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マグネシウム二次電池の技術動向・課題とマグネシウムを利用した固体電池材料・次世代電池技術

マグネシウム二次電池の技術動向・課題とマグネシウムを利用した固体電池材料・次世代電池技術

~マグネシウムを利用した電池の課題は何か? 全固体電池への応用は?~
東京都 開催 会場 開催

開催日

  • 2016年1月27日(水) 10時30分 16時30分

修得知識

  • マグネシウムを用いた電池の全体的な概要
  • マグネシウムを構成部材とした時の特徴と問題点
  • マグネシウム電池の研究開発の動向、今後の展望
  • マグネシウムイオン伝導性固体電解質の合成
  • 固体電解質の評価法とその実例
  • 全固体二次電池の基礎
  • 全固体電池の作製と評価
  • 溶液系マグネシウムイオン二次電池の作製と評価
  • 水素化マグネシウムの負極特性
  • 水素化ホウ素リチウムの固体電解質特性
  • 水素化マグネシウムおよび水素化ホウ素リチウムの水素放出特性と電気化学特性との相関性

プログラム

第1部:マグネシウム二次電池用構成部材の技術動向と展望

(2016年1月27日 10:30〜12:10)

 海水のミネラルとしてナトリウムの次に多量に存在し、”にがり“の主成分としても知られているマグネシウム。このマグネシウムで二次電池 (蓄電池) ができたら、今のリチウムイオン電池に代わる安い電池が多量に作ることができます。しかし、実際にはそんな電池は世の中に出回っていません。そこで本講座ではマグネシウムを用いた電池にスポットを当て、その利点と欠点について産総研での研究成果や将来展望も交えて説明します。

  1. マグネシウムを電池の材料へ
    1. マグネシウムについて
    2. マグネシウムを用いた電池の種類
    3. マグネシウム電池の歴史
    4. マグネシウム乾電池
    5. マグネシウム燃料電池
  2. マグネシウム二次電池の今
    1. マグネシウムを二次電池にするには?
    2. マグネシウム二次電池の正極
    3. マグネシウム二次電池の負極
    4. マグネシウム二次電池の電解液
    5. 室温でのマグネシウム二次電池の性能
  3. 今後のマグネシウム二次電池
    1. マグネシウム二次電池の現状と問題点
    2. マグネシウム二次電池の最近の研究開発
    3. マグネシウム二次電池の今後の展望
    • 質疑応答・名刺交換

第2部:マグネシウムイオン伝導性固体電解質の開発と全固体二次電池の作製

(2016年1月27日 13:00〜14:10)

 近年、ポストリチウムイオン二次電池としてナトリウムイオン二次電池やマグネシウムイオン二次電池の開発研究が進められている。将来の二次電池には大型電源としての使用が期待され、それには、現在の全固体リチウムイオン二次電池の開発と同様に、ポストリチウムイオン二次電池についても全固体化が重要な課題となってくるであろう。これまでのマグネシウムイオン伝導性固体電解質の報告は非常に少ない。
 我々は近年新しい化合物系において、マグネシウムイオン伝導性が発現することを見出し、その伝導度は決して高いとは言えないが、その伝導度の向上および全固体マグネシウムイオン二次電池の開発を目指し、さらなる化合物の合成に取り組んでいる。
 本講演では、我々が研究対象としているマグネシウムイオン伝導性固体電解質の合成・評価とその電気化学特性について紹介・解説する。

  1. マグネシウムイオン二次電池の概要
    1. 二次電池の現状と課題
    2. 全固体二次電池とは
  2. 固体電解質
    1. 研究開発の歴史
    2. 固体電解質の種類と特徴
    3. マグネシウムイオン伝導性固体電解質
  3. 固体電解質の評価
    1. イオン導電率測定
      • 交流インピーダンス法
      • イオン導電率と活性化エネルギー
    2. 電気化学測定
    3. 輸率測定
  4. マグネシウムイオン伝導性固体電解質の合成
    1. 固体電解質の合成・評価
    2. 電気化学的評価
      • Mg金属電極における酸化還元
  5. マグネシウムイオン二次電池
    1. 電解質溶液を用いた電池の作製
    2. 全固体マグネシウムイオン二次電池
      • 全固体電池の構成
      • 正極活物質の探索
      • 全固体二次電池の作製と評価
  6. まとめと展望
    • 質疑応答・名刺交換

第3部:水素化マグネシウムを用いた全固体リチウムイオン電池負極材料の開発

(2016年1月27日 14:20〜16:00)

 水素化物を利用した全固体電池の特性を紹介します。そもそも水素化マグネシウムは水素貯蔵材料として注目され、特に2000年頃以降から活発な研究開発がすすめられてきました。この水素化マグネシウムが2008年にリチウムイオン電池の負極材料として発表されましたが、充放電時の効率が悪く負極物質中に導入されたLiイオンを再度取り出すのに困難であると考えられてきました。こうした問題を、同様の水素化物である水素化ホウ素リチウムを固体電解質として用いることで、高い充放電効率を得ることに成功しました。こうした、新しいタイプの全固体リチウムイオン電池システムの紹介を行いたいと思います。

  1. 水素貯蔵材料としてのマグネシウム
  2. 雰囲気制御したボールミリング処理
  3. 室温で水素を吸蔵する高活性マグネシウム
  4. 水素化マグネシウム – 水素化ホウ素リチウム複合体での水素交換効果
  5. 水素化ホウ素リチウムの超イオン伝導特性
  6. コンバージョン系負極材料
  7. 全固体リチウムイオン二次電池
  8. 硫黄系固体電解質を用いた水素化マグネシウム負極特性
  9. 水素化ホウ素リチウムを固体電解質とした水素化マグネシウム負極特性
  10. 水素化マグネシウム負極材料の充放電効率向上
    • 質疑応答・名刺交換

講師

  • 妹尾 博
    国立研究開発法人 産業技術総合研究所 エネルギー・環境領域 電池技術研究部門
    主任研究員
  • 冨田 靖正
    静岡大学 大学院 総合科学技術研究科 工学専攻 化学バイオ工学コース
    准教授
  • 市川 貴之
    広島大学 大学院 先進理工系科学研究科
    教授

会場

品川区立総合区民会館 きゅりあん

5F 第1講習室

東京都 品川区 東大井5丁目18-1
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主催

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