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電池電極スラリーの調整、分散と塗工技術

電池電極スラリーの調整、分散と塗工技術

~塗工工程のレオロジーの考え方 / 測定、解析方法と性能への影響を解説~
オンライン 開催

開催日

  • 2023年9月13日(水) 9時50分 17時00分

受講対象者

  • 電極スラリーの混錬や塗工工程で課題を抱えている方
  • スラリーの仕上がりの管理をレオロジー測定で検討している方
  • レオメータをもっと活用したいと思っている方
  • 電池スラリーや電池材料の品質管理担当者

修得知識

  • 電池性能に対するスラリーの調整、分散、塗工技術の考え方
  • レオロジーの基礎
  • 現行のリチウムイオン電池の製造上のレオロジーの考え方
  • 次世代電池とレオロジーの関わり
  • スラリーレオロジーの測定法、測定データの読み方
  • リチウムイオン二次電池の電極スラリーの一般的な傾向についての知識

プログラム

第1部 電池電極スラリーの調整、分散、塗工技術が電池性能に及ぼす影響

(2023年9月13日 09:50〜11:20)

電池性能は、材料物性だけでは決まらない。
スラリーの調整、分散、塗工技術は、電池性能に大きな影響を及ぼす。
なぜ電池性能にそれらが影響するのか、電気電気化学の基本から概説する。

  1. 電気化学と電池の基礎
    1. ガルバーニ電池
    2. アノード、カソード、電解質
    3. 電池の歴史
    4. リチウムイオン電池の構造と動作原理
    5. リチウムイオン電池を構成する材料
  2. 電池 (セル) の性能
    1. 電池の起電力
    2. 電池の内部抵抗
    3. 電解液のイオン抵抗と電極の電子抵抗
    4. 電極の体積抵抗率と界面抵抗
    5. 電子パスとバインダーの存在
  3. 材料からバッテリーまで
    1. 電極スラリーの調整分散
    2. 電極スラリーの塗布乾燥
    3. 過充電や過放電と材料の関係
    4. 電池とバッテリー – 組電池 –
    5. バッテリマネジメントシステム (BMS)
    • 質疑応答

第2部 電極スラリーの混錬塗工とレオロジー

(2023年9月13日 12:00〜13:30)

 現在のリチウムイオン電池の製造工程上、電極材料の混練・塗工は電池性能に直結する非常に重要な工程である混練・塗工工程の挙動を考える上でレオロジーについて理解しておくことは非常に重要である。
 リチウムイオン電池のスラリー (インク) は、バインダーの溶液中に活物質や導電助剤を分散させて製造するがこのバインダーが高分子材料である為、その溶液が複雑な挙動を示す。また、多成分系分散液となるため、更に複雑さが増す事になる。このような電極スラリーのレオロジーについて解説して行く。また、昨今話題となっている次世代電池についてもレオロジーの切り口から考える。

  1. レオロジー解析で判る事
  2. 電池製造前工程におけるレオロジー
  3. バインダー溶液、スラリーのレオロジー
  4. 様々な次世代電池とレオロジーの関わり
  5. 全固体電池でのレオロジー
    • 質疑応答

第3部 レオロジー測定による電極スラリーの塗工性、分散性の評価

(2023年9月13日 13:40〜14:40)

  1. はじめに
  2. 電池材料のレオロジー評価
  3. レオロジー測定の概要
    1. 回転測定と評価例
    2. 振動測定と評価例
  4. 電極スラリーの塗工性の評価
    1. 塗布工程をレオロジー測定を用いて再現
    2. 塗布後の電極膜形成過程の評価
  5. 電極スラリーの分散性の評価
    1. ひずみ分散測定を用いた分散性の評価
  6. レオ・インピーダンス測定による流動中の分散性評価
    1. インピーダンスアナライザーとレオロジー測定を同時に計測することにより、電極スラリー流動時の分散状態を把握する最新の評価手法の紹介
  7. さいごに
    • 質疑応答

第4部 電極スラリーにおけるレオロジーとインピーダンスの複合分析

(2023年9月13日 14:50〜15:50)

 電極スラリーのレオロジーについて、基本的な測定法、グラフの読み方、データから分かることについて把握することができ、レオロジーデータと併せて活用が期待されているインピーダンス測定の基礎を知ることができます。

