技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

無機ナノフィラーのポリマーへの分散・複合化技術

無機ナノフィラーのポリマーへの分散・複合化技術

~新たな無機/ポリマー系ナノコンポジット設計概念の確立~
オンライン 開催

視聴期間は2024年11月14日〜27日を予定しております。
お申し込みは2024年11月14日まで承ります。

概要

本セミナーでは、無機ナノフィラーについて基礎から解説し、従来型コンポジットの紹介に加え、講師が研究開発しているシリカナノフィラーの表面改質処理を必要としない新しいポリマー系ナノコンポジットに関する簡易調製技術やそのノウハウとキーポイント、さらにはポリマー系コンポジットとしての優れた材料特性の発現における無機ナノフィラーの役割・効果について、実験結果とシミュレーション解析結果に基づき分かりやすく解説いたします。

開催日

  • 2024年11月14日(木) 13時00分 2024年11月27日(水) 16時30分

修得知識

  • 各種ポリマー系ナノコンポジットの調製事例
  • シリカフィラー表面の疎水化処理ならびにこの処理を用いずにポリマー中に分散させるテクニック・ノウハウ
  • フィラー/ポリマー界面がコンポジットの材料特性に与える影響・発現する特性に及ぼす親水性シリカナノフィラーの役割
  • コンポジット技術のブレークスルーのための材料設計方針

プログラム

 ポリマー材料との複合化に用いる無機ナノ粒子は安価な増量材としての役割だけでなく、近年ではポリマーの特性向上や新機能の付与のための添加剤 (フィラー) として注目されている。とりわけnm寸法の無機ナノフィラーを高分散状態でポリマーと複合化したナノコンポジットは、力学特性や熱物性をはじめ優れた特性発現が期待される。
 ただし、望まれる特性を発現させるには、フィラーとしての無機ナノ粒子の十分な理解と適切な材料選択が必要となるほか、ポリマーの種類に合わせた分散性の均質化、フィラー/ポリマー界面制御、ポリマーとの混合・混練技術といった多岐にわたる知見が必要となる。これらの技術は一部複合材料で実用化されているものの、一般には製品の安定的な製造や信頼性の高い材料品質の確保が経験則に基づいて推し進められている場合も多い。したがって、ポリマー系ナノコンポジット開発における品質と生産性の両立に向けて最小のコストで最大の効果を狙うには、経験と理論のバランスのとれた的確なアプローチが必要となる。
 本セミナーでは、大学でこの分野の基礎研究を実験と数値シミュレーションの両輪で推進している講師の経験を通して、上記の技術を系統的かつ学術的に理論づけした実務への活用のきっかけに繋がる内容を、代表的なシリカを中心に様々な無機ナノフィラーの取り扱い事例を紹介しつつ講演する。具合的には、従来型コンポジットの紹介に加え、講師が研究開発しているシリカナノフィラーの表面改質処理を必要としない新しいポリマー系ナノコンポジットに関する簡易調製技術やそのノウハウとキーポイント、さらにはポリマー系コンポジットとしての優れた材料特性の発現における無機ナノフィラーの役割・効果について、実験結果とシミュレーション解析結果に基づき分かりやすく解説する。

  1. 無機ナノフィラーの基礎 (シリカを中心として)
    1. ナノフィラーの基本物性
    2. 無機微粒子の分散安定性
    3. 無機微粒子の分散・凝集制御の理論と実際
      1. 無機微粒子の分散・凝集制御理論
      2. 無機ナノフィラーの表面改質技術
      3. 無機ナノフィラー分散・充填ポリマー系ナノコンポジットの従来型調製法と代表的特性
  2. 無機ナノフィラーの表面改質処理を用いない新規なポリマー系ナノコンポジットの簡易調製法
    1. 無機ナノフィラーのポリマー中への高分散のキーポイント
    2. 親水性ナノシリカを事例とした本調製法にて使用する無機ナノフィラー粉体の特徴
    3. 親水性ナノシリカをフィラーとした熱可塑性・熱硬化性ポリマー系ナノコンポジットの各論
      1. シリカ/フッ素樹脂系
      2. シリカ/エチレン – ビニルアルコール共重合樹脂系
      3. シリカ/ポリスチレン系
      4. シリカ/ポリプロピレン系
      5. シリカ/高密度ポリエチレン系
      6. シリカ/アクリル樹脂系
      7. シリカ/ポリカーボネート系
      8. シリカ/エポキシ樹脂系
    4. 異種ナノ粒子複合フィラーの活用技術
    5. ポリマー母相中でのナノフィラー導入位置制御を施したコンポジット膜の微視構造デザインと調製事例
  3. 無機ナノフィラーの分散がポリマー系ナノコンポジットの諸特性に及ぼす影響・効果と材料設計のポイント
    1. 実測結果と数値シミュレーションに基づく力学特性制御
      1. 引張特性とその向上のためのナノコンポジット設計のポイント
      2. 耐衝撃特性とその向上のためのナノコンポジット設計のポイント
      3. シリカと異種粒子の複合フィラーによるポリマーの硬さ・強さと耐衝撃性の両立実現の取り組み事例
    2. 実測結果と数値シミュレーションに基づく熱物性制御
      1. シリカ/エポキシ樹脂系ナノコンポジットの線熱膨張率・耐熱性
      2. 窒化ホウ素と酸化物のナノ粒子複合フィラー充填エポキシ樹脂系コンポジットの熱伝導率と微視構造の関係
    3. 光学特性制御
    • 質疑応答

