飛行時間型二次イオン質量分析 (TOF-SIMS) 法は、無機微量元素とともに有機物の化学構造情報が同時に得られるユニークな表面分析法である。近年は、クラスターイオンビーム技術の導入により、有機物の高感度分析が可能になったほか、有機深さ方向分析の能力が飛躍的に向上した。著しい進歩を遂げているTOF-SIMSについて、最新の測定・解析技術と応用事例を紹介する。

1. 表面分析法の特徴
   1. 表面分析法の種類
   2. 各種表面分析法の特徴
   3. 各種質量分析法の比較
   4. 表面分析法による機能材料評価の特徴
2. TOF-SIMS法の原理と特徴
   1. 二次イオン質量分析 (SIMS) の原理
   2. 線形カスケードモデル
   3. イオン質量分析器の比較
   4. 飛行時間型分析の原理
   5. 一次イオン源
3. クラスターイオンスパッタリングの原理と特徴
   1. クラスターイオン源
   2. スパイクモデル
   3. 単原子イオンとクラスターイオンの比較
   4. TOF-SIMS法の特徴
   5. ガスクラスターイオン
   6. スパッタイオン源
   7. TOF-SIMSによる深さ方向分析の特徴
4. TOF-SIMS試料のサンプリングとハンドリング
   1. TOF-SIMS測定試料の形状
   2. 試料のハンドリング
   3. 大気非暴露試料の取り扱い
   4. 試料の取り付け
   5. 特殊形状試料のハンドリング
5. TOF-SIMS測定と解析の実際
   1. TOF-SIMSの測定モード
   2. スペクトル測定
   3. 正イオンスペクトルと負イオンスペクトル
   4. マスピークの同定
   5. データベースを利用した化合物の同定
   6. マップ測定
   7. 測定結果の「あとから解析」
6. 最新のTOF-SIMSの分析例
   1. セラミクス材料の分析例
   2. 半導体材料の分析例
      1. 表面汚染分析
      2. 微量金属分析
   3. 配線材料・電極の分析例
   4. 有機高分子材料の分析例
      1. 高分子材料の表面分析例
      2. 高分子材料の添加物分布分析例
      3. 高分子材料の3次元分析例
   5. 有機半導体デバイスの深さ方向分析例
   6. 薬剤の分析例
   7. 生体試料の分析例
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