敗血症における最新モデル動物の作製・評価と新規治療薬開発
東京都 開催
会場 開催
開催日
-
2016年10月27日(木) 10時30分
~
17時45分
プログラム
第1部. 臨床試験デザインおよび被験者選定の実際と求められる治療薬像
(2016年10月27日 10:30〜12:00)
- 敗血症一般の診断と治療
- 敗血症における試験デザインと被験者選定の注意点
- 今後求められる治療薬像 など
第2部. 新規敗血症治療薬と重症度判定マーカーの開発
(2016年10月27日 12:45〜14:15)
敗血症は管理療法が進歩したにもかかわらず未だ死亡率が20~30%から改善せず、ICUにおける死因第一位の疾患病態である。さまざま治療薬 (特に抗炎症を目的とするもの) が開発されてきたがどれもうまくいかず、現在、敗血症治療薬は存在しない。
我々は血液の流れを制御するという新たな切り口により、Histidine-rich glycoprotein (HRG) を新規敗血症治療薬として開発する試みを行っており、基本的なHRGの活性から治療薬開発の実際までを順を追って説明する。
- 敗血症の現状
- 世界的な敗血症病態の捉え方
- 新定義に関して
- 敗血症治療における問題点
- HRGの生体における役割と敗血症治療効果
- 今までに知られているHRGの活性
- 新たに明らかとなった血液の流れを正常にする活性
- 新規バイオマーカーとしての有用性
- 臨床研究結果に基づくHRGの感染予測・予後予測能力
- 他敗血症マーカーとの優位性
- 新規治療薬としての可能性と治療薬開発の困難さ
- GMPグレードHRGの製造
- 前臨床試験
- 医師主導治験 (プロトコルデザイン)
第3部. 新しく改訂された敗血症定義に基づいた敗血症モデル動物の評価と新規治療薬の探索
(2016年10月27日 14:30〜16:00)
敗血症進展のリスクを回避し、敗血症患者の時宜を得た治療の重要性を考慮する、という観点から今年になって敗血症の定義が見直され、「感染に対する制御不能な宿主反応による生命に関わる臓器不全」であると提唱されるようになった。
本講演では、臨床的に有用とされる動物モデルを用いて、敗血症性ショックおよび多臓器不全の分子病態機構の解明に新たな展開を与えるとともに、現時点で確立された治療法のない本病態における有害分子をターゲットとした新しい治療薬の開発を模索する。
- 敗血症の新しい定義
- 炎症反応を抑えることを目的とした治療法の臨床的有用性の限界
- 敗血症モデルマウスにおける臓器不全の評価
- 敗血症性臓器不全とアポトーシス
- 敗血症モデルマウスを用いた創薬ターゲットの探索
第4部. 敗血症重症化の病態を反映したモデル動物作製とその評価
(2016年10月27日 16:15〜17:45)
敗血症は全身症状を伴う感染症であり、重症化するにつれ、多臓器不全、DICへの進展、死亡率の上昇を認める。これらの病態を正しく理解し、治療薬の戦略的アプローチを可能にするための敗血症病態モデルはきわめて重要である。
エンドトキシン誘発DIC、盲腸結紮穿刺法 (CLP) 腹膜炎モデルをはじめとする様々な疾患モデル動物の特徴、その有用性と意義、課題について今後の展望も含めて考察する。
- エンドトキシンに対する感受性と動物種差
- エンドトキシン感受性動物モデルの特徴と感受性亢進のメカニズム
- D-ガラクトサミン負荷
- カラギーナン、BCG、嫌気性コリネバクテリウムによるプライミング
- 副腎摘出、アクチノマイシンD処理
- 遺伝子ノックアウトおよびトランスジェニック動物
- エンドトキシン誘発DICモデルの有用性と評価
- エンドトキシンによる微小循環障害
- エンドトキシン投与による血液凝固反応の亢進
- 好中球細胞外トラップ (NETs) の放出機序
- 疾患モデルとしてのvalidity
- 盲腸結紮穿刺法 (CLP) 腹膜炎モデルの有用性と評価
- 敗血症モデルにおけるバイオマーカーの評価と今後の展望
- エンドトキシン血症と血中エンドトキシンレベル
- 炎症マーカー
- DAMPs、PAMPs、アラーミン (HMGB1)
- 免疫グロブリンスーパーファミリー他
- 理想のバイオマーカー
- その他の敗血症モデル動物ならびに敗血症治療薬開発の展望
講師
-
和氣 秀徳 氏
岡山大学
大学院 医歯薬学総合研究科
薬理学分野
助教
服部 裕一 氏
富山大学
大学院 医学薬学研究部
分子医科薬理学講座
教授
田村 弘志 氏
LPS (Laboratory Program Support) コンサルティング事務所
代表
主催
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