技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

マテリアルズインフォマティクスによる材料開発の効率化

マテリアルズインフォマティクスによる材料開発の効率化

~データの集め方、データセットの作成から高分子材料設計への応用例まで~
オンライン 開催

開催日

  • 2022年5月16日(月) 10時00分 17時00分

プログラム

第1部 マテリアルズインフォマティクスによる材料開発とそのプラットフォーム

(2022年5月16日 10:00〜11:30)

 近年の材料開発プロセスでは、過去の実験データやシミュレーションデータを利用し、情報科学の手法と融合させることで、迅速に新素材の開発が可能になってきた。この背景として、機械学習やAIなど情報科学の発達がある。従来の材料開発・製品開発における、実験を繰り返し試行錯誤するプロセスが、これらの情報科学によって効率化され、開発における時間・コストの削減、属人化の解消を実現した。しかしながら、これまでのマテリアルズ・インフォマティクス (MI) は、ある材料に焦点を絞り、ある企業、もしくは研究所内で材料科学とデータ科学の融合によって材料開発から実用化に要する時間・コストを大幅に削減しようとする試みである。そのため、汎用的に使うことができるMIプラットフォームには構築されていない。そこで、弊社では、汎用的に使うことを目指したMIプラットフォームの基盤構築の開発を進めてきた。特に、我々はシミュレーションデータを活用したマテリアルズ・インフォマティクスの構築に取り組んでいる。
 本講では、これらのシミュレーションデータを短期間で生成、蓄積、データベース化、機械学習により物性予測、物質探索、最適化等を行うことができるMIプラットフォームについて事例と合わせて紹介する。

  1. MIプラットフォームのシステム
    1. データ分析:Azure Machine Learning (ML)
    2. データベース化:ioChem-BD
    3. データ生成:Exabyte.io,Azure
  2. プラットフォームを使用したマテリアルズ・インフォマティクス事例
    1. バンドギャップの予測
    2. 格子熱伝導率の予測
    • 質疑応答

第2部 AIによる探索の精度向上のためのデータ収集・解析の進め方

(2022年5月16日 12:10〜13:40)

 本講座では、マテリアルズ・インフォマティクスの基本となるデータ収集・解析の基本的な事柄について解説する。物質データは一般にデータ取得コストが高く、また考慮すべき物性や特徴が多いために「少数・多次元」になりやすい。そのため物質データを活用するための収集法や解析方法には注意を払う必要がある。さらに、多くのデータがなければAIによる探索ができない、という考えからデータ収集が目的になってしまい、実際に活用にまで至らないというケースも多々聞かれる。
 これらの事項について、本講座では講演者の研究経験から念頭に置くべき事項についての解説を概論的に行う。

  1. データ収集時に考えなければいけないこと
  2. 情報活用の基本フロー
  3. 教師なし学習による研究開発のアシスト
  4. 物質や実験系に対する数値表現
  5. 活用可能なデータ
  6. 制御可能な変数と計測可能な変数
  7. データ取得コストについて
  8. ベイズ最適化
  9. 能動学習
  10. 機械学習ポテンシャル作成時のデータ取得例
  11. 転移学習を念頭に置いたデータ取得
  12. 実際の研究開発に活かす際に注意すべきこと
    • 質疑応答

第3部 ポリマーの効率設計に向けたマテリアルズインフォマティクスの活用

(2022年5月16日 13:50〜15:20)

 ポリマー系におけるマテリアルズインフォマティクス (MI) の活用事例として、ベイズ最適化による熱可塑ポリマー探索と、熱硬化性フィルムの原料配合の最適化の研究事例を紹介する。量子化学計算と機械学習との比較や、構築した予測モデルの適用限界、実験研究者による樹脂配合設計との比較についても言及する。

