメカニズム
    5. ニトリルオキシドを用いるクリック反応の応用
      • 機能分子合成
      • 高分子合成
      • 高分子の修飾
        • グラフト化
        • 構造改変
        • 表面修飾
      • 高分子の架橋
      • その他の応用
    • 質疑応答

第2部 (in situ) クリックケミストリーを利用した創薬研究

(2019年5月16日 12:50〜13:50)

 近年、薬理活性を発現するターゲットタンパク質と親和性を有するビルディングブロックを、ターゲットタンパク質自体のリガンド結合部位を反応場として用いてアジドとアセチレンをトリアゾール化させ、より親和性の高い化合物を得るin situ クリックケミストリーが注目されている。

  1. クリックケミストリーとは
    1. 反応例
    2. 反応条件
  2. クリックケミストリーを用いた創薬研究
    1. 抗生物質を用いたクリックケミストリー
    2. 糖鎖を用いたクリックケミストリー
    3. ペプチドを用いたクリックケミストリー
    4. クリックケミストリーを用いたPETラベルの合成
  3. In situ クリックケミストリーを用いた創薬研究
    1. アセチルコリンエステラーゼ阻害剤の開発
    2. 炭酸脱水酵素阻害剤の開発
    3. HIV-1プロテアーゼ阻害剤の開発
    4. 結核菌EthRtannpakuAkt1阻害剤の開発
    5. 細菌のビオチンタンパク合成酵素阻害剤の開発
    6. ヒストン脱アセチル化酵素 (HDAC) 阻害剤の開発
    7. キチナーゼ阻害剤の開発
    8. アリルフルオロスルフェートによるin situクリックケミストリー
    • 質疑応答

第3部 クリックケミストリーを用いた高分子合成および 新しいクリックケミストリーの開発,その可能性

(2019年5月16日 14:00〜15:00)

 クリックケミストリーは,近年,特に高分子の合成に有用であることが分かってきました。単純な重合反応や既存高分子の架橋反応に用いるだけでなく,生体材料の化学修飾や電子材料の高機能化など幅広い分野に応用されています。

  1. はじめに
    1. クリックケミストリーの定義
    2. クリックケミストリーの反応
    3. 高分子合成における意義
  2. クリックケミストリーを用いた高分子合成
    1. 重縮合・重付加による高分子合成
    2. 高分子反応によるポスト機能化
    3. 非線状高分子の合成
    4. 高分子末端の連結によるブロックポリマーの合成
    5. 高分子末端の反応による環状ポリマーの合成
  3. 高分子の応用
    1. 1,3-双極子付加環化反応とイオン認識高分子
    2. 1,3-双極子付加環化反応とバイオ応用
    3. Diels-Alder反応と自己修復性高分子
  4. 新しい反応の開発
    1. [2+2]付加環化-開環反応
    2. 高分子光学材料
    • 質疑応答

第4部 クリックケミストリーを用いたデンドリマーの 大量合成と応用展開について

(2019年5月16日 15:10〜16:10)

 本講では、チオール・エンクリック反応とウレタン形成反応を利用したポリオール/ポリアクリレートデンドリマーの大量合成法と、光機能性材料への応用展開について述べる。

  1. はじめに
  2. クリックケミストリーを用いたデンドリマーの大量合成と応用展開について
    1. デンドリティック高分子の特徴と有用性
    2. クリックケミストリーを利用したデンドリマーの大量合成
    3. デンドリマー大量合成の実際
    4. デンドリマー末端の化学修飾による機能性材料の創製
    • 質疑応答

第5部 光反応性材料におけるクリック反応とその応用

(2019年5月16日 16:20〜17:00)

 クリックケミストリーは副反応を伴わず高効率で化学反応が進行するため合成化学分野で注目されている。たとえば、アミンによるエポキシドの開環反応がひとつの例として挙げられるが、このアミンを光潜在化することで、光をトリガーとするクリックケミストリーが実現する。また、チオールと炭素-炭素二重結合を有するエンモノマーとの逐次重合反応はチオール/エン反応として知られ、これも重要なクリック反応であり、UV硬化材料に利用される。ここでは、光反応性材料に利用されるクリック反応とその利用について述べる。

  1. 光反応性材料におけるクリック反応
  2. 光塩基発生剤とエポキシ樹脂のUV硬化
  3. 光潜在性チオールを用いたチオール/エンUV硬化
  4. 光潜在性チオールとエポキシ樹脂のUV硬化
    • 質疑応答

講師

  • 高田 十志和
    東京工業大学 物質理工学院 応用化学系
    教授
  • 砂塚 敏明
    北里大学 大学院 感染制御科学府
    教授
  • 道信 剛志
    東京工業大学 物質理工学院
    准教授
  • 青木 健一
    東京理科大学 大学院 理学研究科 化学専攻
    准教授
  • 有光 晃二
    東京理科大学 理工学部 先端化学科
    教授

会場

株式会社 技術情報協会
東京都 品川区 西五反田2-29-5 日幸五反田ビル8F
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主催

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