技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

医薬品におけるサンプリングの基礎知識と全梱同一性確認への対応

医薬品におけるサンプリングの基礎知識と全梱同一性確認への対応

~PIC/S要求事項をどのように負荷をかけずに対応するか~
東京都 開催 会場 開催

開催日

  • 2017年8月28日(月) 10時30分 16時30分

修得知識

  • サプライヤー管理の要求事項と重要性
  • 海外との品質契約の締結の注意点
  • 全梱包の同一性の確認、均質性の確認、確認試験の簡便法
  • サンプリングと計数抜取検査
  • 供給者管理
  • 品質契約
  • GMP監査/査察
  • 海外製造所の異物/外観問題
  • 製造販売承認書との齟齬
  • PIC/S – GMPガイドラインの全梱同一性確認
  • 原料/資材メーカーの品質管理
  • 製造委託先の品質管理

プログラム

 サンプリングは評価の一番重要な点である。サンプリングは良いものを購入する。良い状態で製造されていることを確認する手段であるが、サンプリングだけに頼っていたのでは良いものは得られない。
 PIC/S加盟により、6つのギャップが通知でだされその一つが原料資材の供給者管理である。原薬や資材の品質確保があって初めて医薬品の品質を確保できる。また製造委託が増えており、それもグローバルで増加している。品質は製造の現場で造り込まれている。製造所の品質リスクの確認は品質問題を未然に防ぐための重要な手段である。サプライヤー管理で重要になるのは品質契約書と製造所の監査と日常の変更管理である。それについて30年品質保証してきた観点から注意点を説明する。特に問題となる海外製造所の対応について事例で紹介する。
 もう一つ、PIC/S加盟により6つのギャップ以外にPIC/S GMPガイドラインで求められているのに、全梱包からの同一性確認である。これを実施するとサンプリングと確認試験で多大な負荷がかかる。その負荷に見合うだけの品質へのメリットはない。この要求事項をどのように負荷をかけずに対応するかについて紹介する。
 サンプリングの基本とそれに関係する知識を把握し実践することで、良い品質の検証並びに確保が可能となる。

  1. 原材料の問題による医薬品の品質問題
    1. ヘパリン&グリセリンによる健康被害
    2. 原薬の出発物質変更による経年での注射剤の不溶性異物析出
    3. 添加剤による溶出試験への影響
    4. 資材メーカーのコンタミによる製品回収
  2. PMDAの最近の動向
    1. 韓国原薬メーカーのGMP不備に伴う、製品回収と改善命令
    2. 日本の製造所のGMP不備に伴う製品回収と指摘内容
    3. 他社の新製品のGMP適合性調査不備の自社への影響
  3. サプライヤー管理の要求事項と重要性
    1. PIC/S – GMPガイドラインのサプライヤー管理
    2. GQPの原薬製造所管理
    3. GQPの製造委託先管理
    4. 原料/資材メーカーの品質トラブルによる製品回収/承認取得遅延例
      • 原料に毛髪混入
      • 原薬のMFに齟齬
      • 資材メーカーでの異種フリップキャップ混入による製品回収 など
  4. 海外製造所の問題点
    1. 異物/外観の問題
      • 異物による製品回収
      • 注射剤の異物の海外とのギャップ
    2. レギュレーション (製造販売承認書) との齟齬
    3. 変更管理の難しさ
  5. 海外との品質契約の締結の注意点
    1. 売買契約と品質契約のすみ分け
    2. 品質契約で注意事項
    3. 製造所の監査が行える (&品質トラブル時に製造所に監査が行える)
    4. 受入れ時に適合しなかった場合の返品の可能性
    5. 日本で外観選別した時の不良品の費用の負担
    6. 変更時の連絡と承認
    7. 製造所での製造販売承認書記載事項からの逸脱確認
    8. 研究開発段階での外国製造所認定/GMP適合性調査資料提出の契約
      • 研究開発段階で注意すべき点
      • 海外の製造状況を把握し製造方法に反映させる (ソフトカプセル)
  6. GMP監査項目
    1. 製造販売承認書との整合性
    2. 取り決め事項との整合性
    3. 変更管理状況の確認
    4. 逸脱/ OOSの確認
    5. その他GMP事項の確認
  7. PIC/S – GMPガイドラインの位置づけ
    1. PIC/S – GMPガイドライン Annex8「サンプリング」
    2. 全梱包の原料確認試験の要求と統計的根拠に基づく受け入れ試験検査
    3. 製造所の実施状況とPIC/S GMPガイドライン対応方針
  8. 全梱包の同一性の確認
    1. 相手先製造所の品質保証体制の確認
    2. 流通段階の保証 (GDPの視点も含め)
    3. 輸送中の一時保管場所での管理
    4. 受け入れ時の保証
  9. 均質性の確認
    1. 原料/製剤の均質性評価
    2. 受け入時のロット毎の均質性の確認
    3. 縮分による均質性の確認
  10. 確認試験の簡便法
    1. ラマン分光
    2. 近赤外
    3. アルミピロー/金属容器など、非破壊検査ができない包装形態品の対応
  11. まとめ (製造所の実際の方法案)
    1. 計画案の作成
    2. ラマン分光/近赤外での検討
    3. 均質性データの確認
    4. 査察による製造所のコンタミ防止策確認
    5. 輸送業者、方法の確認と取り決め
    6. サンプリングの削減について
  12. サンプリングの取り方
    1. サンプリングのSOP
    2. サンプリング者の研修
    3. サンプリングの記録
    4. 試料の縮分
  13. サンプリングと計数抜取検査
    1. ゴルゴ13の銃弾の受け入れ試験
    2. サンプリングと均質性の関係
    3. 第一種の過誤と第二種の過誤 (良品巻き込み&残存不良)
    4. OC曲線の概念を身に付ける
    5. AQLとJISZ9015抜取り試験
    6. 外観不良/異物は全工程 (QCの抜き取り試験含め) で保証
  14. サンプリングのアラカルト
    1. MRA/MOU国からの輸入品の受け入れ試験省略
    2. √n+1の妥当性
    3. サンプリングを製造現場に任せたことによる会社へのダメージ
    4. OOS発生時のリサンプリングの問題
    5. サンプリングのタイミングと試験 (巡回検査と定位置検査)
    6. サンプリング不備によるクロスコンタミ
    7. 出荷試験時のサンプリングを中間製品で代用する場合
    8. 溶出試験結果とサンプリング (製品回収の視点)
    • 質疑応答・名刺交換