  1. マテリアルズインフォマティクス (MI) について
    1. はじめに
    2. 材料開発における課題
  2. 活用事例1:熱可塑性ポリマーの効率的設計
    1. 予測モデル構築
    2. 機械学習と計算科学との比較
    3. ポリマー物性予測と適用限界
    4. ベイズ最適化による効率的なポリマー設計
  3. 活用事例2:熱硬化性樹脂フィルムの設計
    1. 原料配合系の予測モデル構築
    2. 原料配合の探索
    3. 熟練研究者と機械学習モデルとの比較
  4. まとめ
    • 質疑応答

第4部 マテリアルズ・インフォマティクスを活用した技術開発・社内展開

(2022年5月16日 15:30〜17:00)

 材料メーカー特有の課題である煩雑なデータ整形や少数データの取り扱い、逆解析などについての事例を紹介する。また、IT人材が不足する中、どのようにマテリアルズ・インフォマティクスの概念を社内に浸透し、展開していくかが各社共通の課題であると思われるが、具体的な取り組み、方策について見解を述べる。

  1. マテリアルズ・インフォマティクス (MI) の社内展開の課題
    1. マテリアルズ・インフォマティクスの社内浸透の試み
    2. マテリアルズ・インフォマティクス人材育成について
    3. データ整形、データベース作成について
    4. 少数データに対する取り組み
  2. マテリアルズ・インフォマティクスの解析技術の取り組み
    1. 逆解析
    2. 化学構造発生
    3. 転移 (風) 学習
    4. 特徴量抽出
  3. 社内事例紹介
    1. モノマー探索
    2. 複合樹脂設計
    3. 知的財産に関する取扱い
    • 質疑応答

講師

  • 森 一樹
    伊藤忠テクノソリューションズ株式会社 科学システム本部 科学システム開発部
    主任
  • 安藤 康伸
    東京工業大学 科学技術創成研究院 化学生命科学研究所
    准教授
  • 南 拓也
    株式会社レゾナック 計算情報科学研究センター 情報・インフォマティクスグループ
    チーフリサーチャー
  • 向田 志保
    三井化学株式会社 DX推進本部 DX企画管理部
    主幹研究員

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 60,000円 (税別) / 66,000円 (税込)
複数名
: 55,000円 (税別) / 60,500円 (税込)

複数名同時受講割引について

  • 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 55,000円(税別) / 60,500円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 60,000円(税別) / 66,000円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 110,000円(税別) / 121,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 165,000円(税別) / 181,500円(税込)
  • 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 他の割引は併用できません。

アカデミック割引

  • 1名様あたり 30,000円(税別) / 33,000円(税込)

日本国内に所在しており、以下に該当する方は、アカデミック割引が適用いただけます。

  • 学校教育法にて規定された国、地方公共団体、および学校法人格を有する大学、大学院、短期大学、附属病院、高等専門学校および各種学校の教員、生徒
  • 病院などの医療機関・医療関連機関に勤務する医療従事者
  • 文部科学省、経済産業省が設置した独立行政法人に勤務する研究者。理化学研究所、産業技術総合研究所など
  • 公設試験研究機関。地方公共団体に置かれる試験所、研究センター、技術センターなどの機関で、試験研究および企業支援に関する業務に従事する方

