技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

高分子の静置下および流動場での結晶化とモルフォロジー

高分子の静置下および流動場での結晶化とモルフォロジー

~注目を集める、「シシケバブ構造」や「コアスキン構造」など多様なモルフォロジー~
京都府 開催 会場 開催

開催日

  • 2015年12月9日(水) 10時30分16時30分

プログラム

 高分子の折りたたみ鎖結晶が発見されて50余年が経過し、数多くの研究が高分子の結晶化メカニズムの解明に捧げられてきた。しかしながら、結晶化初期過程である核生成や結晶成長過程に及ぼす絡み合い等の高分子鎖のトポロジー的役割の解明は未だ十分ではない。
 また、成形加工で重要となる流動場結晶化では、静置下とは異なったシシケバブ構造やコアスキン構造など多様なモルフォロジーが出現することから、数多くの研究者の注目を集めている。
 本講座では、高分子鎖の絡み合いや分子鎖の形態に着目しながら、静置下および流動下における結晶化メカニズムと制御について、理論的背景や先行研究を紹介しながら、講演者の最近の研究成果をわかりやすく解説する。

  1. 高分子結晶化の基本原理
    1. 核生成と結晶成長過程の熱力学考察と理論的背景
    2. 高分子のトポロジー性 ~鎖長・絡み合い・特異点の役割~
    3. 高分子の核生成と結晶成長過程の分子論的メカニズム
    4. 結晶化における絡み合いと滑り拡散の役割
    5. 核生成・結晶成長過程の実験観察法
  2. ポリエチレンの静置場結晶化
    1. 核生成速度と結晶成長速度の分子量依存性
    2. 絡み合い密度が核生成速度に及ぼす影響
    3. 重合結晶化試料を用いた絡み合い構築過程の評価
    4. 末端基のかさ高さが核生成速度と結晶成長速度に及ぼす影響
    5. 相互作用を有する末端基の核生成速度と結晶成長速度に及ぼす影響
    6. 大環状ポリエチレンの核生成速度と結晶成長速度
  3. 脂肪族ポリエステル類 (ポリ乳酸等) の静置場結晶化
    1. エステル交換反応を介した絡み合い解消過程
    2. 結晶成長速度をプローブにした絡み合い密度の変化の評価
    3. 特殊構造を有する末端基が核生成速度と結晶成長速度に及ぼす影響
    4. 大環状ポリエステル類の核生成速度と結晶成長速度
  4. 高分子の成形加工 ~流動場結晶化~
    1. 流動場の役割 ~流動による鎖の形態変化~
    2. 鎖長と絡み合いの影響
    3. 流動場結晶化で見られる特異なモルフォロジー
    4. 融掖中の分子鎖形態と生成するモルフォロジーの関係
  5. ポリオレフィン類 (ポリエチレン等) の流動場結晶化
    1. シシケバブ構造について
    2. 直鎖状ポリオレフィン類のシシケバブ構造形成メカニズム
    3. 結び目絡み合いがシシケバブ構造形成に与える影響
      ~大環状ポリエチレンの流動場結晶化~
  6. ポリ乳酸などの脂肪族ポリエステル類の流動場結晶化
    1. エステル交換反応を介した絡み合い解消が流動場結晶化に及ぼす影響
    2. シシケバブ構造およびrow nucleation構造形成メカニズム
    3. 流動場結晶化が融点や力学的強度に与える影響
    • 質疑応用・名刺交換

講師

  • 山崎 慎一
    岡山大学 学術研究院 環境生命自然科学学域
    准教授

会場

京都リサーチパーク

1号館 4F 中会議室C

京都府 京都市 下京区中堂寺南町134
京都リサーチパークの地図

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 38,000円 (税別) / 41,040円 (税込)
複数名
: 20,000円 (税別) / 21,600円 (税込)

