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セルロースナノファイバー複合材料の特性向上技術と用途展開

セルロースナノファイバーを用いた複合材料の用途、特性改善技術について詳解する

セルロースナノファイバー複合材料の特性向上技術と用途展開

会場 開催

セルロース系ナノコンポジットの研究・開発を手がける4名の専門家が徹底解説!

概要

本セミナーでは、セルロースの構造や物性などの基礎から解説し、セルロースナノファイバーを利用した複合材料、特性向上について、具体的な応用例を交えて詳解いたします。

開催日

  • 2010年10月29日(金) 11時00分 17時15分

受講対象者

  • セルロースナノファイバーの応用分野の技術者、研究者、開発者、企画担当者
    • 高分子複合材料
    • 医療材料
    • 食品素材
    • 化粧品素材
    • エネルギー関連材料
  • セルロースナノファイバーの技術者、研究者、開発者、企画担当者
  • これからセルロースナノファイバーに携わる方
  • セルロースナノファイバーで課題を抱えている方
  • 複合材料としてセルロースナノファイバーを応用を検討している技術者
  • セルロースナノファイバーを使用した樹脂の特性改善を検討している技術者
  • セルロースナノファイバーを応用した新材料を研究している方

修得知識

  • セルロースの基礎
  • セルロースを用いた環境調和複合材料
  • セルロースナノファイバーの基礎
  • セルロースナノファイバーの応用
    • 樹脂の特性改善
    • 強化ゴム材料への応用
    • ウッドプラスチックへの応用

プログラム

第1部 セルロースナノファイバーの構造・物性と複合材料の利用展開 (11:00~12:20)

講師

神戸大学 大学院 工学研究科 応用化学専攻
教授 西野 孝 氏

 セルロースは地球上で最も豊富な再生可能資源であり,その有効利用が求められている。本講では,セルロース自身の構造や物性、そしてセルロースを用いた環境調和複合材料について概説したのち、セルロースナノファイバーについて作り方、ナノファイバーを利用した複合材料について解説する。
 セルロースナノファイバーはセルロース自身が有する高い力学物性、熱特性等に加えて、ナノ材料として高比表面積などの特性を併せ持ち、複合材料であっても透明な材料,熱膨張も熱収縮もしない極めて寸法安定性に優れた材料などを創製することができる。

  1. セルロースとは
  2. セルロースの階層構造
    1. 植物の高次構造
    2. ナノファイバー化
    3. 結晶構造
    4. 分子構造
  3. セルロースの物性
    1. 力学物性
    2. 熱物性
    3. 表面物性
  4. セルロース系複合材料と用途展開
    1. セルロース繊維充てん複合材料
    2. 全セルロース複合材料
  5. セルロースナノ複合材料と用途展開
    1. セルロースナノファイバー充てん複合材料
    2. セルロースナノファイバー存在下での乳酸のin situ重合
    3. 全セルロースナノ複合材料
    4. セルロースナノファイバー/ナノダイアモンド複合材料
    • 質疑応答

第2部 ミクロフィブリル化セルロース添加による樹脂の特性改善と複合材料への応用 (13:00~14:20)

講師

同志社大学 理工学部 機械システム工学科
教授 藤井 透 氏

 植物系単繊維:パルプを精密摩砕すれば、セルロースのナノ結晶繊維を主体としたMFC (ミクロフィブリル化セルロース) が得られる。これは元単繊維の素状と特性により、クモの巣状の形態をなす。そのサイズはナノオーダ~ミクロオーダ台で、これを熱硬化性樹脂に均一分散させれば、その量が極めてわずかであっても顕著な樹脂の特性改善が達成できる。そのじん性は時には数倍高められる。その結果、これをDFRPなどの先端複合材料のエポキシ母材に添加して、複合材料を成形すれば、その耐久性が飛躍的に改善される。
 本講座では、種々の実験データを基に、その強化メカニズムについて説明する。また、植物性MFCと同様な特性を持つバクテリアセルロースナノ繊維についても、言及し、複合材料の耐久性向上効果について具体例を示す。

  1. MFC (ミクロフィブリル化セルロース)
  2. 竹繊維
  3. 竹パルプ
  4. 植物繊維
  5. パルプ
  6. 耐久性
  7. 破壊じん性
  8. エタノール置換
  9. 樹脂への混入
  10. その限界
  11. 粘度増加
  12. 疲労、寿命
    • 質疑応答

第3部 セルロースナノファイバーを用いた強化ゴム材料の開発 (14:35~15:50)

講師

住友ゴム工業 (株) 材料開発本部 材料第二部
課長代理 磯部 行夫 氏

 セルロースナノファイバーは軽量で高強度な天然由来繊維としてその活用技術開発が世界中で行われています。タイヤをはじめとする私たちの生活に身近に存在する各種ゴム材料は、様々な方法、材料で補強されており、セルロースナノファイバーのもつ特徴をうまく活かすことで、より軽量で高機能かつ石油資源への依存の低いものづくりを実現できると考えています。
 本講演ではセルロースナノファイバーを用いた強化ゴム材料の各種設計要素 (繊維原料、解繊方法、繊維導入量、ゴムとの界面制御など) について紹介します。

  1. イントロ (開発背景)
  2. セルロースナノファイバーゴム材料の作製方法
    1. セルロースナノファイバーの作製方法
    2. セルロースナノファイバーとゴムの複合化方法
  3. 複合化パラメータの影響
    1. 繊維原料
    2. 解繊手法
    3. 導入量
    4. 界面制御
  4. 今後の課題
  5. まとめ
    • 質疑応答

第4部 セルロースナノファイバー技術のウッドプラスチックへの応用 (16:00~17:15)

講師

ヤマハリビングテック (株) WPC事業推進グループ
グループ長 伊藤 弘和 氏

 近年セルロースナノファイバーと熱可塑性プラスチックの複合材料は注目されている。この素材は広義に言えば木質系材料とプラスチックとの複合化、即ちウッドプラスチックの範疇である。したがって、ナノ化素材におけるサイズ効果を除けば、特性や留意点はウッドプラスチックに類似することが多い。
 本講演では、ウッドプラスチックの概要をまずご説明した上で、ウッドプラスチックをベースとしたセルロースナノファイバーの応用を紹介する。

  1. ウッドプラスチックの概要
    1. ウッドプラスチックの特性
    2. ウッドプラスチックを取り巻く環境
    3. ウッドプラスチックの課題、展望
    4. ウッドプラスチック生産における留意点
  2. セルロースナノファイバーのウッドプラスチックへの利用
    1. セルロースナノファイバーの概要
    2. セルロースナノファイバー利用に期待される効果
    3. 間伐材の有効利用
  3. 具体的な実用事例紹介
    1. フィブリル化技術の応用
    • 質疑応答

会場

東京・千代田区駿河台 総評会館 4F 404室

主催

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お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 45,000円 (税別) / 47,250円 (税込)
複数名
: 38,000円 (税別) / 39,900円 (税込)

複数名同時受講の割引特典について

2名で参加の場合1名につき 7,350円割引
3名で参加の場合1名につき 10,500円割引 (同一法人に限ります)

本セミナーは終了いたしました。

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