自動車メーカーが純正のカーナビゲーションシステムの開発を開始したのは1990年代であったが、2000年代に入り海外車種へも量産展開する。2000年代後半には従来のガラス/ガラスタイプの抵抗膜式タッチパネルから静電容量方式への移行が始まる。2010年代半ばには方向性が明確になる。静電容量方式では三次元形状ディスプレイへの対応のハードルが下がる。しかし、三次元形状への額縁印刷をどうするか、三次元ディスプレイと同じ三次元パネルの貼り合わせの問題をどのように解決するかといった問題が生じている。一方で有機ELの普及で多くの極薄ディスプレイが開発される中でUTGとよばれる極薄ガラスの高機能化が求められる。また更なる新規用途開発が進む。これらを踏まえて解説する。

1. ディスプレイ用ガラスの製造技術俯瞰 〜LCDからマイクロLEDまで〜
   1. ディスプレイ用ガラス基板の製造工程
   2. マイクロLEDディスプレイとは
   3. 主要なタッチパネルの方式
   4. タッチセンサー基板・カバー材料製造の流れ
   5. 静電容量方式タッチパネルの構造例
   6. 静電容量方式タッチパネル生産工程事例
   7. 最近の車載ディスプレイマーケットの調査
2. タッチセンサー用基板・カバー材料の変遷
   1. タッチセンサー基板材料の比較
   2. 抵抗膜式と静電容量方式パネルのコア技術
   3. 静電容量方式でのITOと代替導電膜の比較
   4. ガラスとガラス代替材の比較
   5. 台頭する海外メーカー事例
3. 薄板ガラスの化学強化からフォルダブルディスプレイ用ガラス対応へ
   1. ガラスの本質強度
   2. 化学強化ガラスの基本
   3. アルミノシリケート系ガラスの評価結果
   4. 各社のアルミノシリケート系ガラス
   5. UTGの化学強化の可能性を示す計算式
   6. スリミング技術の基本
   7. スリミング技術の可能性と限界を示す
   8. 透明結晶化ガラスの可能性
4. フォルダブルディスプレイに対応するUTGとロールtoロール、ペロブスカイト薄膜太陽電池への可能性
   1. UTGの化学強化の方向性
   2. UTGへの取り組み事例
   3. ユーザーからのUTGに求められる仕様
   4. ぺロブスカイト薄膜太陽電池への技術展開
5. 三次元加工ガラスの取り組み
   1. 素材メーカー〜ガラス加工メーカー〜Tier2〜Tier1〜Car Maker
   2. 車載用三次元カバーガラスの工程フロー
   3. 曲面タッチパネル〜表面機能膜コーティング
   4. 車載用大型曲面カバーガラスの設計デザイン
   5. 車載用大型曲面カバーガラスに対応する金型設計の考え方〜各種事例
6. 三次元加工ガラスへの印刷技術
   1. 既存の印刷技術について
   2. レーザーダイレクトイメージング法
   3. 湿式超音波洗浄後のプラズマ洗浄
   4. マスクレス露光装置のイメージ
   5. 露光〜現像〜硬化からイメージングへの全体像
7. GIS Techのご紹介
   1. GISグループの構成
   2. GISでのLDIのプロセス
   3. 3D Glass BM Total Solution
   4. 超音波洗浄〜プラズマ洗浄
   5. フォトレジストの塗装と定着
   6. レーザー露光 (動画)
   7. 露光〜現像と硬化からイメージング (動画)
   8. 各種露光装置のご紹介
8. 曲面ディスプレイカバーガラスのスペックと根拠
   1. カバーガラスの低反射を達成するのはコート処理かコート付フイルムか?
   2. 印刷面とパネルとの貼り合わせに関わる問題
9. まとめ
   • ダイレクトボンディング技術の進展が今後の課題解決のポイントか?
   • これらの技術はペロブスカイト薄膜太陽電池分野にも応用できるか?