複数名同時受講の割引特典について

  • 2名様以上でお申込みの場合、
    1名あたり 22,500円(税別) / 24,300円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 42,750円(税別) / 46,170円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 45,000円(税別) / 48,600円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 67,500円(税別) / 72,900円(税込)
  • 受講者全員が会員登録をしていただいた場合に限ります。
  • 同一法人内(グループ会社でも可)による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 請求書および領収書は1名様ごとに発行可能です。
    申込みフォームの通信欄に「請求書1名ごと発行」と記入ください。
  • 他の割引は併用できません。
本セミナーは終了いたしました。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2025/6/5 エポキシ樹脂のフィルム化と接着性の付与技術とその応用 オンライン
2025/6/5 高分子の絶縁破壊メカニズムとその劣化抑制技術 オンライン
2025/6/5 樹脂のレオロジー特性の考え方、成形加工時における流動解析の進め方 オンライン
2025/6/5 欧州における再生プラスチックの市場拡大に向けた規制と対応 東京都 会場・オンライン
2025/6/6 プラスチック製品の強度設計 オンライン
2025/6/6 樹脂用添加剤 超入門 東京都 会場
2025/6/9 高分子複合材料のレオロジーとメカニズムに基づく材料設計 オンライン
2025/6/11 ポリマーアロイにおける相溶化剤の使い方、分散条件の設計、評価解析 オンライン
2025/6/11 加飾技術の環境負荷低減に向けた開発と自動車への応用 オンライン
2025/6/11 高分子材料における結晶化プロセスの基礎、構造形成とその制御および構造解析技術 オンライン
2025/6/11 高分子材料の粘弾性の基礎と応力/ひずみの発生メカニズムとその制御・評価技術 オンライン
2025/6/12 分子シミュレーションの基礎と高分子材料の研究・開発の効率化への展開 オンライン
2025/6/13 熱分析入門 オンライン
2025/6/13 高分子材料の劣化メカニズムと高耐久化設計および劣化評価技術 オンライン
2025/6/16 熱分析入門 オンライン
2025/6/16 UV硬化樹脂の硬化度・物性の測定評価と硬化不良・密着不良などのトラブル対策 オンライン
2025/6/16 高分子材料の劣化メカニズムと高耐久化設計および劣化評価技術 オンライン
2025/6/16 可塑剤・フタル酸エステルを取り巻く国内外の規制・市場動向と今後の課題 オンライン
2025/6/17 FT-IRを用いた樹脂の劣化解析と寿命予測への活用可能性 オンライン
2025/6/17 EV等電動化モビリティ用モータと関連電装品のための高電圧絶縁技術と樹脂材料開発 オンライン

関連する出版物

発行年月
2024/7/29 サステナブルなプラスチックの技術と展望
2024/7/22 世界のレトルトフィルム・レトルトパウチの実態と将来展望 2024-2026 (書籍版 + CD版)
2024/7/22 世界のレトルトフィルム・レトルトパウチの実態と将来展望 2024-2026
2024/7/17 世界のリサイクルPET 最新業界レポート
2024/6/28 ハイドロゲルの特性と作製および医療材料への応用
2024/5/30 PETボトルの最新リサイクル技術動向
2024/2/29 プラスチックのリサイクルと再生材の改質技術
2023/10/31 エポキシ樹脂の配合設計と高機能化
2023/7/31 熱可塑性エラストマーの特性と選定技術
2023/7/14 リサイクル材・バイオマス複合プラスチックの技術と仕組
2023/3/31 バイオマス材料の開発と応用
2023/1/31 液晶ポリマー (LCP) の物性と成形技術および高性能化
2023/1/6 バイオプラスチックの高機能化
2022/10/5 世界のプラスチックリサイクル 最新業界レポート
2022/8/31 ポリイミドの高機能設計と応用技術
2022/5/31 樹脂/フィラー複合材料の界面制御と評価
2022/5/31 自動車マルチマテリアルに向けた樹脂複合材料の開発
2022/5/30 世界のバイオプラスチック・微生物ポリマー 最新業界レポート
2021/12/24 動的粘弾性測定とそのデータ解釈事例
2021/7/30 水と機能性ポリマーに関する材料設計、最新応用