  1. 電極スラリーのレオロジー
    1. スラリーの構成成分とレオロジーデータへの影響の概要
    2. スラリーレオロジー測定におけるジオメトリ選択
    3. スラリーレオロジーの基本測定と分かること
    4. 正極スラリー測定事例
    5. 負極スラリー測定事例
  2. 電極スラリーのインピーダンス測定
    1. 電気化学インピーダンス
    2. スラリーにおけるインピーダンス測定の位置づけ
    3. スラリーのインピーダンス測定プローブ
    4. インピーダンスデータのプロット
    5. 電極スラリーの測定事例
  3. レオロジー・インピーダンス複合分析
    1. レオロジー・インピーダンス同時測定システム
    2. 測定条件設定例
    3. 同時測定事例紹介
    • 質疑応答

第5部 パルスNMRによる電池スラリー評価

(2023年9月13日 16:00〜17:00)

 パルスNMRによる分散体評価は電池材料の様に黒色であっても希釈せずにそのままの状態で評価する事が可能です。 実用系そのままの状態で評価可能ですので、何かが違うけど数値化できないでお困りの方、良品・不良品の違いを簡便に数値化したい方、最適な分散条件を把握したい方に適した評価法です。電池材料の測定例を用いて解説します。

  1. パルスNMRにおける緩和時間とは
    1. 測定原理
    2. 運動性の評価と分散体評価の違い
  2. パルスNMRによる分散凝集状態の評価
    1. 30wt%カーボンブラックのNMPへの分散性評価
    2. 分散条件の異なるCNTの分散凝集状態の継時変化および粒子径計測との比較
    3. 触媒除去処理有無によるCNTの分散性評価およびシート化した際の導電性の関係
  3. パルスNMRによる粒子界面特性評価・濡れ性評価
    1. カーボンブラックの異なる溶媒への濡れ性
    2. グラファイトの表面処理時間の決定例
    • 質疑応答

講師

  • 立花 和宏
    山形大学 大学院 理工学研究科
    准教授
  • 鈴木 孝典
    株式会社スズキ・マテリアル・テクノロジー・アンド・コンサルティング
    代表取締役
  • 宮本 圭介
    株式会社 アントンパール・ジャパン ビジネスユニット
    キャラクタリゼーションマネージャー
  • 川田 友紀
    ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン株式会社 アプリケーション課
    アプリケーションケミスト
  • 池田 純子
    マジェリカ・ジャパン株式会社
    代表取締役

主催

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お問い合わせ

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受講料

1名様
: 60,000円 (税別) / 66,000円 (税込)
複数名
: 55,000円 (税別) / 60,500円 (税込)

複数名同時受講割引について

  • 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 55,000円(税別) / 60,500円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 60,000円(税別) / 66,000円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 110,000円(税別) / 121,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 165,000円(税別) / 181,500円(税込)
  • 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 他の割引は併用できません。

アカデミック割引

  • 1名様あたり 30,000円(税別) / 33,000円(税込)

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  • 学校教育法にて規定された国、地方公共団体、および学校法人格を有する大学、大学院、短期大学、附属病院、高等専門学校および各種学校の教員、生徒
  • 病院などの医療機関・医療関連機関に勤務する医療従事者
  • 文部科学省、経済産業省が設置した独立行政法人に勤務する研究者。理化学研究所、産業技術総合研究所など
  • 公設試験研究機関。地方公共団体に置かれる試験所、研究センター、技術センターなどの機関で、試験研究および企業支援に関する業務に従事する方
  • 支払名義が企業の場合は対象外とさせていただきます。
  • 企業に属し、大学、公的機関に派遣または出向されている方は対象外とさせていただきます。

ライブ配信セミナーについて

  • 本セミナーは「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。
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  • 開催日前に、接続先URL、ミーティングID​、パスワードを別途ご連絡いたします。
  • セミナー開催日時に、視聴サイトにログインしていただき、ご視聴ください。
  • ご自宅への書類送付を希望の方は、通信欄にご住所・宛先などをご記入ください。
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  • ご視聴は、お申込み者様ご自身での視聴のみに限らせていただきます。不特定多数でご覧いただくことはご遠慮下さい。
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  • Zoomのグループにパスワードを設定しています。お申込者以外の参加を防ぐため、パスワードを外部に漏洩しないでください。
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本セミナーは終了いたしました。

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