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セラミックスの焼結技術と焼結添加剤、助剤の使い方

セラミックスの焼結技術と焼結添加剤、助剤の使い方

オンライン 開催

概要

本セミナーでは、焼結の考え方、焼結理論、焼結現象など焼結の基礎を整理し、添加剤・助剤の添加量と機械特性・電気特性の関係を詳解いたします。

開催日

  • 2025年2月21日(金) 10時30分 16時15分

修得知識

  • 電子セラミックスに関する基礎知識
    • 組織
    • 相図
    • 焼結
    • 金属の酸化・還元
    • 格子欠陥
    • 粒成長
    • 応力歪み
    • 粒界の性質
  • 積層セラミック製造プロセスの基礎知識
    • 分散処理
    • スラリー組成
    • 分散性
    • スラリーの乾燥
    • 内部電極
    • 脱バインダー
    • 焼成雰囲気制御
    • アニール処理
  • セラミック組織の分析例
  • セラミックス粉体の合成
  • 粉体表面処理
  • 溶液中での粉末の分散・凝集
  • 湿式成形法
  • 焼結に適した粉体プロセス
  • カーボンニュートラルへの取り組み
  • 誘電体および圧電体セラミックス材料
  • 誘電体・圧電体セラミックスへの耐還元性付与
  • 還元雰囲気焼成技術
  • 添加機能元素と焼結助剤の添加効果
  • 電子セラミックスの信頼性向上に向けた試み

プログラム

第1部 電子セラミックスの焼結技術とプロセス

〜主に積層セラミックコンデンサMLCCを例にして〜

(2025年2月21日 10:30〜12:00)

 電子セラミックスは焼結体粒子 (グレイン) および粒界の電気特性を活用するものであり、焼結体の構造および電気特性制御が重要になります。また、内部電極金属などを内在する積層体 (積層セラミック電子部品) とするため、セラミック粉末粒子に多量の有機バインダーを加えた薄層シートが作成され、それらの分散性、積層性、脱バインダー・焼成雰囲気、焼成後アニールなどの様々な工程が電子セラミックスの焼結性、電気特性に影響します。
 本講では、主に積層セラミックコンデンサ (MLCC) で用いられるチタン酸バリウムを例に挙げ、その他電子セラミックス材料の例を交えながら、電子セラミックスの焼結およびそれに影響を与えるプロセスの影響を示していきたいと思います。

  1. 積層セラミックス電子部品の概要
    1. 電子セラミックスの種類、組成、内部電極金属組成、小型化
  2. セラミックス焼結の基礎知識
    1. セラミックスの組織、微構造、粒成長、粒径と焼結性
    2. セラミックスの焼結現象、表面拡散、体積拡散、粒成長
    3. 相平衡と状態図、固溶体、共晶系、包晶系、焼結助材 液相形成
  3. 焼結時の粒成長と特性 〜BaTiO3を例に〜
    1. 粒成長の有無、粒界の影響、不均一歪み、誘電特性
  4. 粒成長がほとんど見られないコアシェル構造 〜BaTiO3を例に〜
    1. コアシェル構造、原料粉の製造、添加剤の分散、誘電率温度特性
  5. 粒成長するセラミック焼結体
    1. 原料粉製造、残留応力歪み、高温弾性率、粒成長、焼き戻し
  6. 電子セラミックスの粒界特性
    1. 粒界構造、酸素の拡散、酸素空孔、異種元素偏析、寿命信頼性
  7. 電子セラミックスの製造プロセス 〜主にMLCCを例に〜
    1. スラリーの分散手法、スラリー組成設計、顔料容積比 (PVC) 、粒子径分布
    2. シートの乾燥、恒率乾燥、強度特性、バインダー
    3. 脱バインダー、バインダーの熱分解、残留炭素、エリンガム図
    4. 焼成雰囲気制御、アニール処理、酸素拡散、酸素空孔生成、熱力学
    5. 焼結、ネック成長、高速焼成
    • 質疑応答

第2部 セラミックス微粒子分散制御、成形プロセスと焼結

(2025年2月21日 13:00〜14:30)