ライブ配信セミナーについて

  • 本セミナーは「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。
  • お申し込み前に、 視聴環境テストミーティングへの参加手順 をご確認いただき、 テストミーティング にて動作確認をお願いいたします。
  • 開催日前に、接続先URL、ミーティングID​、パスワードを別途ご連絡いたします。
  • セミナー開催日時に、視聴サイトにログインしていただき、ご視聴ください。
  • ご自宅への書類送付を希望の方は、通信欄にご住所・宛先などをご記入ください。
  • タブレットやスマートフォンでも受講可能ですが、機能が制限される場合があります。
  • ご視聴は、お申込み者様ご自身での視聴のみに限らせていただきます。不特定多数でご覧いただくことはご遠慮下さい。
  • 講義の録音、録画などの行為や、権利者の許可なくテキスト資料、講演データの複製、転用、販売などの二次利用することを固く禁じます。
  • Zoomのグループにパスワードを設定しています。お申込者以外の参加を防ぐため、パスワードを外部に漏洩しないでください。
    万が一、部外者が侵入した場合は管理者側で部外者の退出あるいはセミナーを終了いたします。
本セミナーは終了いたしました。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2025/1/7 少数データ、データ不足における機械学習適用の問題解決方法とその戦略 オンライン
2025/1/14 自然言語処理を活用した研究開発、材料分野への適応事例 オンライン
2025/1/14 プラントのDX化による異常予兆検知、予知保全とその運用 オンライン
2025/1/14 画像認識技術を用いたAI外観検査の現場導入事例と精度向上技術 オンライン
2025/1/15 Python実践データ分析/機械学習 オンライン
2025/1/20 ベイズ最適化を活用した実験の効率化と開発期間短縮 オンライン
2025/1/20 プラスチックのリサイクル促進に向けた材料設計・成形加工の技術と知識 オンライン
2025/1/22 マテリアルズ・インフォマティクスによる接着剤、粘着剤の配合設計と評価、解析 オンライン
2025/1/22 ベイズ推定を用いたデータ解析 オンライン
2025/1/23 時系列データ分析 入門 オンライン
2025/1/24 プロセスインフォマティクスにおけるベイズ最適化の活用法と実施事例 オンライン
2025/1/24 マテリアルズインフォマティクスの基盤となる「計算科学シミュレーション技術」 オンライン
2025/1/24 着実にステップアップできる多変量解析講座 オンライン
2025/1/27 熱に関するメタマテリアルの原理、設計の効率化、応用、評価 オンライン
2025/1/28 AI外観検査 (画像認識) のはじめ方、すすめ方、精度向上への考え方 オンライン
2025/1/29 フォノンエンジニアリングの基礎と熱電変換応用事例 オンライン
2025/1/29 Python実践データ分析/機械学習 オンライン
2025/1/30 マテリアルズ・インフォマティクスの基礎と実践 オンライン
2025/2/4 カルマンフィルタの実践 オンライン
2025/2/4 ベイズ推定を用いたデータ解析 オンライン

関連する出版物

発行年月
2024/1/12 世界のマテリアルズ・インフォマティクス 最新業界レポート
2023/12/27 実験の自動化・自律化によるR&Dの効率化と運用方法
2023/6/30 生産プロセスにおけるIoT、ローカル5Gの活用
2023/4/28 ケモインフォマティクスにおけるデータ収集の最適化と解析手法
2022/12/31 機械学習・ディープラーニングによる "異常検知" 技術と活用事例集
2021/10/25 AIプロセッサー (CD-ROM版)
2021/10/25 AIプロセッサー
2021/7/30 マテリアルズインフォマティクスのためのデータ作成とその解析、応用事例
2021/7/30 水と機能性ポリマーに関する材料設計、最新応用
2021/7/14 AIビジネスのブレークスルーと規制強化
2021/6/30 人工知能を用いた五感・認知機能の可視化とメカニズム解明
2021/6/28 AI・MI・計算科学を活用した蓄電池研究開発動向
2020/12/30 実践Rケモ・マテリアル・データサイエンス
2020/8/11 化学・素材業界におけるデジタルトランスフォーメーションの最新調査レポート
2020/8/1 材料およびプロセス開発のためのインフォマティクスの基礎と研究開発最前線
2020/7/31 生体情報センシングと人の状態推定への応用
2020/4/30 生体情報計測による感情の可視化技術
2020/3/26 ビッグデータ・AIの利活用に伴う法的留意点
2020/3/24 リアルワールドデータの使用目的に応じた解析手法 - 各データベースの選択と組み合わせ -
2019/1/31 マテリアルズ・インフォマティクスによる材料開発と活用集