講師

  • 棚橋 満
    富山県立大学 工学部 機械システム工学科
    教授

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 32,400円 (税別) / 35,640円 (税込)
複数名
: 22,500円 (税別) / 24,750円 (税込)

複数名受講割引

  • 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 22,500円(税別) / 24,750円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 32,400円(税別) / 35,640円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 45,000円(税別) / 49,500円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 67,500円(税別) / 74,250円(税込)
  • 同一法人内 (グループ会社でも可) による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 請求書および領収書は1名様ごとに発行可能です。
    申込みフォームの通信欄に「請求書1名ごと発行」とご記入ください。
  • 他の割引は併用できません。
  • サイエンス&テクノロジー社の「2名同時申込みで1名分無料」価格を適用しています。

アカデミー割引

教員、学生および医療従事者はアカデミー割引価格にて受講いただけます。

  • 1名様あたり 10,000円(税別) / 11,000円(税込)
  • 企業に属している方(出向または派遣の方も含む)は、対象外です。
  • お申込み者が大学所属名でも企業名義でお支払いの場合、対象外です。

アーカイブ配信セミナー

  • 「ビデオグ」を使ったアーカイブ配信セミナーとなります。
  • 当日のセミナーを、後日にお手元のPCなどからご視聴ができます。
  • お申し込み前に、 視聴環境 をご確認いただき、 視聴テスト にて動作確認をお願いいたします。
  • 別途、ID,パスワードをメールにてご連絡申し上げます。
  • 視聴期間は2024年11月14日〜27日を予定しております。
    ご視聴いただけなかった場合でも期間延長いたしませんのでご注意ください。
  • セミナー資料は印刷・送付いたします。
  • ご自宅への書類送付を希望の方は、通信欄にご住所・宛先などをご記入ください。
  • ご視聴は、お申込み者様ご自身での視聴のみに限らせていただきます。不特定多数でご覧いただくことはご遠慮下さい。
  • 講義の録音、録画などの行為や、権利者の許可なくテキスト資料、講演データの複製、転用、販売などの二次利用することを固く禁じます。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2024/12/25 粒子・粉体の混合・分散技術の基礎と応用・トラブルシューティング オンライン
2024/12/25 フィルムの延伸・分子配向の基礎、過程現象の解明と構造形成、物性発現、評価方法 オンライン
2024/12/26 架橋剤を使うための総合知識 オンライン
2024/12/27 架橋剤を使うための総合知識 オンライン
2024/12/27 静的・動的光散乱法を中心とした粒径計測の基礎と応用 オンライン
2025/1/6 チクソ性の基礎、制御、測定・評価と実用系への活用方法 オンライン
2025/1/7 高感度化フォトレジスト材料の合成・設計・開発技術 オンライン
2025/1/7 高品質スラリー調製のための分散技術とその安定化、評価方法 オンライン
2025/1/8 高分子・ポリマー材料の合成、重合反応の基礎、プロセスと工業化・実用化の総合知識 オンライン
2025/1/10 ゴム材料のトライボロジー入門 オンライン
2025/1/10 欧州連合 (EU) の食品包装規制と安全問題の最新動向 オンライン
2025/1/15 スラリー中粒子の分散・凝集状態の制御に向けた評価技術 オンライン
2025/1/15 高分子重合反応の基礎とモノマー・開始剤の選定、プロセス最適化 オンライン
2025/1/16 プラスチック・樹脂における耐衝撃性向上技術と衝撃特性解析 オンライン
2025/1/20 「ポリプロピレン」の材料としての基本的な構造、特性、その応用 オンライン
2025/1/20 プラスチックのリサイクル促進に向けた材料設計・成形加工の技術と知識 オンライン
2025/1/21 ポリフェニレンサルファイド (PPS) 樹脂の基本特性と製造・加工技術および高機能化 オンライン
2025/1/22 欧州連合 (EU) の食品包装規制と安全問題の最新動向 オンライン
2025/1/23 粉体・微粒子の表面処理と機能性ナノコーティング技術 会場・オンライン
2025/1/24 トラブルのない上手な粉体装置・設備のエンジニアリング オンライン

関連する出版物

発行年月
2021/12/24 動的粘弾性測定とそのデータ解釈事例
2021/10/29 金属ナノ粒子、微粒子の合成、調製と最新応用技術
2021/7/30 水と機能性ポリマーに関する材料設計、最新応用
2021/7/28 プラスチックリサイクル
2021/6/29 UV硬化樹脂の開発動向と応用展開
2021/5/31 高分子材料の劣化・変色対策
2021/5/31 重合開始剤、硬化剤、架橋剤の選び方、使い方とその事例
2021/4/30 建築・住宅用高分子材料の要求特性とその開発、性能評価
2021/2/16 ポリマーアロイ/ブレンドにおける相溶性・分散条件の最適設計、評価応用の最新技術
2021/1/29 高分子材料の絶縁破壊・劣化メカニズムとその対策
2020/11/30 高分子の延伸による分子配向・結晶化メカニズムと評価方法
2020/11/30 高分子の成分・添加剤分析
2020/10/30 ポリウレタンを上手に使うための合成・構造制御・トラブル対策及び応用技術
2020/9/30 食品容器包装の新しいニーズ、規制とその対応
2020/3/31 自己修復材料、自己組織化、形状記憶材料の開発と応用事例
2020/1/31 添加剤の最適使用法
2020/1/31 溶解度パラメータ (SP値・HSP値) の求め方と微粒子の分散安定化への活用術
2019/12/20 高分子の表面処理・改質と接着性向上
2019/10/31 UV硬化技術の基礎と硬化不良対策
2019/1/31 マテリアルズ・インフォマティクスによる材料開発と活用集