 セラミックスへの新しい機能の付与や性能の向上のためには、組織の微細化が重要で、さらにナノサイズからミクロンサイズの粒径を持つ組織の階層化、配向化、などが求められている。これらの要求を満たすためには、粉体プロセスの高度化が必要である。粉体プロセスは、(1)粉体の合成、(2)粉体表面処理、(3)成形、(4)焼結、の過程を含む。焼結後の微細組織を得るためには、出発原料として微粒子を用いる必要がある。しかし、粒子径が小さくなるとともに粒子は凝集しやすくなり、凝集粒子に起因する大きな空隙や不均一な組織になりやすい。
 それを防ぐためには、どのような手法で粉体を作製、処理すべきか、あるいは、購入した粉体の場合、どのように処理し、焼結すべきかを明確にしておく必要がある。また、これらのプロセスにおいて、カーボンニュートラルへの取り組みも重要であり、微生物由来分散剤の使用、有機成分の低減、急速加熱などの技術も紹介する。

  1. セラミックス粉末の作製方法と評価法
    1. 固相法、液相法と気相法による粉末作製
    2. 粉末の評価法
    3. 良い微粉末とは
  2. 微粉末の処理と成形
    1. 溶液中での粉末の分散・凝集の考え方
    2. 湿式成形法
      • スリップキャスト
      • テープ成形など
    3. 微生物由来分散剤の特性などカーボンニュートラルへの対応
  3. 焼結の基礎
    1. 粒径、成形体の評価と焼結の基礎
    2. 焼結に求められる粉体、成形体とは
    3. 急速昇温、電磁場印加焼結などの最新技術紹介
    • 質疑応答

第3部 誘電体・圧電体セラミックスの低酸素分圧下での焼結と添加物が特性に及ぼす影響

(2025年2月21日 14:45〜16:15)

 誘電体および圧電体セラミックスは、現在欠かせない電子部品用セラミックス材料であり、近年その研究開発における発展が著しく、特に製品の製造において日本企業が世界的に強い分野となっている。
 本セミナーでは、誘電体・圧電体セラミックス材料について紹介し、それらの材料への耐還元性の付与の必要性について触れた後に、還元雰囲気焼結のための技術について説明する。ここでは、無鉛圧電セラミックスに関する研究例をもとに、低酸素分圧下で焼結後のセラミックスの微構造、各種電気的特性へ及ぼす機能元素のドープ効果、焼結助剤の添加による効果、特性向上のためのアプローチについて解説し、誘電体・圧電体セラミックスに関する信頼性向上に向けた試みについても紹介する。本セミナーの内容が今後の誘電体・圧電体セラミックスの開発に大きな効果を見出すための参考となれば幸いである。

  1. 電子部品業界とセラミックス電子部品
    1. 電子部品に関わる動向と積層型セラミック電子部品
    2. 主な誘電体および圧電体材料
    3. 誘電体および圧電体材料への耐還元性付与の必要性
  2. 無鉛圧電セラミックスを中心とした研究例の紹介
    1. 誘電体・圧電体セラミックスへの耐還元性の付与
    2. 卑金属電極使用のための還元雰囲気焼成技術 (還元雰囲気制御法)
    3. 低酸素分圧下で焼結後のセラミックスの微構造、電気的特性へ及ぼす各種添加物による効果
      1. 機能添加元素が電気的特性に及ぼす影響
      2. 焼結助剤が焼結密度・微構造に与える影響
    4. 特性向上のためのアプローチ
  3. 積層型セラミックス素子の信頼性に及ぼす因子
    • 素子中の結晶粒内・粒界・電極界面と信頼性との関係
  4. まとめ
    • 質疑応答

講師

  • 和田 信之
    和田技術士事務所
    代表
  • 目 義雄
    国立研究開発法人 物質・材料研究機構 電子・光機能材料センター
    NIMS特別研究員
  • 坂本 渉
    中部大学 工学部 応用化学科
    教授

主催

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: 55,000円 (税別) / 60,500円 (税込)
複数名
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  • 学校教育法にて規定された国、地方公共団体、および学校法人格を有する大学、大学院、短期大学、附属病院、高等専門学校および各種学校の教員、生徒
  • 病院などの医療機関・医療関連機関に勤務する医療従事者
  • 文部科学省、経済産業省が設置した独立行政法人に勤務する研究者。理化学研究所、産業技術総合研究所など
  • 公設試験研究機関。地方公共団体に置かれる試験所、研究センター、技術センターなどの機関で、試験研究および企業支援に関する業務に従事する方
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