講師

  • 脇坂 盛雄
    株式会社 ミノファーゲン製薬
    顧問

会場

品川区立総合区民会館 きゅりあん

5F 第4講習室

東京都 品川区 東大井5丁目18-1
品川区立総合区民会館 きゅりあんの地図

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 42,750円 (税別) / 46,170円 (税込)
複数名
: 22,500円 (税別) / 24,300円 (税込)

複数名同時受講の割引特典について

  • 2名様以上でお申込みの場合、
    1名あたり 22,500円(税別) / 24,300円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 42,750円(税別) / 46,170円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 45,000円(税別) / 48,600円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 67,500円(税別) / 72,900円(税込)
  • 受講者全員が会員登録をしていただいた場合に限ります。
  • 同一法人内(グループ会社でも可)による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 請求書および領収書は1名様ごとに発行可能です。
    申込みフォームの通信欄に「請求書1名ごと発行」と記入ください。
  • 他の割引は併用できません。
本セミナーは終了いたしました。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2025/4/28 FDA DMF (Type III) の各ファイルの作成方法と事例及びFDA照会対応 オンライン
2025/5/29 責任役員 (上級経営陣) にむけたGMP、GQP教育訓練と法令順守体制の整備 オンライン
2025/5/29 製品品質照査の活用による製造工程、原料・資材及び製品規格の妥当性検証 オンライン
2025/5/29 バイオ医薬品 (抗体医薬品) の特性解析・構造決定と得られたデータの品質管理への活用 オンライン
2025/5/29 環境モニタリングの測定時およびアラート・アクションレベル設定時の留意点 オンライン
2025/5/29 医薬品/医療機器等へのQMSの具体的な構築フロー オンライン
2025/5/29 バイオ医薬品の不純物管理 オンライン
2025/5/29 バイオ医薬品における各種試験方法の適切な精度管理と分析法バリデーションの実施方法 オンライン
2025/5/29 バイオ医薬品のCTD (CMC) :妥当性の根拠とまとめ方 (2日間) オンライン
2025/5/29 再生医療等製品/細胞加工製品の製造・QC担当者のためのGCTP入門 オンライン
2025/5/29 バイオ医薬品 (CMC) マスターコース (全6コース) オンライン
2025/5/29 バイオ医薬品における製法・試験法変更と担保すべき同等性/同質性評価 オンライン
2025/5/29 バイオ医薬品における規格及び試験方法の設定と安定性試験 (長期保存試験) による有効期間の設定 オンライン
2025/5/29 医薬品製造業者における原材料・供給者管理と外部委託の際の留意点 オンライン
2025/6/27 非無菌医薬品における微生物学的品質管理の必要レベルと微生物限度試験法実施事例 2024 オンライン
2025/6/27 サプリメント (機能性表示食品) におけるGMP (製造・品質管理の基準) 実施にむけた理解と実践 オンライン
2025/6/27 QMS構築によるオーバークオリティ判断と治験効率化にむけた活用 オンライン
2025/6/27 バイオ医薬品の原薬製造における外来性感染性物質のクリアランスと安全性試験 オンライン
2025/7/31 医薬品中の元素不純物分析のデータ試験・管理及びPMDA等の対応ポイント オンライン